ハイペリオンの没落(下) の商品レビュー
そうか、今までの話し…
そうか、今までの話しはここにつながる大いなる序章だったのか、すげー。と思える怒涛の展開と感動。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ハイペリオンシリーズは、最近出会った中では珍しく最初だけ面白い尻窄み作品に該当しない作品のようだ。 レビューで絶賛されているのに釣られつい大人買いしてしまい、最初は良くても巻が進むにつれ面白さが減っていき大人買いを後悔する、というパターンが続いていたので嬉しい限り。 『ハイペリオン』の続編。と言うより、『ハイペリオンの没落』でもって初めて物語が完結するので、実質一作品だ。 『ハイペリオン』は巡礼者が一人一人物語を語るオムニバスのような作りだったが、本作ではそれをベースに前作では背景だった現在の時間軸でのストーリーが大きく動き出す。 『ハイペリオン』で別々に語られた物語が同じ世界の中で重なり合っていき、相互の関連が判明していく構成は、よく考えられているなあと素直に感心する。伏線回収と言ってもいいかもしれない。本作を読み終え、もう一度前作を読み返し細々とした部分を確認したくなる。 惜しむらくは、結局シュライク:苦悩の神とは何だったのか、ソルとサライが見た夢はどんな意味があったのか、なぜシュライクはレイチェルを連れて行ったのか、カッサードの前でモニータがシュライクに変貌したのは何故か、今一つ判然としなかったこと。前作では緻密な引用でそのよく練られた作り込みに感嘆したが、今作は広げた風呂敷の回収に若干の杜撰さを感じてしまった。 それとやはりカッサードのカルマが、自分的には、他の巡礼者が背負っているものから若干見劣りしてしまうのだよな。前作ではそういうのもあっていいかな、と思ったのだが。 さらに書くと、中でサイリーナスだったか誰だったかも言っていたが、一人また一人といなくなるのが何となく。物語上必要だったんだろうけれど。 そんなこんなで★3 また、これは多くの読者もそうだったのではと想像するが、途中でモニータ=レイチェルであること、敵はコア、というクライマックスはなんとなくわかってしまった。 それも残念。 まあこれは作者のせいではないだろうな。メタ的視点をつい持ってしまう自分が悪い。 続編は、多分読む。 ネガティブなことも書いたが、トータルとしては面白く密度の高い物語であることは間違いがない。
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ー “来世というものはあるのかしら。目が覚めてみたら、すべてが夢だったなんていうことがあるのかしら。きっとあるわよね、人間というものは、こんな苦しみを受けるために創られたんじゃないもの” ああ、ファニー、きみは知らなかったんだ!人はまさに、そのような苦しみを受けるために生まれて...
ー “来世というものはあるのかしら。目が覚めてみたら、すべてが夢だったなんていうことがあるのかしら。きっとあるわよね、人間というものは、こんな苦しみを受けるために創られたんじゃないもの” ああ、ファニー、きみは知らなかったんだ!人はまさに、そのような苦しみを受けるために生まれてきたことを。つまるところ、人が自意識と呼ぶものは、苦しみの波濤のあいまに生じる澄んだ潮だまりにすぎない。人はみな、みずからの苦しみに耐え、それを抱きしめるように創られている、運命づけられている。そう、狼の仔を腹に隠したスパルタ人の泥棒がその仔に腸を食いつくされるように。 ー やっと4冊読み終わった。長かった…。 SFの全てが詰まっているとは、まさにその通りで、ありとあらゆるSFの構成要素がこの作品の中にあり、それでいてとっ散らかることもなく素晴らしい結末まで一気に読ませてくれる傑作。 もう、とにかくすごい! 300年後が舞台の『エンディミオン』と『エンディミオンの覚醒』全4冊が残っているのでまだまだ終わりそうにもないな…。 しばらく時間をおいて読むか。
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面白かった。これがネビュラ賞を取れてないなんてどうなっているのだろう。しかし、解説読んで、納得。非常に人気のある話しだった。しかも、このつぎのエンディミオンはもっとおもしろいらしい。楽しみ。 シーユー・レイター・アリゲーター、インナ・ホワイル・クロコダイル このセリフでほろりと来...
面白かった。これがネビュラ賞を取れてないなんてどうなっているのだろう。しかし、解説読んで、納得。非常に人気のある話しだった。しかも、このつぎのエンディミオンはもっとおもしろいらしい。楽しみ。 シーユー・レイター・アリゲーター、インナ・ホワイル・クロコダイル このセリフでほろりと来てしまうとは。思いもよらなかった。
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人工知能(AI)、宇宙航行、若返りを始めとして、ありとあらゆるSFネタが織り込まれている物語。 設定や伏線は相応に回収されていると思うが、こちらの『ハイペリオンの没落』の方は、他の方も書かれている通り、話を追うことの比重が高く、物語そのもののおもしろさは先の『ハイペリオン』には及...
人工知能(AI)、宇宙航行、若返りを始めとして、ありとあらゆるSFネタが織り込まれている物語。 設定や伏線は相応に回収されていると思うが、こちらの『ハイペリオンの没落』の方は、他の方も書かれている通り、話を追うことの比重が高く、物語そのもののおもしろさは先の『ハイペリオン』には及ばないと思う。 最後、エピローグにページを割いて描いている点はよかった。ここから300年後の物語として『エンディミオン』があるとのことであるが、そのうち読んでみようか。 にわか知識として、キーツの著作に『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』『Lamia (レイミア)』『エンディミオン』がある(fromウィキペディア)。詩人キーツ、名前は知っていたが詩人としての評価はどういう位置づけなんでしょう?全然知らないもので。それがわかっていたらもう少し違った見方ができたかもしれない。
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感動の面白さの続編、有り難い 表紙 8点生籟 範義 酒井 昭信訳 展開 9点1990年著作 文章 8点 内容 895点 合計 920点
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ハイペリオンを書き終わった後にこの結末を創作したのだろうか? それにしては出来が良すぎる。 では、最初からハイペリオンの没落までを描くつもりだったのか? それであれば、どうしてハイペリオンの4巻構成にしないのか ハイペリオンの感動を裏切らない続編。
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【内容】 謎が次々解かれていく巻。主にAIとの問答で。 シュライク、アウスター、テクノコア、キーツ複製、ウェブ、それぞれの関わり。 そして戦争の帰結は、巡礼たちの帰結は? 【感想】 怒濤の展開で上巻よりも分厚いけど一気に読めました。 作品としては最初の「ハイペリオン」の方が面白...
【内容】 謎が次々解かれていく巻。主にAIとの問答で。 シュライク、アウスター、テクノコア、キーツ複製、ウェブ、それぞれの関わり。 そして戦争の帰結は、巡礼たちの帰結は? 【感想】 怒濤の展開で上巻よりも分厚いけど一気に読めました。 作品としては最初の「ハイペリオン」の方が面白かったとは思いますが、「没落」は単純にお話としてよくできてると思いました。 (2016年4月13日読了)
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壮大過ぎて頭がついていかなかった。 でも面白かったな〜。 エンディミオン、エンディミオンの覚醒も頑張って読んでみるか
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宇宙の蛮族アウスターの侵攻を受ける辺境惑星ハイペリオン目指して、連邦軍FORCEの無敵艦隊が出撃していく。連邦の主星タウ・ケティ・センターからその光輝を見守るのは、超高度AI集合体<テクノコア>が19世紀の詩人ジョン・キーツに模して作り出した人造人間ジョゼフ・セヴァーン。自分がな...
宇宙の蛮族アウスターの侵攻を受ける辺境惑星ハイペリオン目指して、連邦軍FORCEの無敵艦隊が出撃していく。連邦の主星タウ・ケティ・センターからその光輝を見守るのは、超高度AI集合体<テクノコア>が19世紀の詩人ジョン・キーツに模して作り出した人造人間ジョゼフ・セヴァーン。自分がなぜこの世界に送り出されたのか理解できないまま、セヴァーンは連邦の最高権力者マイナ・グラッドストーンから謎めいた厚遇を受け、その傍で連邦内の混乱と権謀術数を観察していくことになる。 一方、惑星ハイペリオンにおいてようやく<時間の墓標>に辿り着いた6人の巡礼達は、激しい時潮と物資の欠乏に悩まされながら、一人また一人と不思議な現象に見舞われ、<苦痛の神>シュライクと対峙することになる。遂にシュライクに相見えた巡礼達が取った行動は?そして、惑星ハイペリオンの行く末は? 前作「ハイペリオン」上下巻に続いて、これで物語は一応の完結を見ます。といっても、物語の構成は「ハイペリオン」と本作とではかなり対照的。 巡礼達一人一人の個人的な体験談をじっくりと腰を据えて順番に描き出している「ハイペリオン」に対して、本作は連邦中枢部も巡礼達の動きも把握できる能力を持つジョゼフ・セヴァーンを狂言回しに据え、タウ・ケティ・センターもハイペリオンもその他の連邦内惑星も<テクノコア>の仮想空間も一緒くたにして、どんどん画面を切り替えつつ同時並行でストーリーを展開させるという、ものすごい情報量とスピード感溢れる構成。上巻ではまだ「バラバラな話が平行して進んでいる」感じで、この先どうまとめるのかちょっと不安になるぐらいなんですが(^_^;、下巻に入ってそれまでの話、未解決の謎が次々と一本のストーリーラインにしゅっとまとまり、怒濤の大団円に向かって猛スピードで突っ込んでいく様は、エンターテインメント作家ダン・シモンズの面目躍如。「ハイペリオン」上下巻も含めて、この物語世界で経過した時間を考えてみると、おそらく数週間、ひょっとしたら数日程度の出来事なんですよね。物語世界の密度の高さに、くらくらします。 鴨のイマジネーション不足もあって、正直なところ回収し切れていない謎やちょっと気になる展開もないわけではありません。重要なファクターの一つである「人間の理解を超えたAI」という設定が、昨年末に読んだ円城塔氏の作品とダブって既視感を覚えたりもしました。が、そんなことどうでもいいんだよ、だって面白いんだから!と声を大にしたくなる、圧倒的なスピード感とリーダビリティの高さ。前作同様、美しい情景描写も読みどころの一つです。 これ、もうちょっとストーリーをすっきりさせて、映画化したら面白いだろうなぁ。と考えたりもするんですが、じゃぁどこをすっきりさせるか、というと、どこも外せないというこのストーリーの濃さ(笑)いやいや、楽しませてもらいました。再読するにはかなりの体力が必要そうですが(^_^;
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