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史記を語る の商品レビュー

4.4

12件のお客様レビュー

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2023/09/24

さすが宮崎市定である。相手が司馬遷であろうが、書いたものをなんでもうのみにする男であるなど評価に容赦がない。ただそれでも嫌味にならないのは、宮崎自身が司馬遷と同じく自由を信条とする歴史家であることが随所から伝わるからか。

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2022/09/01

司馬遷が生きた時代も、気が遠くなるくらい遥かな昔であるのに、『史記』に登場する人物の行動が、現代の我々にも、多く共感できるというのが非常に不思議ではある。

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2022/05/28

宮崎市定らしい史記の紹介と解説・解釈。平易な文で読みやすいが、内容は含蓄に富み、流石碩学の書く本は違うと思わされる。司馬遷に対して若干当たりが強いように感じるのはご愛敬か。

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2019/01/13

岩波文庫『史記列伝(全五巻)』および『史記世家(上中下巻)』を読む前に、本書を読了。本『史記を語る』で概略を知った後に『史記列伝』を読み始めた方が、頭に入りやすいと思ったため。宮崎市定さんの語り口が面白い。また普段あまり使わない表現にも多く遭遇した。

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2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1996年(底本1979年)刊行。中国の歴史書のテンプレートともなった司馬遷著「史記」。それを、本記、世家、表、列伝に分けて簡明に解説。個人的な見解も付与しているが、その記述された内容の説明に重点を置いているのが特徴か。個人的には、①各種制度の実情(封建制度と郡県制度との違い、秦漢の差異。さらには租税制度の実態と運用など)、②民衆の生活実態、農商工業の実情に興味があったが、あまり書いていない。本記・世家は英雄伝に近く、また、列伝も剣豪や義侠伝といった、庶民英雄伝に近いテーマだからである。

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2016/02/13

ミーハー的にキングダム(マンガ)の影響で手に取った本だったがかなりの良書。史記の解説を通じて、2000年前の中国が実に活き活きと歯切れ良く語られている。一読しただけでは初心者にはわからない部分がかなりあったけれども、もう一度読み返したくなる、あるいは関連書籍をさらに深堀したくなる...

ミーハー的にキングダム(マンガ)の影響で手に取った本だったがかなりの良書。史記の解説を通じて、2000年前の中国が実に活き活きと歯切れ良く語られている。一読しただけでは初心者にはわからない部分がかなりあったけれども、もう一度読み返したくなる、あるいは関連書籍をさらに深堀したくなる類の書籍。学問に生涯を捧げた人間の文章はやはり一味違うな、と改めて思った。

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2014/04/23

史記を全部読んだつもりになれる。伍子胥や趙高の馬鹿の話、刺客列伝は当時の舞台も影響しているのではないかという考え方にはなるほどと思える。

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2013/05/10

史記にある個別の様々なエピソードが、儒教の思想の下に構成されていることを知った。礼を重んじるエピソードを再度読むときに違った思いで読むことになる。 司馬遷は書かれた歴史を信じるタイプだったというが、我々は歴史において何を信じているだろうか。教科書だろうか、ネット上の情報だろうか。...

史記にある個別の様々なエピソードが、儒教の思想の下に構成されていることを知った。礼を重んじるエピソードを再度読むときに違った思いで読むことになる。 司馬遷は書かれた歴史を信じるタイプだったというが、我々は歴史において何を信じているだろうか。教科書だろうか、ネット上の情報だろうか。信じるとか信じないとかいう思いすらなく、盲目的に受け入れている時があるのではないだろうか。 決して司馬遷を笑えないだろう。

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2012/09/02

 司馬遷の「史記」は本紀12巻、表10巻、書8巻、世家30巻、列伝70巻、合わせて130巻から成っているという。本書はそれらの翻訳でもなければ単なる注釈本でもない。タイトルが言うように著者が「史記」を語っている。  著者の宮崎市定先生は既に鬼籍に入っておられるが、もし仮にご存命...

 司馬遷の「史記」は本紀12巻、表10巻、書8巻、世家30巻、列伝70巻、合わせて130巻から成っているという。本書はそれらの翻訳でもなければ単なる注釈本でもない。タイトルが言うように著者が「史記」を語っている。  著者の宮崎市定先生は既に鬼籍に入っておられるが、もし仮にご存命であるならば、ぜひ講義を受けてみたいと思うファンは少なからずいるだろうと思う。どの著作をとってみても単なる歴史書ではなく、説得力があり読者を惹き付ける魅力があり飽きさせない。  本書で先生が最も語っている部分は第5章「年表」のところであると思う。サブタイトルに「どこまで歴史は遡れるか」とし、ここで先生は「禹貢」を批判して、司馬遷の時代観を問題視している。司馬遷は「禹」を中国史における有力な出発点とみなしているが、宮崎先生は秦漢時代に創作されたのではないかと疑問を呈している。  また、著者が司馬遷に感謝の意を示すページがある。それは、よくぞこれだけの史料をまとめて保存してくれたという歴史学の功績に対してである。「史記」がなければどれほど多くの史実が散逸してしまったかわからないという。  意外ではあるが、明らかに後人が加筆した跡があり、「史記」の各所に何の断りもなく改竄の加えられたことがあるについては、疑うべからざる証拠があるという。宮崎先生のこの行間を読み取る能力は、本家の中国の歴史学者も凌いでいるのではあるまいか。  巻末に「史記の中の女性」と題して数ページを割いているが、当時の女性のあり様が少しだけわかり興味をひいた。則天武后や西太后だけでなく、無数の宮廷内外の女性についての研究が発表されることを期待したい。

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2012/05/02

宮崎市定キャンペーンをはじめてみる。 冒頭の数十ページを読んだだけで分かるのだけど、この人は別格だ。 司馬遷をも相対的に記述する歴史家。そして、マルクス的な進歩史観も、ヨーロッパの歴史も、十分に理解しつつ、徹底的に「私はこう思う」を貫き通す。 これは、学問の権化だ。 宮本常一と同...

宮崎市定キャンペーンをはじめてみる。 冒頭の数十ページを読んだだけで分かるのだけど、この人は別格だ。 司馬遷をも相対的に記述する歴史家。そして、マルクス的な進歩史観も、ヨーロッパの歴史も、十分に理解しつつ、徹底的に「私はこう思う」を貫き通す。 これは、学問の権化だ。 宮本常一と同じような人だ。

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