光の帝国 の商品レビュー
前半の物語は良かったのですが、後半から色々分からなくなってきました。登場人物の把握が難しく、世界観に馴染めませんでした。
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常野一族に関する話で、1話1話少し繋がりのある短編集となっている。世界観が独立してあり、最後まで中弛みすることなく楽しく読むことができた。ファンタジーがすきな人に強くお勧めする。
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「大きな引き出し」を読んだ時点でとにかく引き込まれ、これから光紀はどんな風になっていくのだろうと読み進めていったら、全く想定外の方向に進んでいって驚いた。 外側のピースから少しずつ組み立てていくと、だんだんと1枚の大きな絵が現れてくるジグソーパズルのような、そんな物語だった。 ...
「大きな引き出し」を読んだ時点でとにかく引き込まれ、これから光紀はどんな風になっていくのだろうと読み進めていったら、全く想定外の方向に進んでいって驚いた。 外側のピースから少しずつ組み立てていくと、だんだんと1枚の大きな絵が現れてくるジグソーパズルのような、そんな物語だった。 「この本を読み終わった人は、次にこの本を読んでいます!」でシリーズだと知った。 少し怖いけど読んでみたい。 1『光の帝国』 2『蒲公英草紙』 3『エンド・ゲーム』
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特殊能力を持ちひっそりと暮らす常野一族の連作短編集。 日常の近くにファンタジーがあり、引き込まれる世界観…! ふんわりとした優しさや物悲しさも感じる多彩なお話の詰め合わせに読む手が止まらなかった……短編の中でもタイトルになっている「光の帝国」とラストの話が一番好き ◯好きな一...
特殊能力を持ちひっそりと暮らす常野一族の連作短編集。 日常の近くにファンタジーがあり、引き込まれる世界観…! ふんわりとした優しさや物悲しさも感じる多彩なお話の詰め合わせに読む手が止まらなかった……短編の中でもタイトルになっている「光の帝国」とラストの話が一番好き ◯好きな一節◯ 「音楽にすれば全てが美しい。憎しみも軽蔑も嫉妬も、どんなに醜いおぞましい感情でも、それを音楽で、表現すればそれは芸術だから。だから音楽はどんな時でも味方なんだって。武器なんだって。心変わりしない。浮気もしない。いなくなったり死んだりしない。世界一の味方なんだ」
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特に前半は魅力的で興味をかきたてられる話が続いた。 中盤の「光の帝国」から、なんだか都合のよい感じや、無理やりな感じが出てきて、面白みが減ってしまった。 空を飛ぶとか、時間を戻るとか、やりすぎていると私は思ってしまう。 細部のエピソードや登場人物の魅力が、中途半端に混ぜられてしま...
特に前半は魅力的で興味をかきたてられる話が続いた。 中盤の「光の帝国」から、なんだか都合のよい感じや、無理やりな感じが出てきて、面白みが減ってしまった。 空を飛ぶとか、時間を戻るとか、やりすぎていると私は思ってしまう。 細部のエピソードや登場人物の魅力が、中途半端に混ぜられてしまっているような、ちょっと物足りない読後感だった。 2007.8.8 最初の4作品くらいまでは興味深く感情移入して読んだ。個人の話から常野全体へと話が広がるにつれ、なぜか少しずつ感情移入しにくくなってしまった。私にとってリアリティがなくなってきたからだろう。解説的な要素が増えてきたせいかもしれない。総体としてでなく、短編として読んだ方が面白いかもしれない。「大きな引き出し」は泣けた。
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常野(とこの)と呼ばれる、不思議な力を持つ人たちを描いた連作短編集。 収録された十編、それぞれ雰囲気は違いますが、常野の人たちの穏やかさや優しさが物語を通して伝わってきました。 日常的な言葉を用いて、特殊能力を表現するところも面白いですね。 想像力が刺激されます。 シリーズ...
常野(とこの)と呼ばれる、不思議な力を持つ人たちを描いた連作短編集。 収録された十編、それぞれ雰囲気は違いますが、常野の人たちの穏やかさや優しさが物語を通して伝わってきました。 日常的な言葉を用いて、特殊能力を表現するところも面白いですね。 想像力が刺激されます。 シリーズ化されているのも納得の、魅力的な世界観を持った一冊でした。
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恩田陸さんの描く不思議な世界観が好きだ。 曖昧でわかったようなわからなかったような感覚に陥ったりするのだけれど、その不思議な感覚が気に入っている。 さて、常野物語シリーズ。 以前「蒲公英草紙」だけ読んだことがあったのだが、出版された順にシリーズを読んでみた。 連作短編集の「光の...
恩田陸さんの描く不思議な世界観が好きだ。 曖昧でわかったようなわからなかったような感覚に陥ったりするのだけれど、その不思議な感覚が気に入っている。 さて、常野物語シリーズ。 以前「蒲公英草紙」だけ読んだことがあったのだが、出版された順にシリーズを読んでみた。 連作短編集の「光の帝国」は様々な力を持つ常野一族の短編集。 膨大な書物を暗記する力、遠くの出来事を知る力、近い将来を見通す力…様々な力をもった常野一族は普通の人々に埋もれてひっそりと暮らしている。 温かく切なく、そして哀しい、そんな物語。短編の中では「大きな引き出し」が一番好きだった。 常野物語は壮大なファンタジーだと私は思う。 読み返したくなる作品。
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常野一族と呼ばれる人々と、その周囲の物語。 平和なものあり、切ないものもあり。 昨今、登場人物たちがチートな能力をひけらかし、ありえないスキルを持つことを個性と履き違えた作品も多い中、常野の人々はあくまでも粛々と日常を暮らしている。 皆、とんでもない能力を持っているけれど、あれ...
常野一族と呼ばれる人々と、その周囲の物語。 平和なものあり、切ないものもあり。 昨今、登場人物たちがチートな能力をひけらかし、ありえないスキルを持つことを個性と履き違えた作品も多い中、常野の人々はあくまでも粛々と日常を暮らしている。 皆、とんでもない能力を持っているけれど、あれ、もしやこの人たちは実在するのでは?というリアリティがある。 もちろん、完全にファンタジーなんだろうけど、そう思わせるのは作家の力量だなぁと思った。 短編集。 恩田さん本人がおっしゃるように、どの短編も次への期待を持たせてくれる。シリーズで次もあるようなので楽しみに読みたい。
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なんかふわっと空想っぽくて、でもしっかり想像できて、話が進んでいくとともにどんどん世界観に入っていけた。 楽しかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幅広い作風を持つ恩田氏ですが、本作を読んである思いに至りました。 「この人は怪奇系が得意かも」 氏の作品は20作以上読んでいますが、超常系のエッセンスが入っているのは結構ツボります。そして本作もそうでありました。 ・・・ ザックリ言うと、常野という場所・そこを起源とする氏族は特殊能力を持ち、それが発現する話が連篇で綴られるというのが構成です。 とある場合は現代、息を潜ませるように生きている記憶をつかさどる能力に秀でた人たち(「大きな引き出し」)。またある場合は、戦中の東北に難を逃れたこの氏族の出身者が最終的に殺されてしまう悲劇を描く(「光の帝国」)。 このようにして連篇が10篇収録されています。 あるものは独立しているように見えますし、あるものは他の短編と関連があるようにも見えます。このあたりが含みを持たせる書きぶりなどがしてあり面白いところ。 ・・・ さて、この小説の魅力といえば、やはり超能力、ではないでしょうか? んなものねえヨ、って言っちゃうのは簡単なのですが、あればいいなあーと憧れた方も少なくないのではないでしょうか。 私は本作を読んでいて、かつて見た『グリム』というドラマを思い出しました。 我々が何気なく生きている街中にも、超能力を持った人種がひっそり生きているとしてもおかしくないなあ、みたいな。もっともこっち(グリム)は大分粗々しいですが。 ・・・ さて、私も勘づきましたが、字面から類似性に気づき、「つねの」ではなく「じょうの」かなあと。 タイトルが遠野物語に由来していると推測される点については、解説で久美沙織さんも指摘されていました。 で、じゃあ遠野物語って何かっていうと、柳田国男→民俗学、ここまでは日本史で頭の中にありましたが、遠野物語までは読んだことありませんでした。 早速wikipediaで確認してみると、言わば地方の超常現象系民話集!実に面白そう。読みたい! 因みに、折口信夫の民俗学も有名ですが、この前の入院中にトライしてみました(結果、挫折)。 こちらは巫女とか神様の神話が南方(沖縄とか)よりやってきたとか、宗教と習俗とのまじりあいの過程の仮説とか、民話や神話に現れる単語の言語学的ルーツをたどるとかでそれなりに面白かったのです。 が、起きるべき昼には私を眠りに誘い、隣のおじいちゃんが呻いてうるさくて眠れない夜にもまたばっちり眠気を与えてくれる睡眠薬の立ち位置に留まりました(泣)。ということで挫折。余談でした。 ・・・ ということで恩田氏の超常系小説でした。 中学校で「宇宙皇子」、高校でスティーブン・キングにドはまりした私としては超能力・超常現象系は大好物。続編もあるようなので引き続きトラックしてゆきたいと思います。
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