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新装版 マックスウェルの悪魔 の商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

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2018/10/20

『現実世界と統計力学がリンクする!』「分子などの粒子の集団としての振る舞いをその確率から統計的に記述する物理」と説明されて「なにそれ面白そう!」と興味が持てる人間は間違いなく少数派だが、本書はもうこれ一冊で存分に統計力学を楽しむことができる。「コーヒーとミルクってなんで混ざるの?...

『現実世界と統計力学がリンクする!』「分子などの粒子の集団としての振る舞いをその確率から統計的に記述する物理」と説明されて「なにそれ面白そう!」と興味が持てる人間は間違いなく少数派だが、本書はもうこれ一冊で存分に統計力学を楽しむことができる。「コーヒーとミルクってなんで混ざるの?」「お茶はなんで冷めるの?」という小学生にされたら困るような日常の疑問を統計力学的に説明し、そこから一般人がわかるようでわかってない理論上位に位置する熱力学第二法則とエントロピーの話に綺麗につながっていく。そして極めつけにオチのエントロピー社会論。エントロピーが増大し、もはや誰にも全容を把握することができない社会で、個々の負のエントロピーは今後も同じようにエネルギーを正しく消費できるのだろうか。統計力学の教科書を開く前に読むべき一冊。

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2018/09/09

今まで読んだエントロピー関連の本では群を抜いてわかりやすく、おもしろかった。薄い割には内容が濃い。とはいっても入門書。何を勉強すればよいのかわかってきたので、本書を足がかりにこれから深く勉強していきたいと思う。

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2017/11/29

1970年代に書かれた本らしいのですが、最終章のカタストロフィの予言的内容が今の世の中にピッタリとあてはまっているようで恐ろしい。情報量の氾濫のために、人類は早晩滅亡すると考えている、という言葉も真実味を帯びる。エントロピー過多による生活のくずれはすでに起きているとみていいのでは...

1970年代に書かれた本らしいのですが、最終章のカタストロフィの予言的内容が今の世の中にピッタリとあてはまっているようで恐ろしい。情報量の氾濫のために、人類は早晩滅亡すると考えている、という言葉も真実味を帯びる。エントロピー過多による生活のくずれはすでに起きているとみていいのでは?

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2017/08/03

初版は中学生の頃に読んだ記憶があります。図書館にブルーバックスのコーナーがあり、同じく都築卓司さん著者の「タイムマシンの話」と並んで置かれていました。どちらも導入部は面白かったと記憶していますが、途中から専門的な話となり、投げ出してしまいました。 40年以上経ち、今回再読してみ...

初版は中学生の頃に読んだ記憶があります。図書館にブルーバックスのコーナーがあり、同じく都築卓司さん著者の「タイムマシンの話」と並んで置かれていました。どちらも導入部は面白かったと記憶していますが、途中から専門的な話となり、投げ出してしまいました。 40年以上経ち、今回再読してみましたが、面白かったです。 本書は熱力学の第2法則を豊富な寓話を使ってわかりやすく説明します。数あるブルーバックスの中でも、巻末にあるブルーバックス発刊の趣旨に最も近い本と思います。 感覚的に理解するのが面倒な第2法則を「分離の状態は、やがて混合という結果に追い込まれることを述べたもの」と「追い込まれる」という言葉を使って説明するなど、職人的教授という気がしました。 面白かったのは、空気が積もらない話。 「①空気分子はできるだけ位置エネルギーを小さくしたい。そのために地上につもってしまうのが最上の策である。 ②たくさんの粒子からできている体系は、実現の確率の最も大きな状態になろうとしている。このためには、空気分子は非常に薄く、同じような密度で遥か上空にまで広がるのが得策である」 そして著者は「両法則の顔をたて」、空気は下に濃く、上に薄く分布すると説明します。 本書のすごいのは、「マックスウェルの悪魔」という分子を自由に操ることのできる悪魔を登場させ、分子移動の不可逆性を寓話として理解させようとすること。また、これまた理解が難しいエントロピーを金属とゴムの収縮の違いを例にとって説明し、読者に何となく理解した気にさせてしまうこと。40年前、完読しなかったのが悔やまれます。 なお、エントロピーを理解しても、日常生活に役に立たつことはないと思います。それでも、読書の楽しさを十分に味わえるおすすめの★★★★★。

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2017/03/19

非常に面白かった。本書の初版が出版されてから、今日に至るまで人類全体のエントロピーは増大し続けている現状を鑑みると、本書の結びにある人類自身がマックスウェルの悪魔となり、自らの救世主となる未来は遠い。

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2013/02/24

2年前に読んで途中でギブアップしたものをリベンジ。新装版のせいか、今回はまず最後までいけました← まずエントロピーについて理解せねば・・・^^;まだ物理も習いたての自分にとって、難しかったですが内容的には面白かったです。なぜ落ちた物体は上へ行かないのかとか、人間など生物が自分の体...

2年前に読んで途中でギブアップしたものをリベンジ。新装版のせいか、今回はまず最後までいけました← まずエントロピーについて理解せねば・・・^^;まだ物理も習いたての自分にとって、難しかったですが内容的には面白かったです。なぜ落ちた物体は上へ行かないのかとか、人間など生物が自分の体を自分の意思で動かせるのには理由がある・・・など、なるほど(?)と思える身近な現象満載でした。またリベンジしたいですw

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2012/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

熱力学第二法則、エントロピー増大についてわかりやすく解説している良著。物理の世界と同じように人間社会も放っておくと色んなモノが複雑化(エントロピーの増大)していく。たたでさえ情報量が増えて選択・決断の機会が増えているのだから、一つ一つをシンプルにすること(反エントロピーの増大)を心掛けないといけないと教えられました。

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2012/07/03

熱力学の第1法則・第2法則、エントロピーの性質を分かりやすく説明しています。最終章で、エントロピーを世の中一般に広げて話をしているのもすごい。確かに今の仕事は、反エントロピーを生産することですね。

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2012/06/01

難しくてわからんかった。興味があって物理を好きになったのも事実だが大学2年くらいなってからまた読もうと思った。まだまだ知らない世界はたくさんあると感じた。

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2012/02/02

昔読んだことがあるな、と思い読み返してみた本です。 実は、読んでいるうちに、読了していなかったことが判明したのですが(笑)。 ブルーバックスにありがちな話ですが、前半は非常にわかりやすく書かれていて、後半は割と高度なことが書かれていて、その接続点が抜け落ちているパターンを踏襲し...

昔読んだことがあるな、と思い読み返してみた本です。 実は、読んでいるうちに、読了していなかったことが判明したのですが(笑)。 ブルーバックスにありがちな話ですが、前半は非常にわかりやすく書かれていて、後半は割と高度なことが書かれていて、その接続点が抜け落ちているパターンを踏襲しています。 つまり、読者置いてけぼりパターン。 エントロピーについて理解するのであれば、同じブルーバックスでも「物理数学の直感的方法」を読むほうがわかりよいと思います。 後半は説明をはしょっている感があるので、イメージだけつかんで、細かいところまで知りたい人は、別途専門書籍をあたってください、という意味であれば、使い道のある本かもしれないですが・・・。

Posted byブクログ