欲望 の商品レビュー
読み終えるのがしんどかった。 文章がちょっと自分には合わないような気がする。 華美な説明表現がかなり窮屈。 物語の展開もおそすぎて退屈な印象。 最初はいい感じだったんけれど… いったん面白くないと思ってしまったら 読書はちょっとしんどい作業に成りえてしまう。。。
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妻子のある男との肉体関係に溺れる司書、性的不能の偉丈夫、奔放な美女と初老の男性。三島邸を模した館を取り囲むように、静かに物語は紡がれていきます。捉え切れない様々な欲望の形を緻密に書き表した一冊です。
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それはかすかな、それとはわからないほどかすかな嫉妬であり、悲しみであり、空しさだった。慣れているはずの感情には違いなかった。私はいつも、人生に生じる、幾多のささやかなドラマの中心人物にはなれない人間だった。よくても端役、悪ければ黒子にすぎず、ドラマは私がいなくても、滞りなく進んで...
それはかすかな、それとはわからないほどかすかな嫉妬であり、悲しみであり、空しさだった。慣れているはずの感情には違いなかった。私はいつも、人生に生じる、幾多のささやかなドラマの中心人物にはなれない人間だった。よくても端役、悪ければ黒子にすぎず、ドラマは私がいなくても、滞りなく進んで終焉を迎えた。 だが、ずっと後になってこんなふうに思ったこともある。私が黒子しか演じられない人間だったからこそ、正巳は私に気持ちを許したのかもしれない、と。(p.79)
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