アンダー・ユア・ベッド の商品レビュー
ストーカーなのに、なぜか爽やかな感じがしました。 粘着質という先入観があって読んだのですが、彼は多くを望んでない。 むしろ、あきらめの上に生きている。そこはあわれだと思ったし、想像もつかないというか、実感がわかなかった。 だから淡々としているなあと思いました。
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面白かった。けど、本作に主人公やヒロインが恐怖やパニックのためにちびってしまう描写が三回もあり、何故!と途中から気もそぞろになってしまった。…何か拘りでもあるのだろうか…。 水島の「同じ側にいる者」としての主人公への目線がわかりすぎて自分に幻滅した…。
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タイトルで、江戸川乱歩の「人間椅子」を想像したのだが。 それは、近くて遠かった。 主人公は、生まれついての影の薄い男。 物語の合間、合間に、存在感が薄かった故のエピソードがはさみこまれるのだが、なんというか圧倒される。限りなく0に近いような存在なのに、妙な圧迫感がある。...
タイトルで、江戸川乱歩の「人間椅子」を想像したのだが。 それは、近くて遠かった。 主人公は、生まれついての影の薄い男。 物語の合間、合間に、存在感が薄かった故のエピソードがはさみこまれるのだが、なんというか圧倒される。限りなく0に近いような存在なのに、妙な圧迫感がある。 それは、彼が抱えている閉塞感なのだろう。 ともあれ、彼は昔一度一緒にコーヒーを飲んだだけの女性に執着する。 その執着の仕方は、不気味だ。異様なのに、そこにある気持ちは純粋である。彼女への彼の思いは、澄み切っていて曇りもよどみもない。 が、純粋すぎる水の中では、生物は生きていけないのだ。 そういう意味で、主人公が熱帯魚屋を営んでいるのは、皮肉である一種のメタファーなのかもしれない。 執着される彼女は、彼女で問題をかかえていて、それが暴発し、その場に彼が居合わせたことで、物語は悲劇的に終わる。 が、不思議な爽快感があった。 不気味なのに、心地いい、妙な作品だった。
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内容は 11年も前の同級生を探し出して、近くに住んだり 盗聴器仕掛けたりで……一見怖そうな内容なのだが それが、このストーカーが人助けする話となるのが 不満だ……×
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こういうのを「純愛」って言ってもいいんだろうか。たしかに主人公の行動は「異常」とされるんだろうし「ストーカー」なんだけれど。これは応援したくなっちゃうのですがっ?なんかもう健気というか純真というか。……普通でないとは、思いますがね。 一方では同じような境遇でありながら、まったく別...
こういうのを「純愛」って言ってもいいんだろうか。たしかに主人公の行動は「異常」とされるんだろうし「ストーカー」なんだけれど。これは応援したくなっちゃうのですがっ?なんかもう健気というか純真というか。……普通でないとは、思いますがね。 一方では同じような境遇でありながら、まったく別の行動を起こしちゃう人物もあったり。そういう紙一重の危うさ、のようなものが、ひそかに怖い作品。
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ストーカーのお話。 気持ち悪かったこと意外記憶にない。 でも、気持ち悪さが半端じゃなかったので☆5つ。
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ホラー小説だけど、そんなに怖くなかった。 大石さんには珍しいんじゃないかな?てぅちは思う。 登場人物の『僕』が好きです。
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【ある日突然思い出した昔好きだった同級生。。9年前のあの幸せだった瞬間・・。無性に彼女に会いたくなった彼は彼女を探し出した。。。だが彼女は・・・・。】 今まで読んだ大石作品の中ではこれが1番好きです。なんとなく人間的というか。実際にあったら怖いけどネ。はっきりいってストーカーな...
【ある日突然思い出した昔好きだった同級生。。9年前のあの幸せだった瞬間・・。無性に彼女に会いたくなった彼は彼女を探し出した。。。だが彼女は・・・・。】 今まで読んだ大石作品の中ではこれが1番好きです。なんとなく人間的というか。実際にあったら怖いけどネ。はっきりいってストーカーなんだけど彼女の置かれている状況ではヒーローにもなってしまう。。。 それって実生活でも多々あるかなと。生理的に受け付けない人からはどんなことされてもイヤだし好きな人からはある程度は好意として受け取れてしまうもんで。。 ラストが幸せだと思えるかどうかは読み手次第です!
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19歳の頃、同じ大学の佐々木千尋とたった一度だけ テーブルに向き合ってコーヒーを飲んだ。 三井直人にとってはそれが人生でもっとも幸福な瞬間だった。 9年後、見つけ出した彼女は結婚し家庭を築いていた。 しかし一見幸福そうに見えた千尋は夫の横暴や暴力に耐える生活を続けている。...
19歳の頃、同じ大学の佐々木千尋とたった一度だけ テーブルに向き合ってコーヒーを飲んだ。 三井直人にとってはそれが人生でもっとも幸福な瞬間だった。 9年後、見つけ出した彼女は結婚し家庭を築いていた。 しかし一見幸福そうに見えた千尋は夫の横暴や暴力に耐える生活を続けている。 三井は近所に引越し観賞魚店を営みながら 千尋の自宅を盗聴、窃視を繰り返す―なんとか彼女を救い出してやりたい。 これまで大石圭は「オールド・ボーイ」、「呪怨」シリーズなどの 映画のノベライズだけ読んできた。 この本が初めてのオリジナル作品だけど読んでみたらノベライズといえど 作者がいかに自分の作品を書こうとしてきたかがよく判る。 根底に通じるテーマがあるからね。 三井の行動は完全にストーカーで不気味なものだけど 千尋が暴力を振るわれるたび彼女の身を案じ、こっそり救いの手を 差し伸べる姿は健気で読んでいる間は完全に感情移入させられる。 異常な人物が登場し、どきつい描写があるにも関わらず 胸が締めつけられるような切ない感動が込み上げてくるのが特長で ノベライズのときから思っていたのだがラストシーンが上手い。 この本を読んで乙一の「暗いところで待ち合わせ」を思い出した。 どちらも人付合いに不器用な青年が主人公で女性の自宅に侵入、 直接的なコミュニケーションがないのに男女が惹かれあっていく話で 似通った部分がある。読みくらべてみるのも面白いかもしれないね。
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ベッドやソファーの下に潜んで、女を覗き見る男・・。 最初は怖いストーカーものだったのが、最後はなんか、淋しくて、悲しくなりました・・。 「石の下にいる虫のような、誰からも忘れ去られる存在」。うーん、悲しい。
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