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緋色の記憶 の商品レビュー

3.6

47件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2016/01/16

晩年にさしかかる老人が一つの事件を回想する。「チャタム校事件」。ある若い女性教師が赴任してきたことによって、田舎の高校にじわじわと不穏な空気が流れてきた…。今から90年以上のアメリカの田舎町を舞台とした出来事。それをこれでもかこれでもかとちょっとずつ記していく。初めはまどろっこし...

晩年にさしかかる老人が一つの事件を回想する。「チャタム校事件」。ある若い女性教師が赴任してきたことによって、田舎の高校にじわじわと不穏な空気が流れてきた…。今から90年以上のアメリカの田舎町を舞台とした出来事。それをこれでもかこれでもかとちょっとずつ記していく。初めはまどろっこしく感じられたけど、丁寧な描写でじっくり読めた。この作家好きだ。

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2015/09/13

思ったより古い小説だった。「夜の記憶」と同じく、主人公が何十年も前の出来事・事件を回想し、現在になって真実を明かすという構成。 1990年代に出版(翻訳)された小説なので、翻訳もやや古く、格式高いスタイル。文章は繊細でエレガントで叙述的なので、ミステリーという感じがしない。 何が...

思ったより古い小説だった。「夜の記憶」と同じく、主人公が何十年も前の出来事・事件を回想し、現在になって真実を明かすという構成。 1990年代に出版(翻訳)された小説なので、翻訳もやや古く、格式高いスタイル。文章は繊細でエレガントで叙述的なので、ミステリーという感じがしない。 何が起こったのかがなかなか明かされないので、途中まで読むと「もったいぶらずに教えてよ~!」という気持ちになる。 個人的には、こんなことでこうなるかな?という印象だった。まぁ過激なミステリーを読みすぎているのかもしれない。

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2015/04/16

図書館で。名前だけは聞いたことのある作家さんですが多分読んだのは初めてかな。なんていうのかまどろっこしいなあなんて思いながら読みました。 それにしても不倫でえらい大騒ぎしてるからどんだけ昔に描かれた作品なんだろうと思ったら日本での出版は1997年。うん、そんなに古くない。とは言...

図書館で。名前だけは聞いたことのある作家さんですが多分読んだのは初めてかな。なんていうのかまどろっこしいなあなんて思いながら読みました。 それにしても不倫でえらい大騒ぎしてるからどんだけ昔に描かれた作品なんだろうと思ったら日本での出版は1997年。うん、そんなに古くない。とは言え作中人物は60過ぎとか書いてあったしその人の幼少時だから今と価値観が違うのはわかりますが女先生、別に悪くないよねえ?どちらかと言えば暴走した彼氏がおかしい。でも主人公のお母さんの台詞はよくわかる。妻子持ちのオトコを捕まえて何がロマンスだって気持ちはよくわかる。が、それはどちらかと言えば男にも言うべき台詞だと思う。なぜか女性は女性を憎むんだな、その元凶となった男ではなく…。 という訳で長々とあれは悲劇だったともったいぶってチマチマと出される情報に少し飽きてきた頃にががん、と状況が動きました。

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2013/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

残念ながら詰まらない。としか言いようがない。文学的にどうであったとしても、興味を持てない題材は興味を持てない。前世紀アメリカの片田舎の不倫にかかわる愛憎劇に対して、どうして愉しむことなんかできようか。 描写がいくら緻密であっても、アメリカンなイメージなんてちっとも浮かんでこないし、どよどよと漂っているような世界観は読んでいて憂鬱になってくる。途中でどれだけ投げ捨てようかと思ったことか。 ラストに凄いどんでん返しが待っている。無理やり思い込ませて読み進めて見ても、今一報われないような陰鬱なエピローグが待っているだけ。いくら文章が素晴らしくても、読めないものは読めない。そう感じてしまった。

Posted byブクログ

2013/11/07

校長と息子のヘンリーは、アフリカから赴任してきた美しくなぞめくの美術教師チャニングを出迎える。ヘンリーは、父の使いでたびたびチャニングが住む黒池湖畔のコテージを訪問していたが、次第に彼女とその父の数奇で自由な生き方に惹かれてゆく。悲劇は恋に始まり、幼いヘンリーの無知と誤解が引き金...

校長と息子のヘンリーは、アフリカから赴任してきた美しくなぞめくの美術教師チャニングを出迎える。ヘンリーは、父の使いでたびたびチャニングが住む黒池湖畔のコテージを訪問していたが、次第に彼女とその父の数奇で自由な生き方に惹かれてゆく。悲劇は恋に始まり、幼いヘンリーの無知と誤解が引き金となって多くの人を不幸に巻き込んでしまう。悲劇の真相は徐々に明らかになるが、人間の避けられない愚かな誤解と、退屈に思えていた人の持つ優しさと、自由に生きる人の潔さ、人間の持つ罪深さが織物のように絡んでいて、文学的香りが高いミステリー。

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2013/10/05

初めてクックに触れたのがこの本。 全体的にしっとり感があって でも読み進まずにはいられない素晴らしいプロット。 皆さん、ミステリよりむしろ文学と評してますが まさにその通りだと思う。 ラストは重く深い。悲しい。 ほんのささいなことが 他人の、自分の人生をどれほど狂わせてしまう...

初めてクックに触れたのがこの本。 全体的にしっとり感があって でも読み進まずにはいられない素晴らしいプロット。 皆さん、ミステリよりむしろ文学と評してますが まさにその通りだと思う。 ラストは重く深い。悲しい。 ほんのささいなことが 他人の、自分の人生をどれほど狂わせてしまうのか。 人の業について、これほどまでに 考えさせられた作品はありません。 とにかく万人に読んでほしい作品ですね。

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2013/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

非常に思わせぶりな文体に少々うんざりした。 後で起こるストーリー展開を小出しに前の方でするので鼻についた。しかし、外国の作家ってなんでこんなにたくさん書くのかねえ。奔放な考え方をする若いきれいな女性の新任教師が痴情のもつれから殺人事件に巻き込まれ姦通罪で服役中に病死した。主人公の僕は、その教師と親交があり、勘違いから、人を殺してしまうが、一生人に言わず、自責の念を抱えたままで年を取っていく・・・

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2015/01/14

一人の新任女性教師が村にやってきたことから起こった悲劇。老弁護士の回想から徐々に事件の全容に迫っていくミステリー小説。 事件が起こってその事件の真相を明かしていく、という趣向のミステリーではなく、事件が起こる数か月前の女性教師と主人公の出会い、日常を事件が起こる日までゆっくりと...

一人の新任女性教師が村にやってきたことから起こった悲劇。老弁護士の回想から徐々に事件の全容に迫っていくミステリー小説。 事件が起こってその事件の真相を明かしていく、という趣向のミステリーではなく、事件が起こる数か月前の女性教師と主人公の出会い、日常を事件が起こる日までゆっくりと辿り、そして時折事件が起こった後の裁判シーンのカットバックや、過去を振り返る主人公の暗示的な言葉を挟み読者に悲劇を予感させつつも、どんな事件が起こったかは終盤まで読まないと分からないようになっています。 他の方のレビューでもありましたがまさにアガサ・クリスティーの『ゼロ時間へ』のような小説。事件が起こったところから始めるのではなく、事件が起こる前の人間ドラマに比重を当てています。 なので、どんでん返し系のミステリーではないですが、丁寧に語られた事件までの人間ドラマが心に楔を打ち込むように刻み込まれます。郷愁や後悔をにじませる老弁護士の語りは文学的な雰囲気も漂っていて非常に美しい。訳もその辺の雰囲気をくみ取ったいい訳であるように思います。 真相も一ひねりしてあってなるほど、という感じ。前振りが長いといえば長いですが、落ち着いた作風が好み、という方には暗く陰鬱な雰囲気の漂う大人なこの作風は、前振りの人間ドラマから真相まできっと気に入るんじゃないかと思います。 アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞 1999年版このミステリーがすごい!海外部門2位 このミステリーがすごい!ベストオブベスト海外部門8位

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2012/10/07

ふとした事がきっかけで、昔起きた事件を思い出す老弁護士ヘンリー。 その事件を引き起こしたのが新任の女教師であろうことはわかるが、それ以外はわからないまま回想が続くので不安に思いながら読んだ。 真相は驚愕させられるほどではないけれど愕然とした。 誰も悪人という訳じゃないから哀し...

ふとした事がきっかけで、昔起きた事件を思い出す老弁護士ヘンリー。 その事件を引き起こしたのが新任の女教師であろうことはわかるが、それ以外はわからないまま回想が続くので不安に思いながら読んだ。 真相は驚愕させられるほどではないけれど愕然とした。 誰も悪人という訳じゃないから哀しい。 チャニング先生もリード先生もアビゲイルも、そしてヘンリーも。皆ただ間違えてしまっただけだという気がする。 クリスティーの小説「ゼロ時間へ」の“推理小説は間違っている。事件は始まりではなく結果なのだ”という台詞を思い出した。 それならこの小説は“始まりから”かかれた“正しい”小説だと思う。 そういえば、この台詞を言ったのも老弁護士だったな。

Posted byブクログ

2012/08/31

私が求めていたミステリィとは違ったけど、 非常に引き込まれる作品で、一気に読んでしまいました。 ある田舎町で起こる事件。 年老いた主人公が回想しながら話は進みます。 事件自体を最後まで隠しているパターンではないので どういったことがあったのかは、途中途中で見えてくる。...

私が求めていたミステリィとは違ったけど、 非常に引き込まれる作品で、一気に読んでしまいました。 ある田舎町で起こる事件。 年老いた主人公が回想しながら話は進みます。 事件自体を最後まで隠しているパターンではないので どういったことがあったのかは、途中途中で見えてくる。 でも、最終的に何が起こったのか、 そして、事件はどういう影響を人々に、そして主人公に与えたのか。 そこが非常に叙情的に描かれています。 日本でも野沢尚の脚本で日本版としてドラマになったようです。 ちょっと見てみたかったな。

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