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怪狂譚 の商品レビュー

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2021/05/28

単行本書き下ろしではなく、エッセイを集めた一冊だからというだけではないまとまりのなさを感じる。 とはいえ怪しい話、非日常の話というテイストは通っているので、時たま一章ずつ読んでみると面白いかもしれない。 ちょっとショックだったのは、宮崎勤の項。あの事件は私がまだ子供の時分のニュー...

単行本書き下ろしではなく、エッセイを集めた一冊だからというだけではないまとまりのなさを感じる。 とはいえ怪しい話、非日常の話というテイストは通っているので、時たま一章ずつ読んでみると面白いかもしれない。 ちょっとショックだったのは、宮崎勤の項。あの事件は私がまだ子供の時分のニュースだったので詳細は知らなかった。が、このエッセイを読んでみるととんでもない事件だったんだなあと薄ら寒くなる。昭和の時代はノスタルジックに思えるけれど、どこか病んでいたなあ、と、思わせられるような部分。 吸血鬼の章では「ポーの一族」に思い入れがありそうだし、最終章では岡本綺堂について語っているしで、その辺りの好みが、この一冊をゲテモノ側から引っ張ってきているような気もしないでもない。 嫌いではない一冊。

Posted byブクログ