ザ・対決 の商品レビュー
日本語の使い手として、一種独特の存在感を持つ作者の作品は、ずっと楽しく読んでいた注目もしていたけど、この一冊もとても楽しく読むことができた。 ライバルを勝手に想定して、その対決を描くという趣向の短編集だけど、一編一編がすべて違う文体、作戦で書かれていて、「こんな手でくるか!」...
日本語の使い手として、一種独特の存在感を持つ作者の作品は、ずっと楽しく読んでいた注目もしていたけど、この一冊もとても楽しく読むことができた。 ライバルを勝手に想定して、その対決を描くという趣向の短編集だけど、一編一編がすべて違う文体、作戦で書かれていて、「こんな手でくるか!」って思うのもおもしろい。 文芸雑誌の対談記事風の「シェイクスピア対近松門左衛門」は、最後についてくる近松脚色の「ハムレット」は興味深かった。意外な結末の「ソクラテス対仏陀」はかなり腰が砕けた。ホームドラマの「ラーメン対カレーライス」、夜中にラーメンやカレーを食べに走っていきたくなった。学園ドラマの「楊貴妃対クレオパトラ」では、「あるあるある」とうなずきながら、ちょっとぞっとしてしまった。などなど。 今回はけたたましく笑い転げるというものではないかもしれないが、おもわずにやりとしてしまう、「技あり!」の本です。
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似通った物を対決させる。例えば、お茶vsコーヒーどっちが上か、桃太郎と金太郎どっちがNo.1か、ロビンソンクルーソーvsガリヴァーなどなど。身近にあるもの、似通ったものを独特の視点から清水義範が対決させる! 清水義範は突拍子もないアイデアで勝負する作品が多いですが、これもその...
似通った物を対決させる。例えば、お茶vsコーヒーどっちが上か、桃太郎と金太郎どっちがNo.1か、ロビンソンクルーソーvsガリヴァーなどなど。身近にあるもの、似通ったものを独特の視点から清水義範が対決させる! 清水義範は突拍子もないアイデアで勝負する作品が多いですが、これもその一つ。誰かが考えそうなことなんだけど誰もやらなかったようなアイデア、これは特にそうですね。なかにはソクラテスvs釈迦なんてのもあり、遊びすぎと言えなくもない。またもや清水義範の独特なセンスにうなってしまうのです
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