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ロバートは歴史の天使 の商品レビュー

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2015/08/23

前作『数の悪魔』が、数学嫌いな私にもおもしろく読めたので、歴史好きとしてはとても楽しみにしていた本書。(西洋史よく知らんけど) 現代のドイツに住むロバートが、7つの時代7つの場所に流されて、なんとか生き抜いていく話。 1956年のソ連(冷戦時代) 1946年のオーストラリア(第...

前作『数の悪魔』が、数学嫌いな私にもおもしろく読めたので、歴史好きとしてはとても楽しみにしていた本書。(西洋史よく知らんけど) 現代のドイツに住むロバートが、7つの時代7つの場所に流されて、なんとか生き抜いていく話。 1956年のソ連(冷戦時代) 1946年のオーストラリア(第二次大戦後の白豪主義時代) 1930年のドイツ(第一次大戦後の不況下) 1860年のノルウェー(産業革命直前のノルウェー) 1702年のフランドル地方(オーストリア領になる直前の独立時代) 1638年のドイツ(三十年戦争時下) 1621年のアムステルダム(ネーデルランド独立直前) ある時は貴族の召使い、ある時は盗賊の仲間、そして最後には画家の弟子になります。 テレビや写真や絵の中を通って過去にさかのぼっているようなので、これは必然でしょう。 決して歴史の大舞台に立っているわけではありません。 庶民にまぎれて、名もない大衆として歴史を体験していくロバート。 歴史ってそういうものの積み重ねなのだよ。 たしかにその通り。 名もない人生の中だって、人は悩み苦しみ生活しているのだよ。 全くその通り。 で? って思いました。 歴史を変えることなく、ロバートはタイムトラベルをしてはいますが、最後に自分の時代に帰ろうとするまでは全く受け身の生き方です。流されるまま。 タイムトラベルは、ロバートにとって2年間に及びますが、生きぬくことに必死で、精神的成長がなされているのかちょっとよくわかりませんでした。 場所が飛び飛びなだけに、歴史の積み重ねという面からも描写が弱いような気がします。 ひとつの場所ひとつの場所のつながりが、あまり感じられない。 何よりも、訳が悪い。 結構簡単な言葉にも振り仮名がふってあるので、ある程度子ども向けなのでしょうが、だとしたら今の子どもに伝わるような訳でないと。 寝る前などの昔語りに年寄りが、お城の殿さまやお姫様の話をしてくれていた昔ならいざ知らず。 家族そろってテレビで時代劇を見ていた昔ならいざ知らず。 今どきの子どもが、西洋のお城に住むお姫様のお父さんを「殿さま」と呼んで違和感を感じないだろうか? 正しい訳なのかもしれませんが、読んで理解しやすいように配慮された訳ではありませんでした。 言葉のセンスが古すぎです。 歴史について学ぶ本でもなければ、タイムトラベルの冒険にはらはらする物語でもなく、今ひとつコンセプトのよくわからない本でした。 『数の悪魔』に合わせて『ロバートは歴史の天使』という邦題になったのだと思いますが、原題は『どこ行ってたの、ロバート?』 原題で良かったと思います。内容的に。

Posted byブクログ

2010/09/05

原著発行1998年 写真や絵を見るとそこへ行ってしまう、という不思議な目をしたロバートがどんどん歴史をさかのぼって移動していく。 もといた場所に戻れるのか、わくわくして読んだ。

Posted byブクログ