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悲劇の幕開け の商品レビュー

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2013/12/05

(2007.08.17読了)(2006.11.03購入) ガダルカナルでの戦いのすべてが記されているものと思って読んだのですが、そうではありませんでした。この本の前に「ガダルカナル勝者と敗者の研究 幻想の戦略と大いなる遠謀」という本が出ているので、そちらから読まないといけなかった...

(2007.08.17読了)(2006.11.03購入) ガダルカナルでの戦いのすべてが記されているものと思って読んだのですが、そうではありませんでした。この本の前に「ガダルカナル勝者と敗者の研究 幻想の戦略と大いなる遠謀」という本が出ているので、そちらから読まないといけなかったようです。 本の帯には、「戦いの実態を隠蔽して、嘘の大本営発表で固めた日本軍と、戦局を詳細に分析し、戦術・戦略上の戦訓を打ち出していく米国―その戦争方程式を対比させながら、米極秘史料を駆使してガダルカナル戦の全貌を伝える歴史の証言!」とあります。 アメリカ側の資料を使えたところがこの本の特徴ということでしょう。 ●日本の陸軍と海軍(2頁) ガダルカナル島に飛行場を造成したのは、海軍の発意によるものであった。この事実と作戦の眼目を海軍は、陸軍に伝えなかった。その飛行場を突如米軍に占領され、海軍の陸戦隊では奪回は望めないと見た海軍は、地上作戦を巡る兵力の投入を陸軍に依存するしか道はなかった。その海軍が敵の兵力増援と物資補給の要となる船舶に対する攻撃をそっちのけにして、敵の軍艦に攻撃を集中する事実に、陸軍が多大の不満を持ったのは偶然の事象ではなかった。 ●一木支隊(59頁) 命令にある奪回の目標はガ島飛行場であったが、一木支隊が第一梯団の先遣隊だけで攻撃するのか、後続の第二梯団の来着を待って攻撃するのかは明らかにされていなかった。 当時の日本軍の命令には陸軍、海軍とも「戦いの原則」のひとつである「簡明の原則」に背離する曖昧な方針が示されることが多く、錯誤と混乱が常態の作戦を巡っての決定的な齟齬に繋がることが多かった。 ●沿岸監視員(69頁) 白人の沿岸監視員と米軍に加担する原住民たちは、ラバウルから飛来する日本軍の爆撃機が上空を通過する島から米軍に無線通報し、米軍が十分に迎撃できることを可能にした。 ●一木支隊の最後(90頁) 掃蕩戦において若干の日本兵は自分の体に血を塗り付け死んだ振りをしたあと不意に立ち上がり、銃や手榴弾で最期の抵抗を試みた ●経営管理(204頁) 当時の日本には、戦争を経営し管理する方法論やシステムがまともに存在せず、戦争指導部は状況追従の場当たりで泥縄式の対応の下、転瞬の間に変転する戦局の中、国家総力戦となった近代戦の本質をほとんど理解できなかった ☆関連図書(既読) 「ガダルカナル 学ばざる軍隊」NHK取材班、角川文庫、1995.05.25 著者 森本 忠夫 1926年 京都生まれ 海軍航空隊員として太平洋戦争に従軍 1952年 京都大学経済学部卒業 東洋レーヨン入社 東レ取締役、東レ経営研究所社長 龍谷大学経済学部教授 (2007年9月6日・記) (「MARC」データベースより)amazon 戦いの実態を隠蔽して、嘘の大本営発表で固めた日本軍と、戦術・戦略上の戦訓を打ち出していく米国。米極秘史料を駆使してガダルカナル戦の全貌を伝える。2002年刊「ガダルカナル勝者と敗者の研究」の第2巻。

Posted byブクログ