日本音楽の再発見 の商品レビュー
日本の音楽教育がいかに西洋中心であり、国際的に見ても異質に変容していると説く対談形式の一冊。 文化には、それぞれの環境に適した発声法(音節の違い)や、リズム感、そして音楽そのものに対する捉え方の違いが存在する。 これらを無視して、安易に西洋に追いつき追い越そうとし、日本固有の音楽...
日本の音楽教育がいかに西洋中心であり、国際的に見ても異質に変容していると説く対談形式の一冊。 文化には、それぞれの環境に適した発声法(音節の違い)や、リズム感、そして音楽そのものに対する捉え方の違いが存在する。 これらを無視して、安易に西洋に追いつき追い越そうとし、日本固有の音楽文化が軽視されている状況に警鐘を鳴らす。 文学と密接な関係にあった日本の音楽文化を、アジアという括りにおける「内と外」で認識する必要があり、こうした固有文化の再確認が建設的な音楽文化を構築するという論調。 何故日本でバイエルを教える必要があるのか? 日本における主流の発声法とは、西洋由来であり、これは「西洋の音楽を歌うため」に適したものである。 など、固有の文化と輸入文化とのギャップに対する指摘に目から鱗であった。 音楽文化に興味がある方にお勧めしたい一冊。
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