沈みゆく香港 の商品レビュー

中嶋嶺雄(著者)

2014/07/17

六本松ブックオフで購入する。このブックオフは、九州大学教養部の前にあります。硬めの本が豊富です。著者は、「国際関係論―同時代史への羅針盤」等の著書で著名な中国関係を専門とする元東京外国語大学学長です。僕には、あまりいい印象がありません。以前読んだ新書が、アカデミックすぎる印象を持ったからです。テーマは、香港です。著者は、香港の将来について悲観的でした。この見通しは、著者だけのものではなく、香港の住民の意識も同様でした。多くの香港の有力者は、香港を去りました。これは、上海の経験に由来する。戦後、多くの上海の企業は、共産党に収奪されました。香港でも、同様の収奪が起こるのではないのかと恐れました。香港の有力者には、上海から移住してきた人が多いのです。著者の予測は見事にはずれました。そして、海外に移住した有力者は、香港に帰ってきました。中国の経済成長の恩恵に蒙るためには、香港はいい場所です。