筆箱の中の暗闇 の商品レビュー
那須正幹氏がこんな短編群を書いていたなんて。ズッコケシリーズは子供といっしょに10冊くらい読んだか。30の短編。こどもたちが主人公ではあるのだが、あのハチべえ、ハカセ、モーチャンの天真爛漫さは影を潜めている。ちょっとブラックなのあり、不思議な話あり、けこう世の中を皮肉っている。ズ...
那須正幹氏がこんな短編群を書いていたなんて。ズッコケシリーズは子供といっしょに10冊くらい読んだか。30の短編。こどもたちが主人公ではあるのだが、あのハチべえ、ハカセ、モーチャンの天真爛漫さは影を潜めている。ちょっとブラックなのあり、不思議な話あり、けこう世の中を皮肉っている。ズッコケもユーモアの中にも社会事象がちょっとはいっていたが、那須氏の考えの一端にふれたような一冊。 そこはかとない黒い恐怖が。 「筆箱の中の暗闇」は文字通りその暗闇が怖くなり・・ または「えさ釣り」釣りの得意なぼく。いつものように釣りをしていると突然大波が襲ってきて・・ 「そしてだれもいなくなった」放課後の遊び。みんな親が呼びに来たけど康雄の両親は勤めで帰りが遅くて迎えにはこない。白いモクレンのしたにあるいていったが・・ う~ん、これはブラックすぎる。 またほほえましいものもある。 「健治の幽霊」交通事故で亡くなったクラスメイトがある日机に座っている。初めはびっくりするが、それになじんでいく。「空を歩く人」え、隣のおじいちゃんが空を歩いている。僕のおじいちゃんに聞くと、あれ、昔はみんあそうだったけど、という。「水たまり水泳法」クラスで1人泳げない僕。ある日水たまりをみているとそこに呼びこまれ・・ 社会への批評 「救国の英雄」この世の中の混乱を救うべくタイムマシンで過去の英雄を呼び出してみると・・ 那須正幹:1942.6.6-2021.7.22 2001.1月 第1刷 図書館
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ズッコケシリーズの那須正幹さんによるショートショート。ホラー・SFテイストが多いです。社会問題や人の孤独を捉えていてけっこう怖いです。 筆箱の中の暗闇に引き込まれそうになり学校にいけなくなった男の子『筆箱の中の暗闇』 歩けなくなったおじちゃんは地図で山登りを楽しんでいたが...
ズッコケシリーズの那須正幹さんによるショートショート。ホラー・SFテイストが多いです。社会問題や人の孤独を捉えていてけっこう怖いです。 筆箱の中の暗闇に引き込まれそうになり学校にいけなくなった男の子『筆箱の中の暗闇』 歩けなくなったおじちゃんは地図で山登りを楽しんでいたが『遭難』 守ってもらうことと引き換えに卵や自分たちを引き渡すニワトリは幸福なのか『ニワトリの幸福』 国が戦争の準備をしようとしたら?『シンボルカラー・イン・ジャパン』 教室に留まるクラスメイトの幽霊『賢治の幽霊』 魚に釣られちゃった男の子『えさ釣り』 あいつが足が早いのはテレポテーションできるからだっていう。『ライバル』 雨の後の水たまりで泳ぎを練習したんだ。『水たまり水泳法』 馬の糞を踏むと足が早くなるんだって。『究極のスポーツシューズ』 犬はやっと念願の人間に慣れたのに、人間って。『人は何になるべきか』 言葉を大事にしなくなったから、言霊が怒って。『口が殺す』 授業中に寝たら教科書の中に入っちゃった『うたた寝の場所』 巨木の上にいる精霊のような子供たち『柿の木の子供』 子供の気持ちがわかる先生は、だから辞めさせられて。『さようなら』
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