ヒトの狂犬病 の商品レビュー
狂犬病とはいかなる病気であるかをヒトの病気としての側面と、動物の病気としての側面の両方から解説した本です。 医療関係者さん及び公衆衛生獣医師さん向け。 症例解説が多く、データ集としての側面が強いです。 本書を読むと、狂犬病の流行は人為によるところが大きいことが良くわかります。 ...
狂犬病とはいかなる病気であるかをヒトの病気としての側面と、動物の病気としての側面の両方から解説した本です。 医療関係者さん及び公衆衛生獣医師さん向け。 症例解説が多く、データ集としての側面が強いです。 本書を読むと、狂犬病の流行は人為によるところが大きいことが良くわかります。 日本での最初の流行は江戸時代に生類哀れみの令により野良犬が増加したことによっておこり、その後、明治時代に長崎etcで外国人によって持ち込まれたことにより再流行。一時、撲滅したかに見えるも、関東大震災で防疫がストップしたことで増加。さらに、第二次大戦中、犬を飼うことは贅沢とされた間は減少するも、戦後、犬を飼う人が増えることで再び増加等々。 逆に考えれば、人為であるならば人によってコントロール可能であるということ。 日本ではすでに過去の病気となりつつある今、狂犬病対策に携わる獣医師の端くれとして、モチベーションが非常に高まる1冊でした。
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