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ホワイト・ティース(上) の商品レビュー

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2015/06/15

この小説を紹介するのは難しい。 ましてや上下巻の情までしか読んでいないので、なおさらに。 これといったストーリーがあるわけではないのだけど、躍動感あふれる文体がすごいんだ。 ホワイト・ティース=白い歯 どうしてこういうタイトルにしたのだろう? 最後まで読んでいないからはっきり...

この小説を紹介するのは難しい。 ましてや上下巻の情までしか読んでいないので、なおさらに。 これといったストーリーがあるわけではないのだけど、躍動感あふれる文体がすごいんだ。 ホワイト・ティース=白い歯 どうしてこういうタイトルにしたのだろう? 最後まで読んでいないからはっきりわからないけれど、多分「白い歯」というのは分断の象徴。 例えば今のイギリスでは、「白い歯」でいられる階級、歯にお金をかけることのできる階級とできない階級というのがあるのではないか。 逆にインドの独立戦争の頃。 暗い闇の中に浮かび上がる「白い歯」が、敵の目印だったと。 事実はそうなのかはわかりません。口を閉じれば歯は見えませんからね。 闇の中の「白い歯」に向かって銃を撃てば、敵を倒すことができた時代。 狩る者と狩られる者。 移民の第1世代と第2世代の確執とか、白人と黒人が結婚することに対する口に出されることのない拒否感とか、深刻に書こうと思えば書けることを、ドタバタとコミカルに表現した後に残るものは…。

Posted byブクログ

2009/10/04

読んでるうちにスピードが出るタイプの本。メチャメチャ面白いっ。ストーリーと登場人物のハチャメチャ加減がいい。

Posted byブクログ

2009/10/07

海外でどれだけ評判が高くても、どうしても理解できない小説というのはあるものだとつくづく思う。ゼイディー・スミスの処女作にして壮大な長篇小説「ホワイト・ティース」は自分には理解できない小説の一つだった。 例えば最近読んだジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」と比べてみたくなる。異...

海外でどれだけ評判が高くても、どうしても理解できない小説というのはあるものだとつくづく思う。ゼイディー・スミスの処女作にして壮大な長篇小説「ホワイト・ティース」は自分には理解できない小説の一つだった。 例えば最近読んだジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」と比べてみたくなる。異邦人であることのアイデンティティと親と子という世代間の問題、更に移民一世と二世の問題、と、その骨格は本書とどことなく似ている。こちらはそれに戦争の体験が加わり、イギリスとインドという問題が加わり、政治、宗教、人種と多面的に問題が絡み合う。更に、もっとも根源的で相互理解不能な問題、宗教。これだけのテーマが少なくない登場人物を交えて語られる。意欲作であるし、プロットも見事だと思う。小道具としてもファッション、科学、なんでもござれで、エンターテイメント性にも優れているだろう。また、あとがきでも指摘されていたが根本的な楽天性というものもあり、かなりの長篇にもかかわらず読ませる力はある。 しかし、何が言いたいの、と「ホワイト・ティース」の主人公の一人のように質問したくなる。結局何が語られたのかというと、大きな疑問を手のひらに載せたままそこで立ちすくんでしまう感じなのだ。何もこれと言ったものが残っていない。面白かったかと言われれば面白かったし、エピソードも記憶に残っているのだが、今まで自分の中には無かったものが、ゆっくりと形をなしてくるような感慨が起こらない。それが自分にとってこの本の評価の根本に繋がる感情なのだ。 ひょっとしたらイギリス人はこういう、だらだらした話が好きなのだろうか。一人ひとりの歴史が少し丁寧に語られ、それがどんなトラウマとなって今の人生を制限しているかなんてことを考えながら読むのだろうか。そう言えば「ウォーターランド」という似たような語り口の小説もあった。 どうもこれ以上は何も出て来そうにない。もう一冊同じ作家の本があるのだが、手を伸ばせるだろうか。

Posted byブクログ