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ストレンジ・デイズ の商品レビュー

3.2

32件のお客様レビュー

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2013/04/04

 村上龍の日本語は天才的、どれを読んでもいつもそう思う。わりとノスタルジーに富んでるとこがリアリストの龍先生にしては珍しい、気もする。それはまず本気で丁寧に作られていた昔の楽曲がタイトルになってるとこがまさにそう。 「もっと単純なことなのにね、みんななんとなく寂しくて、ものすご...

 村上龍の日本語は天才的、どれを読んでもいつもそう思う。わりとノスタルジーに富んでるとこがリアリストの龍先生にしては珍しい、気もする。それはまず本気で丁寧に作られていた昔の楽曲がタイトルになってるとこがまさにそう。 「もっと単純なことなのにね、みんななんとなく寂しくて、ものすごくつまらないものしかまわりにないっていうだけなんですけどね」p.250  希望とか前進とかをばかにしてるんだけどどっかそれに根差していて、というのは人間はじゃないと泣けてくるから、なんかな。真の自己啓発っていうか純度の高い意識高い系っていうか、でもある意味そうすると反転して一般とか民族とかカテゴリーといつのまにか究極的に対峙していて、よくわかんないけど、まあ相変わらず圧倒的で、良かった。  なんか言ってることわかる気がすんだな。 (巻末解説は、だるくて全部読めなかった)

Posted byブクログ

2013/03/16

おじさんの自分探し(笑) トラックドライバーの美女設定とか、その子は露骨な性描写を免れるとか、傑出した人を惹き付ける力があるとか、Kyokoに似ている。 著者の考える現代の妖精に、願望を託す、的な。 サナダムシの比喩は、あんまりしっくりこなかった。

Posted byブクログ

2012/10/22

 つい先日、旧友の結婚式に出席した。緊張した表情の新郎と感謝の涙を拭う新婦の姿が印象的な、とても素晴らしい感動的な式と披露宴だった。  結婚式に出席した次の日は、決まって憂鬱になる。それには色んな理由があるのだろうが、一番の原因は、自分が「諦めなければならないこと」を、現実的に...

 つい先日、旧友の結婚式に出席した。緊張した表情の新郎と感謝の涙を拭う新婦の姿が印象的な、とても素晴らしい感動的な式と披露宴だった。  結婚式に出席した次の日は、決まって憂鬱になる。それには色んな理由があるのだろうが、一番の原因は、自分が「諦めなければならないこと」を、現実的に提示されてしまうからなんだと思う。  十年以上前に書かれたこの小説をこのタイミングで読めたのは偶然でしかないのだろうが、そこに必然性を感じてしまうほどに救われるような内容だった。  作中の後半で、主人公が二人の登場人物から諭されるようなシーンがある。「もし何かを達成しようと本気で思うのなら、それに必要なもの以外は極端なまでに捨ててしまわなければいけない」という風な台詞と、「もしやりたいことがあったら、それをできない自分は死ぬことと同じだと考えること、できない自分を想像し、徹底的に憎むこと。それが【必死】ということ。死ぬほど頑張るということじゃない。できなかった、だから死にます、というのとは違う」という台詞だ。  同郷の旧友の結婚式に出席して、彼らの仕事の実績や職場内での期待感などを耳にすると、なにも達成できていない自分自身に対して、卑劣な同情のようなものを感じてしまう。それは事実だ。  何かを選ぶということは何かを捨てるということ。それはとてもシンプルな真実だ。シンプルだからこそ残酷でもある。【諦める】という言葉は【明きらむ】という言葉から派生したそうだが、まさに、自分の意志で今後の道を明らかにしていくことと選べるはずの他の選択肢を放棄することは同義なのかもしれない。  著者は才能について【危機感にささえられた意志】であると定義していた。個人的に僕は、【才能】という言葉を信用していない。それは他人によって定義されるべきもので、自意識では取り扱えない概念だからだ。  自ら扱えるものであるはずの意志。そして飢える状況に身を置くことによって発生する危機感。それらがかけ合わさったものを【才能】として定義するあたりが、この作家を好きな理由なんだな、と改めて思った作品だった。

Posted byブクログ

2012/08/15

ジュンコに夢中になった。 が、 もりあがってきた所で残りのページ数がすごく少ない・・・・ どうやって終わるのか・・・ 終わった、いきなり終わった感じ。 話が面白かったのでもうちょっと読みたかったな~

Posted byブクログ

2012/03/22

自らの無力感を感じ、妻子と別居し、大量のCDやレコードを捨て、酒に溺れる中年男ソリマチと、長距離トラック運転手で寄生虫妄想を持ち、恐ろしい演技力を持つ女性ジュンコの2人が出会い、映画を作ろうとする話。 共生虫なんかでも取り上げられてる寄生虫妄想ってなんか好きです。 ちなみに...

自らの無力感を感じ、妻子と別居し、大量のCDやレコードを捨て、酒に溺れる中年男ソリマチと、長距離トラック運転手で寄生虫妄想を持ち、恐ろしい演技力を持つ女性ジュンコの2人が出会い、映画を作ろうとする話。 共生虫なんかでも取り上げられてる寄生虫妄想ってなんか好きです。 ちなみに本作の各編は、ドアーズやベルベット・アンダーグラウンドなんかの曲名が付けられていますが、内容にはあまり関係がないような気がします。

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2012/03/09

村上龍の『ストレンジ・デイズ』を読み終えました。 題材が、後に発表された『共生虫』と同じなんですが、自分の人体(ここでは血管の中)に「もう一人の自分」が宿り、その得体の知れない「何か」を通じて、自分の生き様を見つめる話です。 『共生虫』の場合は、そのダークサイドが凶暴化する話...

村上龍の『ストレンジ・デイズ』を読み終えました。 題材が、後に発表された『共生虫』と同じなんですが、自分の人体(ここでは血管の中)に「もう一人の自分」が宿り、その得体の知れない「何か」を通じて、自分の生き様を見つめる話です。 『共生虫』の場合は、そのダークサイドが凶暴化する話ですが、『ストレンジ・デイズ』はだいぶ違いました。こっちの方が好きです。 そもそも僕は「もう一人の自分」みたいな話は結構好きなんです。私感ですが、一人は【理性】で、もう一人は【欲望】だと思ってます。 このまま、この作品に当てはめると、主人公の反町は、40歳過ぎて、社長にもなったし、家族にも恵まれている。ある程度成した人間が、「憂鬱で退屈」な倦怠期を迎えるのはごく普通ですが、ある女性との出会いを通じて、自らの【欲望】に気づき、成し遂げたいという渇望にとって不要なものは全て排除していきます。 しかし、何をやるにも、【理性】が【欲望】に問いかけ、叫び、罵る訳です。そんな心の葛藤に苦しむ場面がたくさん出てきます。ここではサナダ虫って呼ばれるその生き物については、不思議な幻覚とか、ジャンキーの後遺症とか、鬱病から生じるものでは無いと、かなり早い段階で否定していて、それよりも、普通に生きてたら気づかないかもしれない、本来やるべきことや、やりたいことを実現させる手段に向き合って行動する意味とか、決して無力なんかじゃないんだからっていうメッセージは伝わりました。(違うかも知れんけどね・・) でも、やっぱりロールプレイとか、チャイルドポルノとかの話が散りばめられているところが、村上龍らしくて面白い。

Posted byブクログ

2011/12/24

自分にとって本当に必要なものを捜すこと 不要なものを徹底的に排除すること 物事をよく観察すること どれも学校生活や友達付き合いにおいて必要のないこと もしかしたら日本以外の国ではそうじゃないのかもしれないが、日本という国にいる以上はそうなのだ 上の3つはいわば孤独への道 いずれ...

自分にとって本当に必要なものを捜すこと 不要なものを徹底的に排除すること 物事をよく観察すること どれも学校生活や友達付き合いにおいて必要のないこと もしかしたら日本以外の国ではそうじゃないのかもしれないが、日本という国にいる以上はそうなのだ 上の3つはいわば孤独への道 いずれ何かを捨てなければならなくなる それも「自分はそれを捨てた」と思い知らされる方法で ジュンコは常にそうして生きてきた 反町も、ジュンコとともに生きるならその道を選ばなければならなかった でもそれが「生きる」ってことじゃないのかな 逆らわないまま流されるのと生きるのとはそれこそ雲泥の差がある 生きていくこと 自分で選び捨てるということが、次の選択につながっていく そうやって人は生きていく そうした生き様が見えてとてもおもしろかった 勇気をもらった

Posted byブクログ

2011/11/09

龍ちゃんの最高傑作とは言いがたいが、ラストの「無力感」「退屈と憂鬱」の文章は何回も何回も繰り返し読んでいる。

Posted byブクログ

2011/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第1刷 619円 単身赴任の中、自宅の断捨離対象になった。 学生時代から村上龍にはまっていた。 内容はほとんど覚えていない。 記憶力の頼りなさを感じさせられる。断捨離。 111009

Posted byブクログ

2011/06/22

この作品を夢中で読み続ける事は無かった。最後も何か煮え切らない部分がある。「ぼくには合わない。」と切り捨てるのは簡単だが、そうではないような感覚です。 登場人物が魅力的なのは「ティファニーで朝食を」に似ている感じがする。

Posted byブクログ