おくのほそ道 の商品レビュー
#17奈良県立図書情報館ビブリオバトル「海」で紹介された本です。 2012.7.21 http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-822.html?sp
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山形の立石寺や最上川、宮城の石巻、松島は行ったことがあるので思い出しながら読んだ。 旅行記っていってもやはり情景を際立たせるために多少の創作や誇張が混じっている。写実的なものではなく、文学・芸術性を意識している「作品」なのだ。今の人間では考えられないほどの体力だけど、逆に歩きすぎ...
山形の立石寺や最上川、宮城の石巻、松島は行ったことがあるので思い出しながら読んだ。 旅行記っていってもやはり情景を際立たせるために多少の創作や誇張が混じっている。写実的なものではなく、文学・芸術性を意識している「作品」なのだ。今の人間では考えられないほどの体力だけど、逆に歩きすぎたり動物性たんぱく質をとらない酒や蕎麦だけの食事だったから、51歳という若さで亡くなってしまったのだろうか。芭蕉だけでなく昔の人は今より寿命短いけど。でも今の人より絶対昔の人の方が体力ある。
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やわらかく、日本人らしい奥ゆかし表現で、初夏から、晩秋にかけての風情がよい。 「おくのほそ道」とも、「奥の細道」とも。本書は前者を採用している。松尾芭蕉と、弟子曾良との、俳句付きの旅行記である。 1689年元禄2年3月27日深川を出発し、日光、仙台、鳴子、酒田、新潟、直江津、...
やわらかく、日本人らしい奥ゆかし表現で、初夏から、晩秋にかけての風情がよい。 「おくのほそ道」とも、「奥の細道」とも。本書は前者を採用している。松尾芭蕉と、弟子曾良との、俳句付きの旅行記である。 1689年元禄2年3月27日深川を出発し、日光、仙台、鳴子、酒田、新潟、直江津、高岡、敦賀、大垣、を回って、9月8日に、伊勢長嶋に至る。 松尾芭蕉に同行した、曾良とは、出発以来、山中温泉まで同行、曾良は親戚を頼って伊勢へ、芭蕉は、そのあと越前、近江を回って、伊勢長島で再び曾良と合流するというもの。 もともと、伊賀上野の無足人の準武士であった、松尾家の出身であり、のち江戸に下り、俳諧で、俳聖と呼ばれるようになる。 野ざらし紀行、鹿島紀行、更科紀行、嵯峨日記など。 月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり ・行く春や鳥啼き魚の目は涙 千住 ・早苗とる手もとや昔しのぶ摺り 福島 信夫の里 ・夏草や兵どもが夢の跡 平泉 ・五月雨の降り残してや光堂 平泉 ・閑かさや岩にしみ入る蝉の声 立石寺 ・五月雨をあつめて早し最上川 奥州 大石田 ・荒海や佐渡に横たふ天の河 越後 ・一つ家に遊女も寝たり萩と月 越後 市振の関 ・赤々と日はつれなくも秋の風 金沢 ・むざんやな甲の下のきりぎりす 小松 多太神社 ・石山の石より白し秋の風 山中温泉 ・よもすがら秋風聞くや裏の山 加賀 全昌寺 ・月清し遊行の持てる砂の上 敦賀 気比神宮 ・蛤のふたみに別れ行く秋ぞ 大垣 これがおくのほそ道の、終句です。 目次 人生は旅―みちのく憧憬 旅立ち―弥生のあけぼの 草加の宿―旅の第一夜 室の八島―木の花咲耶姫 日光―仏五左衛門の宿 黒髪山―同行者曾良 那須野―八重撫子のかさね 黒羽―玉藻の前・那須の与一 雲巌寺―禅の師仏頂和尚の庵 殺生石―那須温泉〔ほか〕 葦野の柳―西行の遊行柳 白河の関―白妙の卯の花 須賀川―風流の初め 栗の花―遁世の境地 浅香山―浅香の沼のかつみ 信夫の里―しのぶもじ摺りの石 飯塚の里―佐藤氏の遺跡 飯塚―飯塚温泉の一夜 笠島―五月雨の道 武隈の松―岩沼の二木の松 宮城野―仙台の名所見物 壺の碑―多賀城出土の石碑 末の松山・塩竃の浦―琵琶法師の奥浄瑠璃 塩竃神社―和泉三郎の宝灯 松島―造化の天工 松島―雄島が磯 松島―瑞巌寺 石巻―繁華な港町 平泉―高舘・光堂 尿前の関―人馬同居の宿 山刀伐峠―危険な山越え 尾花沢―紅花と蚕飼い 立石寺―岩にしみ入る蝉の声 最上川―五月雨を集めた急流 出羽三山―羽黒山 出羽三山―月山・湯殿山 酒田―海上の夕涼み 象潟―能因島・ねぶの花 越後路―佐渡の夜空の天の河 市振―遊女と萩と月 越中路―黒部川・那古の浦 金沢―愛弟子の早世 多太神社―実盛の甲 那谷―白秋の風 山中―温泉宿の美談 別離―曾良の病気 全昌寺―一夜の隔て 汐越の松―西行の歌 天竜寺・永平寺―北枝との別れ 福井―等栽という陰士 敦賀―気比神宮と遊行上人 種の浜―ますほの小貝 大垣―終着、そして新たなる旅路へ ISBN:9784043574025 出版社:KADOKAWA 判型:文庫 ページ数:258ページ 定価:680円(本体) 発売日:2002年06月15日 第4版
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芭蕉がおくのほそ道の旅に出た3月下旬(陽暦では5月中旬だが、原文尊重で)になると、読みたくなる(仕事の繁忙期で、とても旅行などに行ける時期でもないこともあり)。 訳者の絶妙な補足や解説もあってか、ひとつひとつの句に、人間らしさ、もっと言うと人間臭さが感じられる。 俳聖・芭蕉とい...
芭蕉がおくのほそ道の旅に出た3月下旬(陽暦では5月中旬だが、原文尊重で)になると、読みたくなる(仕事の繁忙期で、とても旅行などに行ける時期でもないこともあり)。 訳者の絶妙な補足や解説もあってか、ひとつひとつの句に、人間らしさ、もっと言うと人間臭さが感じられる。 俳聖・芭蕉といっても、どこか遠くの高尚な人というよりも、身近なおじさんという感じ(失礼)。 芭蕉が敬愛した西行を次は読んでみたくなった。
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五十数歳にして「おくのほそ道」ビギナーにとって、素晴らしい入門書。これをきっかけにより詳しく知りたい人向けに、色々な参考資料も載っている。 自分的にはこれ1冊で「おくのほそ道」のエキスパートにでもなった風にすら感じている。
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松尾芭蕉、有名過ぎて読んだことなかった。 現代語訳があるので読みやすいです。旅をしながら俳句、当時の旅は今と違い結構過酷だったでしょう。その中で作られた俳句、感慨深いです。
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神田の古本まつりに行ったときに100円で売られているのを見つけて、松尾芭蕉かあ、人生で一度は読んでみたい気がしなくもないなあ、ということで購入。俳句なんか中学のときに夏休みの課題で覚えた「月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど(大江千里)」くらいしか知...
神田の古本まつりに行ったときに100円で売られているのを見つけて、松尾芭蕉かあ、人生で一度は読んでみたい気がしなくもないなあ、ということで購入。俳句なんか中学のときに夏休みの課題で覚えた「月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど(大江千里)」くらいしか知らないし(いや待てよこれは百人一首だ俳句ですらない)、大人になってからは月に何回かプレバトで梅沢富美男の句がけちょんけちょんに酷評されているのを見るくらいしかないのだけれど。 読んでみたら意外とおもしろかった。本の構成が素晴らしかったと思う。松尾芭蕉が書いた文章の現代語訳→原文→俳句の解説→他の古歌の紹介など追加情報、という順番になっているから、最初に原文を見てしまって「うわ意味わかんねえ」と及び腰になる隙を与え図に読み進めることを可能にしてくれた。自分が過去に行ったことのある地名が出てきたらにわかに心躍ったし、句の解説もわかりやすかった。17音ではなかなか自力で詳細までは想像が及ばないけれど、解説を読んでみたらああこの言葉の裏にはそういうことが内包されていたのかとか、この時の芭蕉にはそういう背景があったのかとか、感心することが多かった。少し前にあるテレビで番組で東大生が初めて俳句作りに挑戦していたけれど、自分の頭の中にだけあるコンテクストを17音の中に入れ込みすぎて、結果的に読み手には何も伝わらない意味不明な句になっている、と指導者の方に指摘されていたのを見た。入れ込みすぎてもダメ、かといって見えたり感じたりしたものをそのまま文字にしただけでもダメ。どんなに頭が良くても、いろいろな知識があっても、そういったバランスは一朝一夕に得られるものではないんだなあと思ったのを覚えている。 気に入った句がいくつかあったのでメモした。どこかに旅行したり似たような心境になったりしたときに、地名や単語を少し変えて自分流にモディファイしてみたら楽しそうだなあ(もちろん出典を明らかにした上で)。自分でゼロから句を詠むのは、まだまだ無理、、、
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栃木県大田原市へ林業体験した際に訪れた雲巌寺をきっかけに芭蕉の足跡を知りたくなり手に取った。東北から北陸へ旅をしたくなる。
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感慨深いなあ、情緒的とはまさにこういうことだなあと思いながら読んでいたら、最後に驚かされた。また旅に出るんだ!って思った。なんだろう、小説や映画のふつうの冒険物語の主人公が最後、次なる冒険に旅出るところで終わるのは分かる。けど芭蕉はそういうタイプではないわけである。好奇心旺盛とか...
感慨深いなあ、情緒的とはまさにこういうことだなあと思いながら読んでいたら、最後に驚かされた。また旅に出るんだ!って思った。なんだろう、小説や映画のふつうの冒険物語の主人公が最後、次なる冒険に旅出るところで終わるのは分かる。けど芭蕉はそういうタイプではないわけである。好奇心旺盛とかエネルギーが外に外にと向かうタイプではない。むしろエネルギーが内へと向かうタイプ、道中で様々な過去の武将に思いを馳せているように、悲しみが秀でているタイプに見える。だから驚いた。悲しみへの感受性が感情の核となっている人が次から次へと冒険に旅立つ。不思議なエネルギー発露の形態だな、こういうエネルギー発露の形態もあり得るんだなと思った。
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正直、私の中の松尾芭蕉のイメージは『ギャグマンガ日和』の芭蕉でしかなかった。 改めてこの『おくのほそ道』を読むと、松尾芭蕉というひとの人間性の一端が垣間見える。 ’俳聖’と呼ばれるような人物でも愚痴も溢すし疲れもするし気の合う人と会えばちょっとだらけもする し師匠リスペクトが過...
正直、私の中の松尾芭蕉のイメージは『ギャグマンガ日和』の芭蕉でしかなかった。 改めてこの『おくのほそ道』を読むと、松尾芭蕉というひとの人間性の一端が垣間見える。 ’俳聖’と呼ばれるような人物でも愚痴も溢すし疲れもするし気の合う人と会えばちょっとだらけもする し師匠リスペクトが過ぎる面もあるし…なんとも親しみを感じる。 驚異の移動力には素直にびっくり。夕飯食べてから普通に出かける距離ではないような気が。 俳句そのものに対してどうこうは言えないが、自然や景色、更には自分の心に対して本当に素直に真で向き合っているのだな、という事は感じる。 ビギナーズクラシックスらしく読みやすい。 地図・年譜も完備で隙がない。 コロナが明けたら旅に出よう。 出来たら芭蕉の足跡を辿る旅をしたい。 45刷 2021.6.8
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