檀 の商品レビュー
ライフヒストリーを研究の生業としている人には本書はどう写るだろうか。二次創作とはいえ、檀一雄夫人、ヨソ子氏の「綴られることへの苦悩」は物語の作り手に一石を投じてくれるはず。
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すごく考えさせられた。夫人ヨソ子さんの愛というものについて。愛人にいそいそ会いに行って帰ってこない夫に、妻として肌を許していたらしいその記述、子供について一切考えなかったというそれを平然と発表してしまうその実際、そのどちらをとっても、やはり夫人自身が常人の域を脱しているような気さ...
すごく考えさせられた。夫人ヨソ子さんの愛というものについて。愛人にいそいそ会いに行って帰ってこない夫に、妻として肌を許していたらしいその記述、子供について一切考えなかったというそれを平然と発表してしまうその実際、そのどちらをとっても、やはり夫人自身が常人の域を脱しているような気さえする。結局檀が好きで好きでしょうがなかった女の話なのかもしれない。そう表現するとバカバカしいなぁ・・・・でも、とても興味深く一気に読めた。それにしてもやっぱり、檀一雄、うーん・・・・好きだったんだけど、これを読むとどうもなぁ・・・
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古本屋で、特に理由もなく購入した一冊だったわけだけれど、泣いた。檀一雄の「火宅の人」も読みたいと思う。
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久しぶりに再読。深夜特急は青春のバイブルだとして、沢木作品で一番好きなのはこれ。いつもながら、絶妙な視点に引き込まれ、小説のようでいてノンフィクションの体裁を崩さないスタイルは、沢木作品の真骨頂。女性の本質が、リアルに、客観的に、そして凛と書かれていて、とても共感できる。筆者が男...
久しぶりに再読。深夜特急は青春のバイブルだとして、沢木作品で一番好きなのはこれ。いつもながら、絶妙な視点に引き込まれ、小説のようでいてノンフィクションの体裁を崩さないスタイルは、沢木作品の真骨頂。女性の本質が、リアルに、客観的に、そして凛と書かれていて、とても共感できる。筆者が男性なことにハッとさせられます。これは小説家には書けない小説。ノンフィクションライターだから書ける小説。リアルな人生が濃縮された作品。
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流浪の作家、故檀一雄の奥さんの一人称で語られるノンフィクション。決して檀一雄だけの物語ではない。檀に振り回されながらも檀を見守り続け、大きな苦労と喜びを味わった奥さん自身の物語でもある。 この作品は、著者である沢木耕太郎が奥さんのインタビューをまとめ、本にしたものだ。本来であ...
流浪の作家、故檀一雄の奥さんの一人称で語られるノンフィクション。決して檀一雄だけの物語ではない。檀に振り回されながらも檀を見守り続け、大きな苦労と喜びを味わった奥さん自身の物語でもある。 この作品は、著者である沢木耕太郎が奥さんのインタビューをまとめ、本にしたものだ。本来であれば、檀一雄という破天荒な巨人の陰で、奥さんは脇役に追いやられてしまう。沢木耕太郎という人は、脇役を主要登場人物にする力を持っている。脇役に見える人にも波乱に満ちた人生があり、生き抜いてきた哲学がある。この作品は、それを教えてくれる。
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檀さんってふみさんのお父さんということは知っていたけれどなかなか豪快な人だったんだね。奥さん、大変だったんだろうなあ。
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愛人との生活を綴って逝った作家。妻はルポライターの訪問を機に夫の遺作を読み、夫を振り返る。 これも沢木耕太郎作品ということで手に取った一冊。妻の視点から書かれてたノンフィクションなんだけど、最後にちょこっと沢木支視点が入ってた気がします。自分の旦那さんがこんな人だったら嫌だな~...
愛人との生活を綴って逝った作家。妻はルポライターの訪問を機に夫の遺作を読み、夫を振り返る。 これも沢木耕太郎作品ということで手に取った一冊。妻の視点から書かれてたノンフィクションなんだけど、最後にちょこっと沢木支視点が入ってた気がします。自分の旦那さんがこんな人だったら嫌だな~、でも奥さんはなんでこんな生活に耐えられてたんだろうと思い、壇一夫自身に興味がわき「火宅の人」を読もうと挑戦したけどあえなく返り討ちにあったという後日談あり。
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火宅の人を読む前に読みかけたときは全然頭に入らなかったけれど檀一雄や檀ふみの著作を読んだ後だと面白い!沢木耕太郎天才!
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「火宅の人」檀一雄の妻ヨソ子さんにお話を伺って書かれた本。もしご本人が自ら回想して綴られたとしたらこのような文芸作品には昇華し切れなかったかもしれません。妻として苦悩しながらも夫が好きだったヨソ子さん。後半の闘病生活も克明に描かれます。あらためて、人生は長く重みがあるのだと噛みし...
「火宅の人」檀一雄の妻ヨソ子さんにお話を伺って書かれた本。もしご本人が自ら回想して綴られたとしたらこのような文芸作品には昇華し切れなかったかもしれません。妻として苦悩しながらも夫が好きだったヨソ子さん。後半の闘病生活も克明に描かれます。あらためて、人生は長く重みがあるのだと噛みしめた作品でした。終盤、母というよりは妻として生きたと言い切ったヨソ子さんに頭が下がりました。毎週1度、1年かけてお話をきいたのだという沢木耕太郎さん。詳しく書かれてはいないけれど、とても礼儀正しく丁寧に取材されたのが文章の合間から感じられた。最後の最後された質問やそれにどう答えたかなど、深みがありました。読後も残るのはやはり、沢木耕太郎という人の書く対象への真摯さ、やさしさです。そこがファンである一番の理由かなと気づく。読もう読もうと思いながら今やっと読むことができてよかった。
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