寝ながら学べる構造主義 の商品レビュー
構造主義的な考え方を知って、主体性というものはないんだなと感じたし、それに幾分か救われた。 ある種の諦めというか、限界があることを理解しつつ、それでもちょっと足掻いてみよう、頑張ってみようと考えるようになった本。 (筆者に失礼かもだけど)おじいちゃんみたいな優しい文体が好き。...
構造主義的な考え方を知って、主体性というものはないんだなと感じたし、それに幾分か救われた。 ある種の諦めというか、限界があることを理解しつつ、それでもちょっと足掻いてみよう、頑張ってみようと考えるようになった本。 (筆者に失礼かもだけど)おじいちゃんみたいな優しい文体が好き。読みやすい。
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人が多様であることは、アフリカ大陸から移動をはじめた12万年前からずっと変わらずに目の前にあったのに、なぜ私たちは最近になってそのことに気づいて、あたふたと考えだすようになったのか・・・。 もっと身近な例で考えると、私は、子供のころに某お笑い番組で、某お笑いタレントが同性愛者の男...
人が多様であることは、アフリカ大陸から移動をはじめた12万年前からずっと変わらずに目の前にあったのに、なぜ私たちは最近になってそのことに気づいて、あたふたと考えだすようになったのか・・・。 もっと身近な例で考えると、私は、子供のころに某お笑い番組で、某お笑いタレントが同性愛者の男性を可笑しくキャラクター化させたコントを、家族と一緒に居間で笑いながら見ていたわけだけど、そこにはなんの悪意もなかった。 まさか、それで誰かが傷つくなんて考えもしなかったし、差別をしているという意識すらなかった。 そんな私も、令和6年の現在では、愚かしく浅はかで配慮のない態度であると考えている。 「私」は年齢を重ねたけれど、特別に変わったという意識はない。 一緒に見ていた両親だって笑っていたのだから、子供だから、大人だからは関係がなさそうだ。 それはつまり、こういうことだったのかな?と本書を読んで納得できた。 私たちは、自分が属している「ある時代、ある地域、ある社会集団」が受け容れたものだけを選択的に思索の対象としている。見て、感じて、考える。そういったもので感受性をつくっていく。自分の社会集団が無意識的に排除してしまったものには、そもそも私たちの視界に入ることもないので、私たちの思索の主題となることもない。 そして、これがつまり、構造主義の考え方であるらしい。 「哲学する」ということは、つまり、他人の眼鏡をちょっと借りてみることで、それはたぶん人間を知るってことなんだと思う。
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次の一歩を踏み出したくなる分かりやすい書き方で、とても面白かった。構造主義を知るほど、「私」なんていないんじゃないか、と思えて、安心と恐怖が押し寄せてくる。
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構造主義って聞いた感じ何それ難しそうって感じだったけど、構造主義自体の基本的な考えは難しくないんだなってこれ読んで思った。
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随分前に買ってあったけど何故か読んでいなかった。 内田樹さんの本はまえがきとあとがきが面白い。 入門書は専門書よりも「根源的な問い」に出会う確率が高い、そう言われると、この本で根源的な問いに出会えるかもしれない、という期待が膨らむし、何より「私が知っていること」より「私が知らない...
随分前に買ってあったけど何故か読んでいなかった。 内田樹さんの本はまえがきとあとがきが面白い。 入門書は専門書よりも「根源的な問い」に出会う確率が高い、そう言われると、この本で根源的な問いに出会えるかもしれない、という期待が膨らむし、何より「私が知っていること」より「私が知らないこと」を中心に描かれている、のだ。 寝ながらわかった、とは言わないが、楽しく読める本だった。
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特に「構造主義」なんてものには全く興味がないのですが、 ちょっとしたきっかけでこの本を読む機会を頂いたので、 ナナメ読み。 タイトル通り「寝ながら」読んでみました。 が、そのまま「寝てしまう」くらいの難易度。 決して、歯が立たないってことはないですし、 著者が素人でもちゃんと理...
特に「構造主義」なんてものには全く興味がないのですが、 ちょっとしたきっかけでこの本を読む機会を頂いたので、 ナナメ読み。 タイトル通り「寝ながら」読んでみました。 が、そのまま「寝てしまう」くらいの難易度。 決して、歯が立たないってことはないですし、 著者が素人でもちゃんと理解できるように 工夫/努力をしている痕跡は感じましたが、 それでも自分にはちょっと難しかったです。 とは言え、自分なりの発見もありまして、 この手の本は深井龍之介さんが「歴史思考」で語ってる 新しい視点の獲得(自分の常識を疑う心)のことなのかな、 ということです。 ※世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4478112274#comment そういう意味では、哲学も歴史も似通っているのかな。 面白くはなかったですが、気づきはあった本です。
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構造主義の入門書です。まず、現代思想の源流となったマルクス、フロイト、ニーチェについて、簡単な説明がなされたあと、構造主義の源流とされるソシュールの言語論が紹介されます。その後、構造主義の思想家であるフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの4人がとりあげられ、それぞれの思想...
構造主義の入門書です。まず、現代思想の源流となったマルクス、フロイト、ニーチェについて、簡単な説明がなされたあと、構造主義の源流とされるソシュールの言語論が紹介されます。その後、構造主義の思想家であるフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの4人がとりあげられ、それぞれの思想についての解説がおこなわれています。 ただし、本書は単なる概説ではありません。著者の目を通して、構造主義的な「ものの見方」が説明されており、いきいきとしたたとえを用いて、読者が構造主義に特有の考えかたを具体的に理解できるようになっています。 著者は、難波江和英との共著である『現代思想のパフォーマンス』(2004年、光文社新書)も執筆しており、そちらでは「解説編」でそれぞれの思想家の基本的な考えかたを説明したあと、「実践編」で小説や映画などを例にそれらの考えかたをじっさいに作品の分析につかってみせるというスタイルが採用されていました。本書は、「実践編」として独立の章立てがなされているわけではありませんが、前著と同様のねらいをもった入門書ということができるように思います。
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構造主義が現代思想のひとつということも知らず勢いで手に取りました。「寝ながら」はもってのほか、1回では分からなかったので読み直しながら書いてまとめるまでしました。 大枠がぼんやりわかったところで、もしや非常によくまとめられている本なのでは?と感じました。何もわからないのにもう一回...
構造主義が現代思想のひとつということも知らず勢いで手に取りました。「寝ながら」はもってのほか、1回では分からなかったので読み直しながら書いてまとめるまでしました。 大枠がぼんやりわかったところで、もしや非常によくまとめられている本なのでは?と感じました。何もわからないのにもう一回読んでみよう、まとめてみようと思わせてくれたこと自体、良書なのだと思います。 追記 他の本を読んでいて、この本で書かれていたなと思い出すことが多々ありました。自分にとって新しい視点をくれた本だと思います。
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構造主義という今では当たり前となった見方考え方について、平易に分かりやすく書いてくれている。だが正直、内容はスッと入ってくるレベルのものでは無い。「寝ながら」では難しい。けれど、分かりやすい。 また時間をおいて読んだら、自身の経験も生き、別な理解が深まると思う。
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構造主義前夜のマルクス、フロイト、ニーチェの要点、代表格四銃士のそれぞれの功績といった展開でポイントが掴みやすい。 人間の内在的な主体性から、外因との関係性から自己や人間とはを問う。なんとなくではあるが、現代の思考や価値観に(個人的なのかも)通底する考え方かなって我が事として引...
構造主義前夜のマルクス、フロイト、ニーチェの要点、代表格四銃士のそれぞれの功績といった展開でポイントが掴みやすい。 人間の内在的な主体性から、外因との関係性から自己や人間とはを問う。なんとなくではあるが、現代の思考や価値観に(個人的なのかも)通底する考え方かなって我が事として引き込んで理解しやすい。
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