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村上春樹、河合隼雄に会いにいく の商品レビュー

3.8

204件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

    57

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/04/13

村上春樹さんと河合隼雄さんという分野の違う二人の対談。お互いが違った面から現代日本やそこに住む我々現代人の病といったものにアプローチしているのに、考えていることには幾つもの共通点があるように思う。二人の人間性の一面を覗けるというだけでも大いに満足できる一冊。

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2012/04/06

優れた文学者というものは、往々にして優れた思想家である可能性が高い、というのはなんとなく世の中の常識として認めてもいいと思いますが、村上春樹は思想家と言っても過言ではないほど物事を深く洞察しているということが、この本を読むことで改めて確認できる。個としての自分だけではなく、社会の...

優れた文学者というものは、往々にして優れた思想家である可能性が高い、というのはなんとなく世の中の常識として認めてもいいと思いますが、村上春樹は思想家と言っても過言ではないほど物事を深く洞察しているということが、この本を読むことで改めて確認できる。個としての自分だけではなく、社会のことを念頭に置いて考えられているけれども、わたしはまだそんな広い次元で考えられることはなく、良い意味でも悪い意味でも『わたしとあなた』の世界に生きている。いずれはわたしももっと大きい集合体や日本社会、に対するコミットメントもしくはデタッチメントを考えなければならないけれど(そしてその時期はもうすぐそこ)、今はとりあえず吸収の時期だと信じて生きる。 それにしても村上春樹はわたしにとっては生きる上での指針のような人で、読めば読むほどその気持ちは増す。また、河合隼雄の柔軟性と大らかさ、文章からも滲み出るその思慮深さはほんとうに羨ましいの一言。どうやったらこんなひとになれるのだろう。自分が少し悲しいけれども、わたしももっとひととの対話を大切にして引き続き考えていこうとおもう。

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2012/04/02

村上春樹の小説論が垣間見える。小説という媒体の強さというか、力のありようを語るヵ所は村上春樹の小説愛が窺える。小説と心理療法との共通点という見方もおもしろい。

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2012/04/01

内田樹のレヴィナスと愛の現象学と一緒にたまたま読んでいたんだけれどいきなりこの本の引用が出てきて驚いた。さすが河合隼雄だけあってシンクロニシティを巻き起こす。偶然待ちだから治療は大変だ。とか、非常に深い言葉が語られるのだが、たぶんこの現場感ってのは対話という形式でしか出せないので...

内田樹のレヴィナスと愛の現象学と一緒にたまたま読んでいたんだけれどいきなりこの本の引用が出てきて驚いた。さすが河合隼雄だけあってシンクロニシティを巻き起こす。偶然待ちだから治療は大変だ。とか、非常に深い言葉が語られるのだが、たぶんこの現場感ってのは対話という形式でしか出せないのではないのかなとちょっと思った。物語を書く人は夢をみない。特にねじまき鳥みたいなのを書く場合には読まないだろう。と断言されるとそういうきがしてくる。ねじまき鳥クロニクルの解題がちょこっと行われたりする。夫婦というのは大変なものです。なぜなら、お互いの欠点を指摘しあう、井戸を掘ることが夫婦だからなのです。という文章を15年目の結婚記念日に読んだ。

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2012/03/26

読んだのは三度目ですが、 今度も付箋がいっぱいたちました。 何度読んでも発見がある。 それだけ、普遍的なテーマを 語っておられるということだと思います。 あと、IQ84の読後に残った「冷酷さ」「残酷さ」… 何故だろう? 何故ああいう物語になったんだろう? (「ねじまき鳥クロニク...

読んだのは三度目ですが、 今度も付箋がいっぱいたちました。 何度読んでも発見がある。 それだけ、普遍的なテーマを 語っておられるということだと思います。 あと、IQ84の読後に残った「冷酷さ」「残酷さ」… 何故だろう? 何故ああいう物語になったんだろう? (「ねじまき鳥クロニクル」のノモンハンのくだりの  残虐性のほうはすんなり入ってきたというのに…) という疑問があったのですが、 その「答え」がこの本に書いてありました。 納得できて、ホッとしました。

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2012/03/05

とても頭の良いお二人の対談は、英語を読んでるようで、ボンヤリとしか理解出来てないようだけど、普段使わない脳の場所を使った感じがして、それはそれで興味深い内容でした。

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2012/02/22

一番興味深かったのは箱庭療法と日本人についての話。 抽象的な話が大部分。 しかしそれも河合先生の手法、というか意図するところだったんだろうなーと。 はっきりした道筋とか解決法を教えるんではなく相手から物語を引き出すことの難しさ。

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2012/02/04

気が付いたら読み終わってた。そんな印象の本。 感想というかレビューというか、そういうものがなんだか書きづらい。 春樹さんの本はいつもそう。読後感をものすごく言葉にしづらい。 僕だけ? 気に入った文章をひとつずつ。 河合さん 「しかし、作品というのは、その人をどこかで超えてい...

気が付いたら読み終わってた。そんな印象の本。 感想というかレビューというか、そういうものがなんだか書きづらい。 春樹さんの本はいつもそう。読後感をものすごく言葉にしづらい。 僕だけ? 気に入った文章をひとつずつ。 河合さん 「しかし、作品というのは、その人をどこかで超えていないとおもしろくないはずですよね。」 春樹さん 「でも僕は小説の本当の意味とメリットは、むしろその対応性の遅さと、情報量の少なさと、手工業的しんどさ(あるいはつたない個人的営為)にあると思うのです。それを保っている限り、小説は力を失わないのではあるまいか。」

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2012/02/03

村上春樹の対談が読みたくて購入。 したが、やや抽象的な話に終始した印象。 『ねじまき鳥クロニクル』をキーにして、小説のこと、暴力性のことなど、興味深い話題が提出されてはいるのだが…。

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2012/01/14

ねじまき鳥やアンダーグラウンドを中心に、オウム事件、阪神大震災、戦争などについての対談。 もし、喫茶店かどこかで隣りのテーブルにこの二人がいて この対談をしているのを横で聞いていたら、店を出られなくなるだろうなぁ~と思うほど深い会話。 けれど、とてもわかりやすいのは二人の人柄なの...

ねじまき鳥やアンダーグラウンドを中心に、オウム事件、阪神大震災、戦争などについての対談。 もし、喫茶店かどこかで隣りのテーブルにこの二人がいて この対談をしているのを横で聞いていたら、店を出られなくなるだろうなぁ~と思うほど深い会話。 けれど、とてもわかりやすいのは二人の人柄なのかな。 河合氏の箱庭療法に対する想いも伝わってくるし、春樹の小説を 読む上で、すごく参考になった。

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