財閥未亡人の誘惑 の商品レビュー
『道玄坂裸女殺人』(廣済堂ブルーブックス)の改版です。 深田俊之(ふかだ・としゆき)は、友人で「朝日興産」という会社社長を務めていた樽見将太郎の死後、未亡人となった29歳の樽見庸子(たるみ・ようこ)と肉体関係を結んでいました。そんなある日、庸子の義父の樽見将介(たるみ・しょうす...
『道玄坂裸女殺人』(廣済堂ブルーブックス)の改版です。 深田俊之(ふかだ・としゆき)は、友人で「朝日興産」という会社社長を務めていた樽見将太郎の死後、未亡人となった29歳の樽見庸子(たるみ・ようこ)と肉体関係を結んでいました。そんなある日、庸子の義父の樽見将介(たるみ・しょうすけ)が、若い嫁をもらうことを考えていることが明らかになります。そうなれば、庸子は夫とともに暮らしていた樽見の家を出なければならず、悩んだ彼女は深田のもとを訪ねて、彼と身体を重ねます。 その後、朝日興産の秘書を務めていた朝岡彩子(あさおか・あやこ)が、「ゴールデン・ドア」というエステティック・サロンで何者かに殺害されるという事件が起こります。事件の起こったときにエステにいたのは、女医でセックス・カウンセラーの貴堂舞子(きどう・まいこ)をはじめとする5人の女性たちで、彼女たちは警察の取り調べを受けることになります。舞子以外に取り調べを受けたのは、30歳でフリー・カメラマンの仙道郁子、人妻の村山亜由美、29歳でOLの白河涼子、そして28歳でOLの高木なな子です。 やがて舞子は、殺害された彩子が樽見将介と男女の関係にあったことを知り、二人が結婚することで不利益を被ることになる庸子に、疑いの目を向けはじめます。その一方で彼女は、彼女の助手で27歳の岬慎吾というセラピストを「ゴールデン・ドア」に送り込んで、彩子殺害の容疑がある4人の女性たちに関する情報を収集させます。その結果、仙堂郁子と深田が男女の関係にあったことが明らかになります。 他方で舞子は、彼女のカウンセリングを受けていた三原久美という女性から事件に関する情報があるという連絡を受けます。ところが、彼女の元夫だった高垣栄八郎が亜由美を殺害するという事件が起こり、恐怖に駆られる彼女のもとを訪れた岬は彼女と身体を重ねることになります。 さらに、白河涼子と不倫関係にあった宇奈月耕太郎が殺害されるという第三の事件が起こります。岬は涼子に接近して事件に関する情報の収集を開始します。その結果、舞子と岬は宇奈月の妻のかな子と不倫関係にあった高垣が、宇奈月を殺害したことを突き止めます。 その後、舞子と岬の二人は、郁子の足取りを追って飛騨を訪れ、そこで死んだ樽見将太郎のパイロットをしていた河鍋克二という男を問い詰めて、事件の真相を突き止めることになります。 官能シーンを含んではいるものの、実用目的よりもむしろミステリ小説としての性格の強い作品です。ただ個人的には、官能描写もミステリ要素も中途半端だという印象を抱いてしまいました。
Posted by
- 1