二十一世紀に生きる君たちへ の商品レビュー
「助け合うという気持ちや行動のもとのもとは、いたわりという感情である。他人の痛みを感じることと言ってもいい。でも、本能ではない。だから私たちは訓練してそれを身につけなければならないのである。例えば、友達が転ぶ。ああ痛かったろうな、と感じる気持ちを、そのつど自分の中でつくりあげてい...
「助け合うという気持ちや行動のもとのもとは、いたわりという感情である。他人の痛みを感じることと言ってもいい。でも、本能ではない。だから私たちは訓練してそれを身につけなければならないのである。例えば、友達が転ぶ。ああ痛かったろうな、と感じる気持ちを、そのつど自分の中でつくりあげていきさえすればよい。」 「世のためにつくした人の一生ほど、美しいものはない。(略)あふれるほどの実力がありながら、しかも他人のために生き続けた。そういう生涯は、はるかな山河のように、実に美しく思えるのである。」 「人間は、人並に及ばない部分をもつということは、すばらしいことなのである。そのことが、ものを考えるばねになる。」
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小学中学年以降向け。流石、司馬遼太郎だなと思う。分かりやすく、広い視野でモノを考える生き方を提示している。どんな人になりたいか、どんな生き方を歩んでいきたいか、考えるステージに良い本。
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この作品は、フォローしている方の感想で出会うことができました。ありがとうございます。 司馬遼太郎さんが、子どものために書かれた唯一の作品ということで、自己の確立(自分に厳しく、相手にはやさしく)や、他人の痛みを感じる、いたわりの気持ち等、当たり前のようにも思えるが、これらが皆で...
この作品は、フォローしている方の感想で出会うことができました。ありがとうございます。 司馬遼太郎さんが、子どものために書かれた唯一の作品ということで、自己の確立(自分に厳しく、相手にはやさしく)や、他人の痛みを感じる、いたわりの気持ち等、当たり前のようにも思えるが、これらが皆できていれば、おそらく、今の世の中みたいな閉塞感は感じていないのだろうと思います。 また、「自然へのすなおな態度こそ、二十一世紀への希望である」には、いつしか、人間が自然よりも優れた存在であるかのような、思い上がりを持つようになった憂いと共に、人間が自然をおそれ敬う気持ちを持っている希望も抱いており、どちらに転ぶのも人間次第だと言われているような気がいたしました。 そして、もう一遍の「洪庵のたいまつ」には、身分制度のあった江戸時代でありながら、平等に学問の場所を提供した、「緒方洪庵」の歴史が書かれてあり、自分には厳しさを課しながらも、まさに他人の痛みが分かる人だから、そうした行いができたのだと、胸を打たれる思いでした。
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1996年に亡くなった司馬遼太郎が、未来を生きる子どもたちに向けて語った言葉。 今だからこそ読みたい。 一つ一つの言葉を丁寧に選び、語りかけるように次の世代への思いを託している。 10代へ向けたものだと思うが、大人こそ読むべきじゃないだろうか。 2021.11.7
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わかりやすい言葉で綴られている文章。 子供だけでなく、今21世紀を生きている私たちにもストレートに伝わります。 人間は助け合って生きているのである。 自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。 今改めて心に留めておきたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
司馬遼太郎の小学生向けメッセージ。 人間が自然の一部であるということ。この事実を踏まえると、自然の一部である人間どうしも尊敬しあえる。 また、人間は女性でも男性でも「たのもしさ」が大切である。たのもしくない人格に魅力を感じないのが人間である。 人間は助け合って生きている。社会とは支え合う仕組みのことだ。いたわり、他人の痛みを感じること、やさしさ、いずれも一つの根から出ているという。 そして、それらは、本能ではなく、訓練して身につけるものであるという。それが、助け合うという気持ちや行動につながる。 こうした訓練を通じて自己を確立するということ。自分に厳しく、相手にはやさしく。そしてすなおでかしこい自己。 自己の頼もしさが結局社会における互いの支えあいの根幹である、ということがメッセージと理解しました。
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とてもシンプルな本。 生きる基本、この本を繰り返し読んでいれば、 幸せな人生が送れそうな、とても大切な本。
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爆笑問題の太田さんが「いい」って言ってたので買ってみた。 下手な童話や絵本より、よっぽどいい。涙が出た。
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著者唯一の児童文学書 人とはどうあるべきかを語る 緒方洪庵の功績を称える 小学生には難しい内容かと思われる
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「21世紀に生きる君たちへ」で、共感能力は本能ではないから訓練しなくてはならないという指摘にハッとした。そして、その訓練を続けることが、自己の確立に必要なんだ。 洪庵のたいまつでは、適塾がどんなに素晴らしい学校だったかを褒めそやしている。絶対的な身分社会の中で、身分にこだわらな...
「21世紀に生きる君たちへ」で、共感能力は本能ではないから訓練しなくてはならないという指摘にハッとした。そして、その訓練を続けることが、自己の確立に必要なんだ。 洪庵のたいまつでは、適塾がどんなに素晴らしい学校だったかを褒めそやしている。絶対的な身分社会の中で、身分にこだわらない環境を作って教育を行ったのは、確かに画期的だったと思う。でも、適塾に入れる人は、どの身分だろうと一定以上の経済力を持っている家の人だったんじゃないかな。そう考えると、義務教育って大事だ。義務教育の範囲を広げても良いんじゃないか。
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