人生道しるべ の商品レビュー

瀬戸内寂聴(著者)

2012/01/29

悩める人に対して仏教の観点から慈悲深い解釈を説き、希望を与えてくれます。
全体を通して伝わってくる著者の主張は「後悔や悲しみや憎しみなどは、それはそれとして心に整理をつけること。いつまでもそこに囚われていているのではなく反省し糧にして、生きている今に感謝し毎日を大切に楽しく人生を送ることが重要。」というものでした。

少々驚いた点は、罪を犯して自責の念に苦しんでいる人に対しても、謝罪の気持ちと供養だけは忘れずにして、残された人生を思う存分楽しみなさいというアドバイスです。「懺悔すれば許される、あなたの人生を生き直しなさい」というのはある意味自分に都合のよい解釈にも感じました。
しかし、慈悲とは「許し許され苦を取り除き希望を与えるもの」なのかもしれないですね。

2010/09/08

人間のすべてが抱いている胸の奥の無明（無智）に灯をともすことになって、苦の姿や性質をはっきりと見極めることができます。
自分の心の苦しみも、その正体をはっきり見つめ、正確に知ることから、苦の退治ができる。

人が自殺する時はほとんど精神が正常ではない。
正常な人間なら、自分が自殺したら周りがどんなに嘆き悲しむか、どんな迷惑を被るかを考えるものです。そういうことを考える余裕がなくなり、ただ自分のことしか考えられなくなるまで、何かの原因でノイローゼになっている。

今こそ、あなたの神に真剣に祈りなさい。神は必ず答えてくれます。