日本奥地紀行 の商品レビュー
面白い
面白かった。 明治10年の東北地方、北海道の紀行文。 江戸時代とさも変わらない庶民の生活や風俗をイギリス婦人の目線から見ている。 困難な旅や愚痴なども率直に記録しているのが面白い。 現代から過去にタイムスリップしたような気持ちで当時の様子を読むことが出来た。
マコト
初めて見る日本 富士山の姿 日本の小船 人力車 見苦しい乗車 紙幣 日本旅行の欠点 サー・ハリー・パークス 「大使の乗り物」 車引き〔ほか〕
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現代から見れば、日本人やアイヌ人にたいする差別とも取れるような表現が多くあるが、そのつもりで書いてないことは明白。 当時の東北地方、北海道の民衆について、見たまま感じたままを率直に書いている貴重な文献だと思う。
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2021年2月21日読了。 明治初期、日本人が知らない日本を旅した英国女性イザベラ・バードの紀行文。 横浜を発ち、日光、会津、新潟、山形、秋田、青森を経て、アイヌへ。文字通り「奥地」へと進んでいく。 良くも悪くも素直で忌憚ない書きぶりが面白かった。
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旅行記の嚆矢。情景がありありと想い浮かぶような、瑞々しい記述に驚く。明治初期の日本の地方の情景が、あまりにもよくわかる。また、アイヌに関する記述も、非常に素晴らしい。日本国内には、ここまで適切な記述があるのだろうか。外国人故によくわかったということなのだろうか。また、いくつもの山...
旅行記の嚆矢。情景がありありと想い浮かぶような、瑞々しい記述に驚く。明治初期の日本の地方の情景が、あまりにもよくわかる。また、アイヌに関する記述も、非常に素晴らしい。日本国内には、ここまで適切な記述があるのだろうか。外国人故によくわかったということなのだろうか。また、いくつもの山越えをし、苛酷であったろう道のりにも驚愕する。
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明治10年の著書だから、およそ130年ほど前か。 当時のイギリス人から見た日本人の姿、そしてアイヌ人の姿が生々しく見えて興味深かった。 特段目を引くのは、形容詞である。 最初は、その対象のビジュアルを表現する形容詞と、形容された対象に対して著者が抱く感情を表現する形容詞のギャッ...
明治10年の著書だから、およそ130年ほど前か。 当時のイギリス人から見た日本人の姿、そしてアイヌ人の姿が生々しく見えて興味深かった。 特段目を引くのは、形容詞である。 最初は、その対象のビジュアルを表現する形容詞と、形容された対象に対して著者が抱く感情を表現する形容詞のギャップから、訳者の直訳によるものなのかと勘ぐるほどだったが、読み進めるうちにこの感覚こそがイギリス的なのかもしれない、と思った。 また、アイヌ人を表現する「音楽的な声」という表現がとても印象に残った。 アイヌ語がわからないが故にそう感じたのかもしれないが、著者の細やかな観察眼から推測するに決してそれだけではなく、本当に声の質やリズムも音楽的であったのだろうと思う。 果たしてどんな声で話していたのだろうか?
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明治初期に日本の奥地ー東北地方から北海道にかけてを旅した英国夫人の紀行文。 自然に対する詩的な表現はいかにも英国人らしく、興味津々に土着文化のなかにわけいっていくバードの筆致はとても楽しいのだけれど、ここでも映画『サーミの血』を思い出す。 イザベラ・バードと現代人の自分では当然な...
明治初期に日本の奥地ー東北地方から北海道にかけてを旅した英国夫人の紀行文。 自然に対する詩的な表現はいかにも英国人らしく、興味津々に土着文化のなかにわけいっていくバードの筆致はとても楽しいのだけれど、ここでも映画『サーミの血』を思い出す。 イザベラ・バードと現代人の自分では当然ながら受けてきた教育、歴史への反省に差があって、自分に元気がないとその差を時代の違いだと飲み込めないので読み進みめるのになかなか時間がかかった。 しかし彼女は当時の英国上流階級の女性の常識の範囲内で精一杯異俗への理解と愛情を示している。つまり、当時のヨーロッパ知識階級の人びとの思考として捉えてもよいのだろうな。 色々とし手厳しい意見も多いがアイヌのイヨマンテ(熊送り)の儀式についても言及があり、わたしはイヨマンテの記録映像はとても見ていられなかったのだけど、それをバードは熊信仰の儀式としてたんたんと記録している点でも信仰自体については(その信仰を未熟とか言っていても)敬意を払う人であったことがわかる。 とりあえず宮本常一の解説本が次に控えているので未消化のままにしておく。
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やっと、読み終わった。 へえ、などと思ったところは多い。 それを一つ一つあげるのはきりがないので…。 どこでも蚤に悩まされたこと、日本人も、あいぬの人たちも、子どもをいかに愛していたか。 バードがこうしたことを書いていたという話は、本書を読む前から聞いたことがあった。 蚤の話...
やっと、読み終わった。 へえ、などと思ったところは多い。 それを一つ一つあげるのはきりがないので…。 どこでも蚤に悩まされたこと、日本人も、あいぬの人たちも、子どもをいかに愛していたか。 バードがこうしたことを書いていたという話は、本書を読む前から聞いたことがあった。 蚤の話は、本州の山奥も、北海道も同様。 絶滅したわけではないと思うが、現在は普通に暮らしていれば、蚤なんて無縁だ。 進駐軍の撒いたDDTは、そんなに強力だったのか? この本の旅をしたときにバードは、すでに四十代後半。 伊藤というガイドを雇ったとはいえ、たった一人で旅をしたと負うことに驚かされる。 それにしても、いったいどういう人なのだろう。 北海道では、アイヌの村に逗留し、彼らの身長を測り、言葉を採取し、道具を買い上げる。 人類学者? 現代人の感覚だと、普通の旅行者がすることではない。 自然の描写が美しい。 米沢、礼文華のところが特にすばらしい。 それから、やはりアイヌの文化についての記述は面白かった。 義経がアイヌに文字や法を伝えたという言い伝えがあることや、熊への信仰、蛇を忌み恐れることなど。 礼儀正しく、優雅とも書かれ、その一方で未開とも書かれる。 どんな人たちだったのだろうと惹きつけられる。 本当は、伊勢まで行ったところまで記事があったとか。 そのせいか、彼女が東京に戻り、桐ケ谷斎場を訪れたところで、ぷっつり切れた感じで終わっている。 桐ケ谷といえば、学生時代毎日のように通りかかっていただけに、ちょっとした感慨がある。 今や街中になってしまっているあそこが、明治半ばは火葬場があるほど郊外だったんだと、改めて気づく。
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今から150年ほど前に書かれた本。日本を酷評している表現も褒めている表現もあって、本当にナチュラルに自分たちの方が優れているという価値観を持った人の素直な手記。アイヌは欧米人に顔立ちが似ていて、美しい‥とよく書かれているのには苦笑。 当時の日本の田舎の暮らしがしれて面白い。食事...
今から150年ほど前に書かれた本。日本を酷評している表現も褒めている表現もあって、本当にナチュラルに自分たちの方が優れているという価値観を持った人の素直な手記。アイヌは欧米人に顔立ちが似ていて、美しい‥とよく書かれているのには苦笑。 当時の日本の田舎の暮らしがしれて面白い。食事は米ときゅうり、卵、たまに黒豆という質素なものばかり‥馬を借りながら道無き道を進む。蚤がすごく大変そう、油紙の防水なんて全然役立たなさそう‥大雨で橋が抜けた描写あるが、道の整備や治水は向かうこんなもんだったのね。
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明治時代の女性海外僻地ひとり旅!外国の人から見た日本の人や風景が、少し難解でショック。 しかしスゴイパワーだなぁ。
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