魔王(下) の商品レビュー
シューベルトとゲーテの歌曲「魔王」に導かれ 動乱の人生が幕を開ける “徴(しるし)”と呼ばれる運命的な責務を甘受し、 邁進する主人公の姿は、読者にも不変な命題を示唆している 西欧の歴史や象徴学の逸話を背景に人間の性と宿命を物悲しくも精悍に昇華させた
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一つひとつの言葉が重厚で(悪く言ったら読みにくい)めちゃこの本は時間掛かった。「価値転倒」とか「担ぎ」とか「アルファ」「オメガ」とか、彼の造語のようなもの?が多かったのも上巻時点ではかなりしんどかったな……。 魔王って言ったら、多分真っ先に思い浮かぶのはシューベルトの曲。人喰い鬼...
一つひとつの言葉が重厚で(悪く言ったら読みにくい)めちゃこの本は時間掛かった。「価値転倒」とか「担ぎ」とか「アルファ」「オメガ」とか、彼の造語のようなもの?が多かったのも上巻時点ではかなりしんどかったな……。 魔王って言ったら、多分真っ先に思い浮かぶのはシューベルトの曲。人喰い鬼という言葉も出てくるし、あのゲーテの詩をテーマの1つとした物語。 最後の徴が全てまとまるのは鳥肌が止まらなかった。ずっと詩みたいに芸術的な物語。 最初はティフォージュがおぞましく感じると思う。上巻の表紙を眺めてると、自分にも価値転倒が起こってるのを感じられる。普通に見たら微笑ましい写真のはずなのに……。でもその分、自分の現実にもこの本は浸透してきてる。きっと、この本読み終わったら自分の人生の中にも徴を見付けられるし、良い意味でティフォージュのように幼児化できる。 最後に読み終わって解説を読んだら、ミシェル・トゥルニエ自身の人生にも象徴的な徴があって鳥肌。
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10月14日 第5回日比谷図書館チャンプルでお借りしました。 物語はゆっくりと動乱の中へ、静かに激しく変わっていきました。 著者が戦争体験者であって、情緒的でわかりづらいところはありますが、戦争の生々しさが感じられました。 Toshi
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ナチス壊滅への途上、進行につれてそれまで提示されていた要素のすべてが主人公の運命に少しずつ符合してゆく過程は圧巻であります。自分の死出の旅路のお供決定な本です。
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