1,800円以上の注文で送料無料

漢字と日本人 の商品レビュー

4

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/10/02

どうも最近日本語に凝っている。これは、もともと文字のない日本語を表記するために、漢字を無理して(という意思は当初はなかっただろうが)導入し、なんとかかなとカナをつくりだし、いつの間にか音より文字優位の日本語をつくりあげていったということにまつわる話。日本語廃止論や全部カナ表記論、...

どうも最近日本語に凝っている。これは、もともと文字のない日本語を表記するために、漢字を無理して(という意思は当初はなかっただろうが)導入し、なんとかかなとカナをつくりだし、いつの間にか音より文字優位の日本語をつくりあげていったということにまつわる話。日本語廃止論や全部カナ表記論、英字表記論など、明治の頃にはありましたが、それも現実的じゃないから、とりあえずかなカナ主体、漢字は補助ってことでなんとかやっていきましょう、という論も紹介されている。まあそりゃそうですよね。基本的に同感。ただ、原理主義ではないのですが、やっぱり文字以前の日本語、つまり純然たる和語のひびきってどうだったのかな?漢字が輸入されなかったらどんな文字が発明されてたのかな?なぞはとても気になるところ。『古事記伝』を読んだり、中国語を学んだりしてみたいなぁと感じました。

Posted byブクログ

2012/05/21

少し前に、娘がユスラウメのジャムを作っりました。 ユスラウメって知らなかったので、wikipediaで調べてみました。「櫻」って漢字は、サクラではなく、「ユスラウメ」のことだったらしいです。 古から、言葉、漢字を介在して伝わってきている歴史を言葉、漢字を使わなくなることによって失...

少し前に、娘がユスラウメのジャムを作っりました。 ユスラウメって知らなかったので、wikipediaで調べてみました。「櫻」って漢字は、サクラではなく、「ユスラウメ」のことだったらしいです。 古から、言葉、漢字を介在して伝わってきている歴史を言葉、漢字を使わなくなることによって失うのは残念だなぁと思い始めました。 著者の高島氏も同じ思いではないかなと思います。ことば、日本語に対する愛情がとても感じられました。 話の中で興味深かったのは、漢字が入ってきたことによって、日本語の成長(抽象的な概念の生成)がなくなったということです。今までに考えたこともありませんが、どのような言葉を作ったのかなぁと考えると楽しいです。 文部大臣の森有礼氏の「英語採用論」は、ユニクロとか楽天の公用語にも関係しそうですが、明治時代からあったんですね。 個人的には、英語公用語って悪くないと思います。メシを食うために必要であれば、英語を公用語にし、文化としての日本語を残せば良いと思います。シンガポール、インドは微妙だが、同じことをしているアジアの国は多く存在します。これが嫌なら、独立独歩で生きていくことができる国を作らなければならないと思います。 昔も今も外国語に苦しんでいるんだなぁと改めて感じました。 ------------------------------------------------------------------------------ まだ、成長途中の日本語に抽象的な概念を持つ漢語が入ってきた。  日本語が自らのなかに新しい言葉を生み出していく能力を失った。 「徳」 「義理」は、日本人が生み出した概念。 」 呉音、漢音 呉音は、漢音がくるまで数百年にわたって継続的に入ってきた 。呉音は音がやさしく耳に快い 漢語は音が堅く、ごつごつしている 「老若男女」 ロウリャクナンニョ ロウジャクダンジョ 平安時代、呉音が排泄された 漢語に取って代われた。 学生:ガクショー -> ガクセイ 音声;オンジョー =< オンセー p入音 蝶 テプ(tepu),テフ(tefu)、テウ(teu)、チョー(cho) 万葉集 かなはない! 日本語 ・和語  やまとことば  本来の日本語 ・字音語  漢語+和製漢語  日本語の約85% ・外来語  マイカー ・「混種語」  プロ野球 成敗(漢語)  成功と失敗 成敗(和製漢語)  地位のある武士が使用人を自分の手で殺すこと 文部大臣森有礼 英語採用論 ホイットニー 言語は、主の魂と直接に結びついているものだから安易に放棄してはならない 戦中の日本語議論 アジアに広めていくことができる「日本語」という観点。

Posted byブクログ

2012/01/05

赤んぼが一番出しやすい音は唇音(m音とp音とb音)だから、世界中どの人種の言語でもたいがいお母さんを呼ぶ言葉は唇音である。 だとか、めっちゃやたら大量にちりばめられたマメ知識に感心するし、 あれ(=平安女流文学)は女が情緒を牛のよだれのごとくメリもハリもなくだらだらと書きつら...

赤んぼが一番出しやすい音は唇音(m音とp音とb音)だから、世界中どの人種の言語でもたいがいお母さんを呼ぶ言葉は唇音である。 だとか、めっちゃやたら大量にちりばめられたマメ知識に感心するし、 あれ(=平安女流文学)は女が情緒を牛のよだれのごとくメリもハリもなくだらだらと書きつらねたものだから、あの方式でがっちりした論理的な文章を書くのは無理なのである。 などと、痛快にご意見を開陳してくれて、御大まだまだかくしゃくとお元気なんだなと安心する。と同時に、井上ひさしの「東京セブンローズ」を思い出してしまった。 日本語が世界に類のないけったいな成り立ちであり、その成り立ちに引きづられて日本語だけでは論理的文章を書きづらいことを、豊富な知識で裏打ちしながら誰はばかることない鋭い舌鋒で教えてもらえるありがたい一冊である。

Posted byブクログ

2011/10/31

 高島俊男さんの文章は,ほんとうに読みやすい。戦前生れの元漢文教師だが,難解な漢字を振り回す自称「知識人」には一貫して批判的で,日本語(和語)はなるたけかなで書くべし,という思想の持ち主。  高島氏の著作は数多く読んだが,これはその中でも始めて読んだ本。独自の文字をもつ前に漢字に...

 高島俊男さんの文章は,ほんとうに読みやすい。戦前生れの元漢文教師だが,難解な漢字を振り回す自称「知識人」には一貫して批判的で,日本語(和語)はなるたけかなで書くべし,という思想の持ち主。  高島氏の著作は数多く読んだが,これはその中でも始めて読んだ本。独自の文字をもつ前に漢字に出会ってしまったために,日本語がいかに畸形の言語になったか,というのを論じている。中国語を書き表すための文字で,全く異なる日本語を表記しなくてはならなくなったのだから,あちこちに無理が生じている。日本人が漢字と出会ってしまったのは日本語にとって不幸なことであった。出会いさえしなければ,日本語を書き表すのに適した文字が生れてきたはずであるが,それは妨げられてしまった。  ただ出会ってしまった以上,この腐れ縁は切れるものではない,うまくやっていくほかない,という諦観の境地に達している(ちょっと大げさ)。

Posted byブクログ

2011/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

漢字の取り扱いについて、中国と日本における歴史的な事情を記述している。 韓国で漢字を排斥した理由がよくわからない。 日本でも漢字を減らそうとした経緯、 中国で漢字を減らそうとして経緯が書かれている。 それが成功したとは言えない。 混合文化の利点にも光りがあたるとよかったかもしれない。 ps. JIS(日本工業規格)に対する誤解が少しあるのが気がかりだ。 該当するJISはX分類というコンピュータで文字をどう扱うかを決めています。 すべての漢字をコンピュータで表現しようという今昔文字鏡の活動を支援している人も、経済産業省の工業規格関係の人にもいます。また、今昔文字鏡を作った方も、JISの委員会にはいっていただいました。 JISを作っている人の中には、驕った人もいるかもしれません。 また、JISは、コンピュータがあれば、インタネットで無償で見られるようになっています。ぜひ、改訂の際には、追記いただけると幸いです。

Posted byブクログ

2011/08/29

漢字と日本語・日本人についてさまざまな角度から論じている。漢字について勉強しようという人にとっての必読書。

Posted byブクログ

2011/07/19

 市立図書館の漢字についての公開講座の参考文献として挙げられていた本。  講師の方が仰っていたように、「漢字というものはほんとうに面倒くさい、やっかいなんだ」という主張がとうとうと語られている。終章の「腐れ縁」についての解説には思わず笑ってしまった。  しかし、論理的な展開を持...

 市立図書館の漢字についての公開講座の参考文献として挙げられていた本。  講師の方が仰っていたように、「漢字というものはほんとうに面倒くさい、やっかいなんだ」という主張がとうとうと語られている。終章の「腐れ縁」についての解説には思わず笑ってしまった。  しかし、論理的な展開を持つ文章としては「序論・本論・結論」の構成が目次どおりはっきりとしていて面白い。  文章としては、語り口調で中学生でも読書家の子なら読めるのではなかろうか。長文過ぎて、私の力量では扱えないが、文章の構成の授業をする際に扱いたくなるような新書である。

Posted byブクログ

2011/06/16

日本が中国から漢字をもらったのは不幸なことであった、という見方が新鮮でした。漢字と日本人についての歴史や見解がわかりやすく読みやすい文章で綴られています。 日本語は文字(漢字)のうらづけなしには成り立たないとありますが、日本と同じように漢語を用い、しかし現在は漢字を用いていない韓...

日本が中国から漢字をもらったのは不幸なことであった、という見方が新鮮でした。漢字と日本人についての歴史や見解がわかりやすく読みやすい文章で綴られています。 日本語は文字(漢字)のうらづけなしには成り立たないとありますが、日本と同じように漢語を用い、しかし現在は漢字を用いていない韓国や東南アジアの国々はどうなのだろう、とか、興味が尽きません。 漢字とかなの使い分けなど、日本語の文章の書き方などについても考えさせられました。

Posted byブクログ

2011/04/13

[ 内容 ] 「カテーの問題」と言われたら、その「カテー」が家庭か假定かあるいは課程か、日本人は文脈から瞬時に判断する。 無意識のうちに該当する漢字を思い浮かべながら…。 あたりまえのようでいて、これはじつは奇妙なことなのだ。 本来、言語の実体は音声である。 しかるに日本語では文...

[ 内容 ] 「カテーの問題」と言われたら、その「カテー」が家庭か假定かあるいは課程か、日本人は文脈から瞬時に判断する。 無意識のうちに該当する漢字を思い浮かべながら…。 あたりまえのようでいて、これはじつは奇妙なことなのだ。 本来、言語の実体は音声である。 しかるに日本語では文字が言語の実体であり、漢字に結びつけないと意味が確定しない。では、なぜこのような顛倒が生じたのか? 漢字と日本語の歴史をたどりながら、その謎を解きあかす。 [ 目次 ] 第1章 漢字がやってきた(カテーの問題 世界でたったひとつの文字 漢語とはどういう言語か 不器用な日本人) 第2章 日本人は漢字をこう加工した(訓よみとかな 日本語の素姓 漢字崇拝という愚) 第3章 明治以後(新語の洪水 翻訳語―日本と中国 顛倒した言語―日本語 「歴史」と「進歩」) 第4章 国語改革四十年(漢字をやめようという運動 国語改革とは何だったのか 当用漢字の字体 新村出の痛憤) 終章 やっかいな重荷 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2010/08/09

■ちゃんとした漢字を使えるようになりたいと思った。むずかしい漢字でも。 なりたちや意味を正しくきちんと使えるようにしたいと思える。漢字にすることにとらわれなくてもいい和語ってのも、目からうろこ。 ■漢字を制限して、まずしい日本語になって数十年。 国語力についての議論が大いに流行っ...

■ちゃんとした漢字を使えるようになりたいと思った。むずかしい漢字でも。 なりたちや意味を正しくきちんと使えるようにしたいと思える。漢字にすることにとらわれなくてもいい和語ってのも、目からうろこ。 ■漢字を制限して、まずしい日本語になって数十年。 国語力についての議論が大いに流行っている。まずしい日本語だけで育った世代とその子どもたちばかりになちゃったから? 根本からの解決が必要?ことば文字、音声・表記、ちゃんと考えて「国語」をしてほしいね。そしたら、国語が一番楽しくなったりするかも。 ■覚えている漢字の数を競っても仕方ないでしょう。今となったら。

Posted byブクログ