沈まぬ太陽(5) の商品レビュー
最後まで不遇で信念を貫く主人公と、野心と謀略にまみれたライバル。 山崎豊子作品といえばこの構図。 毎年、御巣鷹山の追悼登山のニュースを見るたびに、恩地元を思い出す。
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恩地元にとってあまりに不条理で理不尽な全5巻を読了。この結末で彼は報われたと言えるかは本人のみぞ知ることだが、正直者が馬鹿を見るというようなことは日常的に起きており、国民航空のような政治家が絡み決して綺麗な金だけではない多くの金が動く世界をどう立ち回るかは非常にセンシティブである...
恩地元にとってあまりに不条理で理不尽な全5巻を読了。この結末で彼は報われたと言えるかは本人のみぞ知ることだが、正直者が馬鹿を見るというようなことは日常的に起きており、国民航空のような政治家が絡み決して綺麗な金だけではない多くの金が動く世界をどう立ち回るかは非常にセンシティブである。恩地のように正義と矜持を貫くか、行天のように組織に迎合し泳いでいくか、現実社会では後者を選択し社畜と揶揄されながらも地位を得る者も多いだろう。 人間ドラマあり、アフリカの壮大なスケール感もあり、読み応えにある良い小説だった。
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こんなに感情が相当揺さぶられた小説はありませんでした。腐敗に対する怒りと報われない主人公への同情。いい意味で疲れ果てました。 願わくば、もう少し復讐劇が欲しかったです。あまりにも苦労が長すぎませんか?最後の最後まで…。
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最後まで、驚かされ胸を打たれる展開でした。これまでの仕打ちに対する報いの光が見えそうで、私自身、少し救われました。 事実を軸に展開される物語であるがため、一つ一つが重く説得力があり、その分重い気持ちになりました。 連載当時は関心がなく世の中の反応は分かりませんが、当時ここまでの本...
最後まで、驚かされ胸を打たれる展開でした。これまでの仕打ちに対する報いの光が見えそうで、私自身、少し救われました。 事実を軸に展開される物語であるがため、一つ一つが重く説得力があり、その分重い気持ちになりました。 連載当時は関心がなく世の中の反応は分かりませんが、当時ここまでの本を書くのは、相当な覚悟と勇気、使命感があったと想像します。あとがきにもあったように。 少し前に新聞記者という日本アカデミー賞を受賞した映画が頭をよぎりました。 ひと言では言い得ぬ気持ちですが、とにかく読んで良かった。みんなに読んで欲しい。そう思います。
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いつか読みたいと思いつつ、難しそう…と読めていなかった作品。御巣鷹山の墜落事故は知っていたが、その他も実際にあった出来事ということで、驚きならがら読了。辛くも次の展開が気になり、結末には途方もない気持ちになった。また、魑魅魍魎のなかでも直向きであり続ける恩地の姿が眩しかった。この...
いつか読みたいと思いつつ、難しそう…と読めていなかった作品。御巣鷹山の墜落事故は知っていたが、その他も実際にあった出来事ということで、驚きならがら読了。辛くも次の展開が気になり、結末には途方もない気持ちになった。また、魑魅魍魎のなかでも直向きであり続ける恩地の姿が眩しかった。この小説を知ったのは中学生の頃だったが、社会人となり組織で働いている今だからこそ、感じることがいくつもあり、このタイミングで読めてよかったと思った。
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沈まぬ太陽を読んで。 生きること、働くこと、誠実でいること。 何にも背かず、自分の正義を貫いた人が、なぜ周りの人よりも苦労をしなければならないのか。なぜ日陰に隠されてしまうのか。 山崎豊子さんの本で、初めて手にした「沈まぬ太陽」は、自分に「生きることの難しさ」と、「耐え難...
沈まぬ太陽を読んで。 生きること、働くこと、誠実でいること。 何にも背かず、自分の正義を貫いた人が、なぜ周りの人よりも苦労をしなければならないのか。なぜ日陰に隠されてしまうのか。 山崎豊子さんの本で、初めて手にした「沈まぬ太陽」は、自分に「生きることの難しさ」と、「耐え難い仕打ちに耐えることの意義」を教えてくれました。 自分に非のないつもりで生きていても、邪魔者と思われる。その誠実さが邪魔、優しさが邪魔、正義感が邪魔なのだ、と。社会に蔓延る無念の陰性感情は、輝かしく、引力の強い人に向けられる。それを跳ね除ける強さを、主人公はどのように湧き出していたのだろう。 自分の人生を、人並みに謳歌することは、許されたものだけの特権であろうか。 私は、私の、私だけの人生と命を、運命から見限られるまで、生きていこうと、強く思った作品だった。
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沈まぬ太陽(一)~(五)を読んで 航空会社の理不尽極まりない体制の中、一社員として立ち向かっていく主人公:恩地元の生き様が心を打つ物語。度重なる屈辱を受け続けた彼は自分の信念に対し、常に真っすぐであった。 労働組合委員長時代は、従業員の為に会社へ向かって真っ向からぶつかっ...
沈まぬ太陽(一)~(五)を読んで 航空会社の理不尽極まりない体制の中、一社員として立ち向かっていく主人公:恩地元の生き様が心を打つ物語。度重なる屈辱を受け続けた彼は自分の信念に対し、常に真っすぐであった。 労働組合委員長時代は、従業員の為に会社へ向かって真っ向からぶつかっていった。 カラチ、テヘラン、ナイロビという僻地での屈辱的な勤務にも屈することがなかった。むしろ、この地でできることを自ら考えて行動に移した。 ご遺族係に任命された時、彼はご家族に対して真摯に向き合い、労いの言葉をかけ続けた。 彼は組合長時代にストを決行してから、ずっとアカというレッテルを貼り付けられた。彼を邪魔者扱いする人々からすさまじく残酷な扱いを受け続けた。 しかし、彼を慕っていた数々の人達がいた。旧労働組合の人々。ご遺族の方。会長の国見。妻のりつ子。彼には信頼という大きな宝物があった。どんなに大金を積んでも決して買うことができないかけがえのないものだと思う。真っすぐな信念には必ず共感してくれる人がいる。と温かいものがこみ上げてきた。 恩地が出張先で訪れたニューヨークの動物園で目にした「鏡の間」。その鏡に移る人間こそ、この地球上で最も危険で獰猛な動物である。この場面は痛烈であった。複雑で理不尽な人間社会の核心をついたものだと強く心に刻まれた。 著書を読んで、組織というものがさらに恐ろしくなった。数名の富と名誉の為に大多数の人間が犠牲となる慣習。現代でも尚、その様な組織が多数存在するであろう。 しかし、互いの地位とお金の為に繋がる人間関係には、心が通う温かさは存在しない。これだけは間違いないと思う。
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私はこの本をこの歳で読むことができてよかったと思います。まず、私は御巣鷹山の航空事故を知りませんでした。そして、昔は今ほど労基が浸透してなく、窓際族と呼ばれる人々の存在も知りませんでした。この話はフィクションとはいえ作者の多くのインタビューに基づいて作られているから戦後の日本の時...
私はこの本をこの歳で読むことができてよかったと思います。まず、私は御巣鷹山の航空事故を知りませんでした。そして、昔は今ほど労基が浸透してなく、窓際族と呼ばれる人々の存在も知りませんでした。この話はフィクションとはいえ作者の多くのインタビューに基づいて作られているから戦後の日本の時代背景のようなものが学ぶことができたからです。
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山崎豊子さんの本は描写が詳細で、徹底した取材と膨大な勉強量が本の記述からも伝わってくる。小説家としてのプライドというか、使命なるものが文字を通してここまで伝わってくる人って他にいないんじゃないかな。 主人公や会長といった、苦境の中で筋を通し続ける人達の姿に勇気をもらいました。面白...
山崎豊子さんの本は描写が詳細で、徹底した取材と膨大な勉強量が本の記述からも伝わってくる。小説家としてのプライドというか、使命なるものが文字を通してここまで伝わってくる人って他にいないんじゃないかな。 主人公や会長といった、苦境の中で筋を通し続ける人達の姿に勇気をもらいました。面白かった。
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最後の1ページまで捨てなかった想いは「救い」だった。 それは希望だったかも知れない。 「正義は最後には必ず勝つ」の想いだ。 何度胸糞悪い思いをしつつも、国見会長や恩地、旧労組、ご遺族係や御巣鷹山事故支援班など会社に僅かに残る良心が報われることを信じ、願い、読み勧めた。 その結果...
最後の1ページまで捨てなかった想いは「救い」だった。 それは希望だったかも知れない。 「正義は最後には必ず勝つ」の想いだ。 何度胸糞悪い思いをしつつも、国見会長や恩地、旧労組、ご遺族係や御巣鷹山事故支援班など会社に僅かに残る良心が報われることを信じ、願い、読み勧めた。 その結果はもちろん伏せるが、これがただのフィクションではない、という事実には驚愕しかない。 事実を基にした小説だけに、事故後の経緯など、情報は出来るだけ遮断して読んでいたが、ようやく事実と向き合えることを今はただ喜ぶとする。 最後に、 全5巻、全く飽きずに楽しませていただいた山崎豊子先生、ありがとうございました。
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