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弥勒 の商品レビュー

4.3

60件のお客様レビュー

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    27

  2. 4つ

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 4年の歳月をかけて…

 4年の歳月をかけて書き上げた筆者渾身の作品。パスキムという架空の国が目指す完全な平等な社会を日本人の目を通し描かれます。国を挙げて理想郷を目指す過程で、歯車が崩れ、某国の全体主義のような状態に陥っていく課程が丹念に描かれています。 パスキム仏に対する芸術的な興味しかなかった主人...

 4年の歳月をかけて書き上げた筆者渾身の作品。パスキムという架空の国が目指す完全な平等な社会を日本人の目を通し描かれます。国を挙げて理想郷を目指す過程で、歯車が崩れ、某国の全体主義のような状態に陥っていく課程が丹念に描かれています。 パスキム仏に対する芸術的な興味しかなかった主人公が、壮絶な集団生活を営む過程で、宗教や信条について考えが変り新たな人生を歩みだす最後は涙なくしては読むことが出来ませんでした。オススメです。

文庫OFF

壮大なスケールで描か…

壮大なスケールで描かれた作品。仏像を追い求めてネパール近くの架空の国まで。革命の中を命を懸けて仏像を守る姿に感動しました。さすが篠田ワールドです。

文庫OFF

「ハルモニア」などが…

「ハルモニア」などが良かった人にはお勧め。相変わらず最後はハッピーエンドとはいえないかもしれないが、まさに「現在の救い」をテーマにした作品だけはある、重厚感のあるよみごたえ

文庫OFF

すごく厚い本なのです…

すごく厚い本なのですが、読み出したら止まりません。重いテーマで書かれてます。平和とは?救いとは?自由とは?いろんな事が頭をよぎっていきます。

文庫OFF

想像を超えた小国の描…

想像を超えた小国の描写が痛ましく、精神的な救いを求める姿に考えさせられる読み応えのある一冊。

文庫OFF

2020/01/03

美とは、宗教とは、性とは、そして生とは、人間とは、何なのか 生きるために行われる恐ろしい所業も、この世にある苦しみも、ほんとうの肉体の痛みも、まだあなたは何一つ知らない

Posted byブクログ

2019/07/15

7月-11。4.0点。 新聞社で芸術展を企画する主人公。仏教芸術の優れたチベットの小国、パスキムで政変が起きたため潜入。 反政府勢力に捕らえられ、強制労働へ。 200頁あたりから、一気読み。 なんと言ったら良いのか。重い、だけど止まらない。 悲惨、だけど魅力がある。 ラストも、...

7月-11。4.0点。 新聞社で芸術展を企画する主人公。仏教芸術の優れたチベットの小国、パスキムで政変が起きたため潜入。 反政府勢力に捕らえられ、強制労働へ。 200頁あたりから、一気読み。 なんと言ったら良いのか。重い、だけど止まらない。 悲惨、だけど魅力がある。 ラストも、無事に終わるかと思いきや、そう終わるかっという感じ。

Posted byブクログ

2018/09/11

ここ数年の中で一番衝撃を受けた。驚きの衝撃ではなく、ずっと心に残ってしまう、そんな衝撃。 篠田さんの本は社会的な要素を書いたものが多くあるけど、その中でもこれは別格。 がさつで、乱暴的で。でも強くて悲しい。たぶん私の中でこの本を超えるものに出会うのはまだまだ先だろう

Posted byブクログ

2018/07/16

架空の話をこのボリュームで書けるってすごい…。 自分が同じ環境に置かれたらどうなってしまうのだろう。 パスキムの仏像…存在するなら見てみたかったなあ。

Posted byブクログ

2016/12/10

そもそもの本の厚みもさることながら、内容もどえらい重厚やった。先を読みたいけど、気持ちがなかなかついていかなくて…って感じで、読み進めるのにかなりパワーを要しました。それは即ち、書物としての力が強いってことで、たまにはこういう読書も必要と思います。余談ながら、今年自分に課したノル...

そもそもの本の厚みもさることながら、内容もどえらい重厚やった。先を読みたいけど、気持ちがなかなかついていかなくて…って感じで、読み進めるのにかなりパワーを要しました。それは即ち、書物としての力が強いってことで、たまにはこういう読書も必要と思います。余談ながら、今年自分に課したノルマ(2日で1冊)を殆どクリア出来たんで、今月は長編モノや重厚モノを中心に読もうと思い、まず選んだのが本作なのでした。そういう意味では期待に違わぬ作品で、いろんな意味で満足度は高かったです。唯一(多分)ひっかかったのは、主人公がスパイの子供をかばったせいで、ドクターら数名が処刑になっているのに、それほど痛みを感じていなさそうだった点。それも含めて、あんな環境下では感覚が麻痺してしまう、っていう描写だったんでしょうか。瑣末なことながら、結局胸のつかえ感が取れなかったので、ここに挙げておくことにしました。

Posted byブクログ