俳句鑑賞歳時記 の商品レビュー
歳時記にならった構成となっており、春・夏・秋・冬・新年に章分けがなされ、それぞれ時候・天文・地理・人事・動物・植物の順に、それぞれの季語を含む句と、それに対する著者の鑑賞・批評が収められています。なお、著者の季語についての研究成果は、『基本季語五〇〇選』(1989年、講談社学術文...
歳時記にならった構成となっており、春・夏・秋・冬・新年に章分けがなされ、それぞれ時候・天文・地理・人事・動物・植物の順に、それぞれの季語を含む句と、それに対する著者の鑑賞・批評が収められています。なお、著者の季語についての研究成果は、『基本季語五〇〇選』(1989年、講談社学術文庫)にまとめられており、本書はあくまで著者の鑑賞・批評に眼目があるというべきであるように思われます。 「道のべに阿波の遍路の墓あはれ」という高浜虚子の句をめぐって著者は、「遍路は春の季語であるが、「遍路の墓」では季感を持っていないのである」と述べ、さらにつづけて「このような句を見ても、季語の存在意義が季感にないことは確かである。この句に季感があるかないかより、季語がはっきり存在することのほうが大事なのである。一句に重量感を与えるものは、季感でなく、季語そのものである」と主張しています。ここに、季語についての著者の考えかたが集約的に示されているといってよいでしょう。 俳句は時候のあいさつのたぐいなどではなく、定型詩であり、季語を用いるという制約が短詩である俳句がわれわれの心に深く入り込むことを可能にしていると考えることができるのかもしれません。
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最近になって永田耕衣さんに興味がわいてきた。 その方以外の俳句も、解説付きで、わかりやすく、 ワタクシくらいに、ちょうど良い本だ。
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