哲学の東北 の商品レビュー
宮沢賢治や農業の踊り、山形の修験道を通じて、東北の哲学を学ぶという切り口がとても鮮やか。 読み進むにつれ、グローバル化で貨幣が飛び交い、無時間化し、ヒトの存在が透明になっていく社会への警鐘が聞こえてくる。
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タイトルと表紙が素晴らしいので読んでみた。 宮沢賢治の話が多くて、個人的には思ってたのと違う内容だった。
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新しい?宮沢賢治本。従来の賢治解説は、心象風景だの幻想なんちゃらだの、挙句の果てには国粋主義的なことを言われていたが、そんなのよりも本当に近い読み解きをする存在がようやく出てきたことよ。 賢治からさらに食い込んで「東北」についての読み解きに至る。賢治は「東北」の表出する一角に過ぎ...
新しい?宮沢賢治本。従来の賢治解説は、心象風景だの幻想なんちゃらだの、挙句の果てには国粋主義的なことを言われていたが、そんなのよりも本当に近い読み解きをする存在がようやく出てきたことよ。 賢治からさらに食い込んで「東北」についての読み解きに至る。賢治は「東北」の表出する一角に過ぎず、その根っこには「東北」の深くておそろしいくらい始原的な力が潜んでいる。そんなことを、仏教と山岳信仰と商業、農業、科学、工業など、あらゆる面のきらめきを切り取って並べている。それこそが、賢治文学の「散乱反射」。
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『國文学』や『ユリイカ』で掲載された宮澤賢治についての興味深い対談や「踊るみちのく」という捉え方で、東北の特徴を暴き出しています。
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中沢新一の『哲学の東北』を読んだ時衝撃を受けた。この本の大部分は、宮沢賢治と南方熊楠に関するものなのだが、この本では、宮沢賢治の作品はエロティックなものだと指摘されているのだ。僕は、宮沢賢治の作品を清く聖なるものだと思っていたから、にわかにはこの指摘は信じられないものだった。 ...
中沢新一の『哲学の東北』を読んだ時衝撃を受けた。この本の大部分は、宮沢賢治と南方熊楠に関するものなのだが、この本では、宮沢賢治の作品はエロティックなものだと指摘されているのだ。僕は、宮沢賢治の作品を清く聖なるものだと思っていたから、にわかにはこの指摘は信じられないものだった。 しかし中沢新一は、宮沢賢治が嫌いでそんな事を書いているわけではなく、むしろその文章からは宮沢賢治の作品への愛を感じる。 中沢新一によると、「ほんたうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん焼いてもかまはない」という究極の贈与の思想は、究極のエロスなのである。なぜなら自分の全てをささげると言っているのですから。 僕はこの本を読んで、『銀河鉄道の夜』に僕が感じていた畏怖のような間隔は、このエロスから来るものだったのではないかと漠然と思うようになりました。そしてそう思うようになってからさらに宮沢賢治の作品が好きになりました。
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