1,800円以上の注文で送料無料

虹の解体 の商品レビュー

3.7

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/10/25

ドーキンスさんの邦訳本の中では訳文が読みやすく感じます。 大人の方で科学ネタに興味があって、さりとてあんまり軽い内容じゃ満足できないという方には一読の価値ありと思います。

Posted byブクログ

2014/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

欧米の知識人はほんと碩学。 しかし、話があっちこっちに飛躍するので論旨追うのがタイヘン。 科学は味気ない、詩的ロマンスを壊すという意見に真っ向から挑み、科学こそは自然界にセンスオブワンダーという神秘性を見出すもの、科学万歳を唱える意欲的な逸書。 福岡伸一の訳なので、『利己的な遺伝子』と少々ニュアンスが異なる向きもあるが、あとがきを先に読めば概要が知れる。わかりやすい。 占星術や宗教儀式への戒告は、『神は妄想である』でも伺った論調。全部頭に入れるのは難しそうだ。

Posted byブクログ

2014/01/13

主にドーキンスの専門の?動物行動学、ダーウィニズムと統計学的な観点から「科学的思考は決してイマジネーションをおとしめるものではなく、むしろその逆」ということを啓蒙する。 「偶然の一致」に神秘性などを感じてしまう人間の傾向も、ダーウィニズムで説明しえる![p237]人間の脳はまだ...

主にドーキンスの専門の?動物行動学、ダーウィニズムと統計学的な観点から「科学的思考は決してイマジネーションをおとしめるものではなく、むしろその逆」ということを啓蒙する。 「偶然の一致」に神秘性などを感じてしまう人間の傾向も、ダーウィニズムで説明しえる![p237]人間の脳はまだ石器時代ぐらいの設定で、現代社会はそのころに比べて大きな差があるということがそもそもの問題だ。 また、誤ってはいるが聞こえのいい素晴らしい詩的な表現(それが素晴らしいものであればあるほど)が多くの誤りを拡げてしまうことにも冷静に、冷徹に言及している[p275など]。 ドーキンスの脅威的なパラダイムシフトは、自然淘汰の単位を「個体」ではなく「遺伝子」にみたことだった。その軸から「ミーム」という人間の文化的な側面を遺伝子的なアナロジーで捉える概念も考案された。本書では最後にはこのアナロジー、類推が人類の飛躍的な発展要因であったのではないかと結ぶ。詩やアートの価値を進化論的に優位な戦略に寄与するか否かで判断しようとするのは面白いが、あくまでもひとつの側面であろう。

Posted byブクログ

2012/08/17

『利己的な遺伝子』は絶賛2回目の挫折中ですが、これはすいすい読み進められました(図書館で借りて期限があったせいかも?)。 なんか分からなくても、これからポピュラ・サイエンス系をどんどん読み進めよう!って気になりました。文学だけでは分からない世界をもっと知りたいなと。 星占いに関す...

『利己的な遺伝子』は絶賛2回目の挫折中ですが、これはすいすい読み進められました(図書館で借りて期限があったせいかも?)。 なんか分からなくても、これからポピュラ・サイエンス系をどんどん読み進めよう!って気になりました。文学だけでは分からない世界をもっと知りたいなと。 星占いに関するあのジョークは、私もいつか言ってみたい!!

Posted byブクログ

2012/07/19

 読み応えがありすぎる!  内容としてはタイトルの通り、科学は虹をスペクトルに解体してし、誌的さを奪ってしまった、という詩人の言葉なのだけれど、けれども、これを読む限りは化学ってロマンだと思うんだけどなぁ……。  世界がどのような精緻な仕組みで作られているか、動いているか、それを...

 読み応えがありすぎる!  内容としてはタイトルの通り、科学は虹をスペクトルに解体してし、誌的さを奪ってしまった、という詩人の言葉なのだけれど、けれども、これを読む限りは化学ってロマンだと思うんだけどなぁ……。  世界がどのような精緻な仕組みで作られているか、動いているか、それをしるだけで豊かになれると思うんだけども、科学アレルギーなんだろうか。  面白く興味深いけれど、内容が多岐にわたるので、ぜんぶを通して読もうとすると辛い。  とりあえず、面白そうな章だけ読んでみるのもありかなーと。

Posted byブクログ

2010/02/06

序文 第1章 日常性に埋没した感性 第2章 客間にさまよいいった場違いな人間 第3章 星の世界のバーコード 第4章 空気の中のバーコード 第5章 法の世界のバーコード 第6章 夢のような空想に ひたすら心を奪われ 第7章 神秘の解体 第8章 ロマンに満ちた巨大な空虚 第9章 利己...

序文 第1章 日常性に埋没した感性 第2章 客間にさまよいいった場違いな人間 第3章 星の世界のバーコード 第4章 空気の中のバーコード 第5章 法の世界のバーコード 第6章 夢のような空想に ひたすら心を奪われ 第7章 神秘の解体 第8章 ロマンに満ちた巨大な空虚 第9章 利己的な協力者 第10章 遺伝子版死者の書 第11章 世界の再構成 第12章 脳のなかの風船 訳者あとがき:ドーキンスVSグールド 邦訳引用文献 参考文献 (目次より)

Posted byブクログ

2009/10/17

正直,何が言いたいかよくわからなかった・・・ 昔(Nerton以前)は虹は神秘的なモノの代表であったが,Newtonがひとたび物理的な現象に還元してから,その神秘性が失われてしまった.という意見は間違いで,科学はよりいっそう,その神秘性を引き立てる.というのが前半の大意なのであ...

正直,何が言いたいかよくわからなかった・・・ 昔(Nerton以前)は虹は神秘的なモノの代表であったが,Newtonがひとたび物理的な現象に還元してから,その神秘性が失われてしまった.という意見は間違いで,科学はよりいっそう,その神秘性を引き立てる.というのが前半の大意なのであろう. 後半は生物学の特異な例を挙げて・・・何が言いたかったのか? 福岡伸一氏が翻訳だったので,期待しすぎたのかも.

Posted byブクログ

2009/10/04

 私が2004年の春に読んだ、お厚い科学の啓蒙書。  ニュートンがプリズムを使って白色光を7色に分光したとき、今日の科学の基礎はつくられた。しかし、彼の同時代人であったジョン・キーツをはじめとするロマン派詩人は、“虹の詩情を破壊した!”と、ニュートンを非難。一方、現代においては...

 私が2004年の春に読んだ、お厚い科学の啓蒙書。  ニュートンがプリズムを使って白色光を7色に分光したとき、今日の科学の基礎はつくられた。しかし、彼の同時代人であったジョン・キーツをはじめとするロマン派詩人は、“虹の詩情を破壊した!”と、ニュートンを非難。一方、現代においては、ゲノムサイエンスの医学への応用など、科学の実利的側面ばかりが注目を集めている。実は、そのどちらも科学に対する極端な見かたであり、どちらも間違いである、科学とは、限りない驚きと美に満ちた営みなのだ。というのが筆者の主張である。  著者の専門分野は生物学・進化学であるが、脳科学・認知心理学・物理学・宇宙論などを縦横に援用し、科学が孕む“センス・オブ・ワンダー”を様々な側面から解剖してみせてくれる。  とまあ、ここまではほとんどが翻訳書にくっついてる紹介文の引用です。ここだけ読むと分かりやすい本なのですが、私には分かりづらいところもあった。それはなぜか。  彼の主張は一貫しているし、私自身科学的な知識が全くないわけではないので、科学のお話は楽しく読めたのです。が、実は“詩”についての知識がほぼゼロなので、ジョン・キーツとかロマン派とか言われても?なのです。まあそういう細かいところ(細かくはない、むしろ主題です)はサラッと流しても(ほんとは流しちゃいけないです)、十分楽しめる本だと思います。  私のように詩についての教養がない方は、この本をもとに、こういう詩人がいてこういう主張をしていたんだね、という具合に、知識をつける“きっかけ”にするのもよいかもしれません。英文科や仏文科の方にっとっては詩の分野はとっつきやすいと思うので、純粋に科学の啓蒙書として楽しまれるとよいと思います。  話題の中心は、先ほどの紹介文の引用にもあるとおり、「光をプリズムで分解する」という科学的手法が如何に“詩的な美しさ”に満ちているかということと、科学のもたらす“詩的な畏敬の念(センス・オブ・ワンダー)”が如何にすばらしいかということである。光をプリズムで分解するというニュートンの手法から、様々な応用がなされ科学が発展していったということを、丁寧に説明してくれている。  私がこの本の中で最も惹きつけられたのは、第6章「夢のような空想に ひたすら心を奪われ」、及び第7章「神秘の解体」である。第6章では、迷信とだまされやすさについて、第7章では、超常現象を考えるときの統計的思考法について、それぞれ語られている。私としては、細木○子のようなインチキオバハンがゴールデンタイムでのさばっているような現状を見るにつけ、この第6章と第7章が広く読まれることを期待したい。  それにしても、ドーキンスという人の教養の広さには、ただただ驚かされる。多種多様な詩、散文、文献から縦横無尽に引用がなされており、まさにそのことが彼の説得力の根源となっている。しかし、よく考えてみると、多くの西欧人はかなり広範な知的教養を有している (たとえば聖書の引用はお手の物だし、幼い頃からシェイクスピアの詩や戯曲を覚えさせられる)のであり、これぐらいの文章を書く人なんてうじゃうじゃいるのだ。まあ、日本と彼らとでは教養の物差しが違うし、その内容も異なるので一概には言えないのだが、それにしても、彼らと対等にやりあうには、西欧文明の厖大な教養を身に付けなければならないのか(「身に付ける」というのは日々の生活の中で口をついて出るような状態を言う。)と思うと気が遠くなる。二流大学に通う二流法学部生の私には当然のことながら到底無理である(教授はよく語学をしっかり身に付けろと仰るが…)。それでもやってやる、という気概ある中高生には、ぜひとも本書をお薦めする。

Posted byブクログ