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緋色の記憶 の商品レビュー

3.6

47件のお客様レビュー

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NWA最優秀長編賞を…

NWA最優秀長編賞を受賞した記念碑的な作品。回想の殺人を著者らしい精緻な文体で描く。

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 転任してきたなぞめ…

 転任してきたなぞめいた美人教師とその生徒である少年。小さな田舎町で起きた事件の真相は?もの悲しく、美しい文章でじっくり読めます。

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MWA受賞作で翻訳さ…

MWA受賞作で翻訳されるやこのミス2位で週刊文春で1位になった作品です。緋色のブラウスを着た女教師の着任から始まる悲劇「チャタム校事件」の真相を老弁護士が語る。ミステリとか言う前に小説として巧い。人間の描き方が上手なのです。ラストは悲しく衝撃的。

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事件の真相とは?と考…

事件の真相とは?と考えながら読みました。結末には驚いてしまいました。

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ある夏、コッド岬の小…

ある夏、コッド岬の小さな村のバス停に、緋色のブラウスを着たひとりの女性が降り立った―そこから悲劇は始まる。

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ヘンリーが思い出すの…

ヘンリーが思い出すのは15歳のときの自分。全体として暗いイメージの中で、女教師の美しさが目立つような印象をうけた。淡々とした文章だが、それが逆に読者の想像を掻き立てるのだろうかと思う。

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話が過去から現在へと…

話が過去から現在へと常に前後するので、多少読みづらい面も。ただ、回想シーンの挿入の仕方が巧いです。

文庫OFF

オススメ

片田舎の学校に赴任してきた美しい女性教師。彼女の不倫が巻き起こした「チャタム校事件」。老いた弁護士が、少年の頃を思い出しつつ語る、事件の真相とは?読み終えた時、やるせない哀しみと痛みが胸に残る……。

yoko

2024/01/07

古本市の3冊〇円の数合わせで偶然買った本だが、読んで良かった! 1997年エドガー賞を受賞しているようだが、納得の面白さである。 ニューイングランドの海沿いの田舎町チャタムで、1927年に起こったある事件を、年老いた弁護士が回想する物語。 ミステリーといっても、序盤に殺人事件が起...

古本市の3冊〇円の数合わせで偶然買った本だが、読んで良かった! 1997年エドガー賞を受賞しているようだが、納得の面白さである。 ニューイングランドの海沿いの田舎町チャタムで、1927年に起こったある事件を、年老いた弁護士が回想する物語。 ミステリーといっても、序盤に殺人事件が起きて探偵が解決するものでも、複雑な謎解きを楽しむものでもない。 過去の経緯が語られる中で少し先の未来が小出しに挿入され、徐々に小さな町を揺るがす事件がぼんやり姿を現すのだけど、何が起こったのかが語られるのは、物語も終盤。そのあたりは読むのを止められない。 少年の純粋さと未熟さ・別世界から来た異質なものに対するチャタムの人々の嫉妬と排他性・・・これらが導く悲しい結末に胸が苦しくなった。 原文を読まずにこう書くのは何だが、翻訳が素晴らしいと思う。原文の美しさや格調高さが感じられるからだ。 そう思って、翻訳者の鴻巣友季子さんをネットで調べたら、本作の翻訳で賞を取られてるんですね。 あと旧版の表紙イラストは、ヒロインの容姿を正しく表現していない。事件の重要なポイントだと思うのだけど・・・。

Posted byブクログ

2023/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長い間再読したいと思っていた一冊。 今年、早川書房からまさかの新版が刊行されその思いが強くなった。 ※新訳ではなく、新版となっており訳者も同じなので、訳は同じなのかな。 本書は新版ではなく、実家に眠っていたかつて読んだ旧版。 周囲が赤茶け、古い本独特のあの匂いがぷんぷんしていた。 電車で読んでいたので隣の人にもかがっていたのではないかと思うくらい。 ごめんなさい。 刊行当時は『夏草の記憶』、『死の記憶』と共に記憶三部作などと言われていたけど、登場人物が共通するシリーズものというわけでもなく、その後『夜の記憶』、『沼地の記憶』などが刊行されたものだから、三部作とは何なのかと思ってしまったりもするのだが、これらの作品に共通するスタイルは特徴的かつ読み応えあり。 かつての悲劇、事件の記憶に現在から思いを馳せつつ、最初は何が起きたのかすら朧げな全貌を、徐々に明らかにしていく。 時間軸は行ったり来たり、唐突に出てくる思わせぶりなシーンやアイテムの背景が後になって補強され、突如その見え方が鮮明になる。 その間に紡がれる物語と、そこここで語られる心情の吐露ははまるで文学作品のように流麗で深遠。 このスタイルが大好きだったのだ。 1926年8月、米国マサチューセッツ州コッド岬の小さな町チャタムのバス停に一人の女性が降り立った。 美しく、毅然とした物腰、旅行記作家の父と世界各地を転々とする生活を送った幼少期が創り上げた自由で開かれた発想、ときにグロテスクでもあるその土地土地に伝わる神話、言い伝えを数多く知るミス・チャニング。 チャタム校の美術教師としての職につき、この地での暮らしを始めるが、同じ学校の英文学教師リードと懇意になり、次第に雲行きが怪しくなって行く。。。 主人公ヘンリーはチャタム校の校長の息子で、チャニング、リードに教わる生徒。 校長の息子ということから周囲の生徒達とは馴染めない孤独な日々を送っていたが、チャニング、リードとの関係を育むことで、日常に張りを取り戻しつつあったのだが。。。 何十年もの後、かつての関係者のほとんどがこの世を去った現在に、ミス・チャニングがチャタムに降り立った1926年8月から翌27年5月に起きた”チャタム校事件”、その後の裁判までの当時を振り返り、事件の真相に思いを馳せる。 ほとんど、内容憶えていなかった。 もっと意外性のある結末だったような気がしていたのだが、オチはそこまででもなかった。 けれどもやはり、そこに行きつくまでの真相の剥ぎ方がうますぎる。 解説では”コラージュのよう”と評されていたが、確かに色んな場面が色んな大きさで継ぎはぎされ、最後に見渡すことのできる大きな物語は”コラージュ”という表現がぴったりだ。 この調子で他の作品も再読してみようかな。 それにしても実家に眠っていた本書の定価表示は543円+税。 新版のAmazon価格は1650円。 物価指数も違うので一概には言えないが、すごいインフレ。

Posted byブクログ