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竜馬がゆく 新装版(七) の商品レビュー

4.4

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    66

  2. 4つ

    50

  3. 3つ

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2011/07/28
  • ネタバレ

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慶応二年六月の勝海舟軍艦奉行復帰から、慶応三年六月、坂本竜馬上京までを描く。 その間、坂本竜馬は金策で苦労をし、また海援隊でかりたいろは丸が、紀州藩船と衝突し沈没するなどの不運に見舞われる。 京では、四賢候会議がひらかれるが、討幕に踏み切ることのできない土佐藩容堂は帰国する。 そんな中、竜馬は土佐藩参政後藤象二郎に大政奉還を提案する。 坂本竜馬の思想の基盤となったのは、民主政体ということであり、彼をその考えに導いたのは、法律書であった。 坂本竜馬はもちろん偉大だが、大政奉還という革命の裏には、法の力ということがあったのだなと知らされた。

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2011/06/05

司馬遼太郎の代表作としていつか読もうと思っていた作品。 母の坂本竜馬好きから、幼いころより坂本竜馬の逸話をよく聞かされていた。自分自身『おーい、竜馬』を読んだり、他の作品にでてくる坂本竜馬を通して何をした人でどんな人なのかある程度は把握しているつもりだったが、この作品を読んでみて...

司馬遼太郎の代表作としていつか読もうと思っていた作品。 母の坂本竜馬好きから、幼いころより坂本竜馬の逸話をよく聞かされていた。自分自身『おーい、竜馬』を読んだり、他の作品にでてくる坂本竜馬を通して何をした人でどんな人なのかある程度は把握しているつもりだったが、この作品を読んでみてそれを遥かに超える人だと思った。感動のあまり、高知へ旅行し、竜馬記念館も見てきた。 無論、司馬史観による坂本竜馬像ではあるが、それでも日本史上にこのような偉大な人物がいたのかと驚きとともに自分が日本人であることに誇りを感じることができた。まず、考え方というか、その思想が稀有であり、それはこの時代に生まれた人では決して行きつくことのない考え方のように思えた。決して革命家ではなく、かといって思想家でもない。その思想を行動で体現しようと短い人生(特に晩年)の活動の密度の濃さは驚愕する。一体、脱藩前、土佐での空白の1年間にどんなことを考えたのか知りたい。 竜馬が生涯に発言したとされる言葉に 「おれは落胆するよりも次の策を考えるほうの人間だ」 「男なら死ぬときは、例え溝の中でも前のめりに死にたい」 「自分こそが今の時代に必要なんだ、そう信じなさい。すべてはそこから始まるんだ、すべてはそこからなんだ。」 があると言われているが、本当にこの通り生きた人だと思う。 何度読んでも勇気づけられる。

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2013/10/29

おすすめ度:90点 薩長同盟に土佐も加えてしまう。 しかもそれは、郷士の象徴であり、武市半平太の勤王党をつぶした張本人の後藤象二郎と組むという、極めて柔軟な発想によるものであった。 さらに、土佐の軍事力を背景にし幕府自身に大政奉還させるという荒唐無稽な考えをひねり出してしまう。...

おすすめ度:90点 薩長同盟に土佐も加えてしまう。 しかもそれは、郷士の象徴であり、武市半平太の勤王党をつぶした張本人の後藤象二郎と組むという、極めて柔軟な発想によるものであった。 さらに、土佐の軍事力を背景にし幕府自身に大政奉還させるという荒唐無稽な考えをひねり出してしまう。 長州の雄、高杉晋作が結核でこの世を去る。その辞世の句が素晴らしい。 「面白き こともなき世を おもしろく」

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2011/05/01
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「おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり」 高杉晋作が上の句を詠み、晋作を看病した野村望東尼が下の句を詠んだとされる有名な句。 こんな時代だからこそ、この精神を持っていたい。

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2011/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下関での長州軍の傭兵として戦って勝利を収めた海援隊であったが、船を替えした後は仕事がなく悶々とした日々を送る。そんなときに徳川家茂が死に、少しずつ歴史が動きだすように、後藤象ニ郎や大浦慶とであう。彼等から資金を募り、いろは丸を手に入れ、いよいよ日本最初の株式会社であり、海運会社である、海援隊が発足。いよいよというところで、紀州藩の船と衝突し沈没。しかし、万国広報から協議に勝ち賠償金を手に入れる。こんなか、京都では中岡慎太郎・薩摩・長州により、幕府相手に戦争へと突き進む。それを阻止したい土佐藩は、龍馬の力を借りて、なんとか幕府に大政奉還を実現しようと京都に旅立つ。  ピンチがたびたびおとづれるが、すぐに手を差し伸べる(ここでは大浦慶だろう)人が現れる。これが、坂本龍馬の魅力であり、才能だろう。手をさしのべられ、それを利用するタイミングや機会があることが非常に重要だと思う。

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2011/03/29

2010/02/22読了 「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」って有名ですね。 竜馬が大きく台頭し、激動の歴史を一気に作り上げる巻です。 海援隊、いろは丸事件、船中八策などなど 本当にこの人がいなかったら今の世の中はどうなっていたのだろうかと考えてしまうね。 お竜さん...

2010/02/22読了 「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」って有名ですね。 竜馬が大きく台頭し、激動の歴史を一気に作り上げる巻です。 海援隊、いろは丸事件、船中八策などなど 本当にこの人がいなかったら今の世の中はどうなっていたのだろうかと考えてしまうね。 お竜さんとの絡みがあんまりなかったなあ。 人としては立派だけど、伴侶としたらかなり寂しい人ですよね

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2011/06/04

昨晩、第六巻を読了したばかりだというのに、もう第七巻を読了してしまった。勝海舟の宮島訪問、九州諸藩連合構想、溝渕広之丞との再会、清風亭での後藤象二郎との面談、大浦慶の誘惑、亀山社中から海援隊への改組、いろは丸沈没、中岡慎太郎の岩倉具視訪問、四賢候会議、船中八策…と、短期間に様々な...

昨晩、第六巻を読了したばかりだというのに、もう第七巻を読了してしまった。勝海舟の宮島訪問、九州諸藩連合構想、溝渕広之丞との再会、清風亭での後藤象二郎との面談、大浦慶の誘惑、亀山社中から海援隊への改組、いろは丸沈没、中岡慎太郎の岩倉具視訪問、四賢候会議、船中八策…と、短期間に様々なドラマが凝縮して詰まっており、あまりに面白くてスピードが上がってきたのだ。二、三巻の頃は「まだまだ先が長いな…」とダレ気味だったのに、気付いたら残すところあと1巻。いつの間にか大河ドラマも追い越していた。少々、両者の流れや詳細が異なるのはお互い御愛嬌といった感じか。 さて、本巻でも印象的なシーンを引用したい。 ・「土佐にもあんなやつがいるとは思わなんだな。偉いやつさ。あいつにとってはこの坂本龍馬はおじの仇の片割れといっていい。しかしあの男は、あれだけの長い酒の座で、ひとことも過去を語らなんだ。ただ将来のみを語った。これは人物でなければできない境地だ。」 →長崎にて龍馬が後藤象二郎との面談後に評した言葉。この二人は因縁浅からぬ仲であり、少し前であれば手を組むどころか面談することもあり得なかった関係である。史実によると、二人はこの長崎の面談が初対面であるのだが、大河ドラマ「龍馬伝」では、より視聴者の感情を煽るために二人が若い時から面識があったとし、吉田東洋に見こまれた龍馬を象二郎が嫉妬したり、武市半平太を救助に土佐へ帰った龍馬が象二郎を挑発したりと、随分伏線を張っている。そうした方が、いざ手を結んだ時の価値が上がるからであろう。 ともあれ、象二郎は龍馬が認める人物となった。いくら因縁があろうと過去に執着せず、あくまで将来・未来を語るという点が男らしい。龍馬と共に前のめりな男である。 ・なお岩崎弥太郎は感心している。「長崎のあくびは、土佐と違って長い」岩崎の魂胆は明瞭であった。老与力がいったつぶやきが正式発言でなかったにせよ、この諧謔で徹底的にこの席の者に印象付けようとした。印象を濃くしてしまえば、それは記録に等しくなるであろう。 →いろは丸の紀伊藩との海難審判を前に、奉行所役人が「こりゃ、非は紀州にあります」とつぶやいたあと、慌てて「いまのはあくびだ」と取り消した際に、土佐藩代表の岩崎がとった機転である。相手の失言を逃さず、場全体に印象付けてしまうというこのやり方は姑息ではあるが有効である。実は私もこの手はよく仕事で使う。上司や相手の、自分にとって都合の良いちょっとした言葉を自分も繰り返し口にすることによって既成の事実としてしまうのである。我ながら実に姑息。それがあの岩崎も同じような手を使っていたと知り、思わずにんまりしてしまった。

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2011/02/25

2011年20冊目。 無血倒幕革命である大政奉還を含む船中八策を考案した竜馬。 いよいよ次でラスト・・・

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2011/02/07

四賢侯会議に船中八策。 中岡慎太郎と坂本龍馬が時代を動かす。 次はいよいよ最終章へ。 この時点ですでにデモクラシー思想を抱いていた龍馬、そのすごさが初めて分かった。 これはただのフィクションではなく事実。 龍馬と同じ「日本人」として、知らなければならない歴史だと思う。

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2011/01/31
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やっぱり司馬さんの言葉づかいはのぼうの城を読んだ後、すごいものだなと改めて感じてきた。なんか深みを感じる。一言一言に人生訓のようなものがちりばめられている。 第二次幕長戦争が慶喜の一言と勝の名交渉で幕を閉じた後、幕長戦争に無償で参加した亀山社中は窮乏化。その後、宇和島藩から船を借りることに成功するが、沈没。池の没死。宿命の後藤と清風亭での会談。いろは丸事件。四賢候会談(容堂公のせいで失敗)。船中八策。

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