消えた少年 の商品レビュー
初東直己。ススキノ探偵シリーズも初めて読んだ。「俺」やキャラクターのボケた主人公目線の掛け合いが面白く、そこだけ少し森見登美彦を感じた。中学生の陰惨な殺され方、犯人たちの歪な行為とか絶対に映画化出来なさそうだなと思っていたら、この第3作目を飛ばして第4作目の『探偵はひとりぼっち』...
初東直己。ススキノ探偵シリーズも初めて読んだ。「俺」やキャラクターのボケた主人公目線の掛け合いが面白く、そこだけ少し森見登美彦を感じた。中学生の陰惨な殺され方、犯人たちの歪な行為とか絶対に映画化出来なさそうだなと思っていたら、この第3作目を飛ばして第4作目の『探偵はひとりぼっち』が映画化されていたことを知って少し面白かった。トリック!ミステリ!綺麗な伏線回収!という風ではないし、いくつかの要素と謎がなんとなく繋がっていてなるほどこの人怪しいよね、って感じのテイストなんだけど、面白かった。ハッピーエンド風になっているけど、友達惨殺された翔一少年のメンタルが置いてけぼりだった…あと「俺」が「俺は小学生以来、ずっと成績優秀だった」とか言い出して、探偵は頭いいのか…って驚いた。 90年代の小説だから仕方ないけど、女性キャラクターの容姿についての描写がくどくて、やっぱり自分はファム・ファタール的な登場人物(の描き方)って好きじゃないなと。探偵といい感じになりそうな雰囲気も古いなと思った。でもマイノリティが受ける差別や偏見についても切り込んでいてその点は良かった
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札幌ススキノ「俺」シリーズの第3弾。 なんだかヤクザな世界って体が丈夫でないと大変なんだな。肉弾戦も多いし…。 教師と警察とヤクザが非常に良く合うジャンルのお話でした。 しかし、ダメな人間が親になっちゃうと子に連鎖するから社会全体としては本当に良くない。子供も可哀そう。 やっ...
札幌ススキノ「俺」シリーズの第3弾。 なんだかヤクザな世界って体が丈夫でないと大変なんだな。肉弾戦も多いし…。 教師と警察とヤクザが非常に良く合うジャンルのお話でした。 しかし、ダメな人間が親になっちゃうと子に連鎖するから社会全体としては本当に良くない。子供も可哀そう。 やっとこのシリーズの文体にも慣れて、この本は楽しく読み通すことができました。 純粋な旅行者としてはススキノに近づきたくなくなるけどね(笑)
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ススキノ探偵シリーズその4。 これまた面白かった。少年を助けようとする登場人物たちの熱意と必死さに、読んでいて胸が熱くなる。 ややおどろおどろしいところもあるので、好き嫌いはあるかも。
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シリーズ3作目。 教師って変態が多いのかな(笑) 春子さんかわいい。 個人的にはこのシリーズはどんどん読みやすくなっている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズの長編3作目。 「言葉のレベルを設定したのはあんただよ」とか、近年SNS等で有名人にチンケなクリシェで悪絡みする連中に対してなんかも使えそうで、今の世の中に投げかけても違和感のない言葉が多く見られる。先見の明がすさまじくないか。 裏表紙のあらすじに「変質者による犯行か」とあり、前作まではその類の人間は結局犯人ではなかったからそろそろこの線で来るかもなと思ったら想像を超える狂った世界がそこにあり、これは映画化の際に本作がスルーされるのも当然だろうと思った。 作中で同性を含めた複数人から美人という評価を受けている晴子は実写化するなら誰だろうか。 少し前ならちょっとキャピキャピした感じを出せる人というところで黒谷友香のイメージなんだけど、今なら山本美月とか中村アンあたり?
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2020年8月8日読了。 探偵シリーズ。 手稲の高校生が惨殺される。 一緒にいた学生が行方不明になり、担任の教師から探偵に捜索の依頼があった。 シリーズ何作目かわからないが、可もなく不可もない出来。 小説としては面白いのだが、文中の描写が気持ち悪すぎる。 暇つぶしにどうぞ的...
2020年8月8日読了。 探偵シリーズ。 手稲の高校生が惨殺される。 一緒にいた学生が行方不明になり、担任の教師から探偵に捜索の依頼があった。 シリーズ何作目かわからないが、可もなく不可もない出来。 小説としては面白いのだが、文中の描写が気持ち悪すぎる。 暇つぶしにどうぞ的な小説です。
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探偵だって恋をする。 これまでとテイストが違って、事件の質も背景も陰惨なものがあるのでちょっと戸惑いがあるかも。それでもシリーズの本質は変わらず、”俺”が周囲を巻き込みながら頑張っているので楽しめる。今回は桐原の意外な一面もあり、そうした脇役の味付けも本シリーズの魅力の一つ。春...
探偵だって恋をする。 これまでとテイストが違って、事件の質も背景も陰惨なものがあるのでちょっと戸惑いがあるかも。それでもシリーズの本質は変わらず、”俺”が周囲を巻き込みながら頑張っているので楽しめる。今回は桐原の意外な一面もあり、そうした脇役の味付けも本シリーズの魅力の一つ。春子の今後の活躍に期待。
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元上司が貸してくれた。 小説なので、一息に読めたが、 内容的に読後感が悪かった。 確かに主人公のキャラクターなどは面白いので、 第一作から読むと印象が変わるのかもしれないが、 話の内容は好みではなかった。 [more] 内容(「BOOK」データベースより) 学校では問題児扱...
元上司が貸してくれた。 小説なので、一息に読めたが、 内容的に読後感が悪かった。 確かに主人公のキャラクターなどは面白いので、 第一作から読むと印象が変わるのかもしれないが、 話の内容は好みではなかった。 [more] 内容(「BOOK」データベースより) 学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。ところが、翔一の親友が惨殺死体で発見され、一緒にいたはずの彼も行方不明となってしまった。変質者による誘拐か?暴力団がらみなのか?それとも、学校をも巻きこんだ障害者施設反対運動に関係があるのか?担任の教師、春子に翔一の捜索を依頼された(俺)は、彼の姿を探してススキノを疾走する!新感覚ハードボイルド長篇第三作。
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しばらく疎遠だった「探偵はバーにいる」シリーズを再開。この第4弾、いまのところ最高傑作!先週末、ハイボール片手に一気読み。あまりのスピードで読んだため(あと酔ってたため)、今一度ざっと反芻して現在に至ります。探偵モノというよりホラーに近い。「俺」の沸点の低さとアクションシーンの疾...
しばらく疎遠だった「探偵はバーにいる」シリーズを再開。この第4弾、いまのところ最高傑作!先週末、ハイボール片手に一気読み。あまりのスピードで読んだため(あと酔ってたため)、今一度ざっと反芻して現在に至ります。探偵モノというよりホラーに近い。「俺」の沸点の低さとアクションシーンの疾走感に大喜びするとともに、ヤクザ桐原、刑事種谷、教師春子と、脇役の存在感の凄さに感心。これは早く次作が読みたいぞ!家に置いてあったかなあ。。。
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ススキノの<探偵>シリーズの魅力は、もう語るところがないほど語りつくされている。 <探偵>と言ってはいるが、私立探偵でもなんでもない。 うさんくさいモメごとやトラブルを、依頼があれば片付ける便利屋のようなものだ(その中には麻の葉っぱを売る商売なんてものも入っている)。 自堕...
ススキノの<探偵>シリーズの魅力は、もう語るところがないほど語りつくされている。 <探偵>と言ってはいるが、私立探偵でもなんでもない。 うさんくさいモメごとやトラブルを、依頼があれば片付ける便利屋のようなものだ(その中には麻の葉っぱを売る商売なんてものも入っている)。 自堕落ではあるが、いざ事件に顔を突っ込むと、俄然、頭の回転が速くなる。 そして、強さもハンパない。 盟友の高田とともに、チンピラだろうが、ヤクザだろうが相手にして、大立ち回りを繰り広げる。 この作品では、最後の最後の暗闘で、かなりボコボコにされてしまったのだが。 この作家さんの作品(探偵、畝原シリーズでもそうだが)では、得体のしれない人間や、さまざまな欲が顔に張り付いているような輩がよく登場する。 その所業は何とも気持ち悪く、不気味だ。 だからこそ、スリリングな展開がより引き立つのだろう。 この男、自堕落ではあるが、それなりに生きることの矜持を持つ。 例えば、ボコボコにされながらも、「ここで諦めたら、俺は、世界中の全ての人間に、顔向けができない男になる。他人がどう思おうと関係ないが、俺は俺なりにきちんと生きてきた。ここで諦めたら、俺はもう、死ぬまできちんと生きられない」と、立ち上がっていく。 これがこの男の魅力のひとつになっている。 そして、もう一つの魅力が、猥雑で剣呑なススキノの裏社会だ。 東京ならば、新宿が思い浮かぶが、ススキノは独特の匂いがする。 ススキノの<探偵>には名前がない。 <俺>の一人称で物語は展開していく。 このシリーズを読むといつも、ビル・プロンジーニの「名無しの探偵」シリーズを思い出す。 アレも大好きだなぁ。 もう一度、読んでみようか。
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