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大英帝国衰亡史 の商品レビュー

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2020/09/07

大英帝国の衰退要因の一つとして第二次世界大戦における対独戦争遂行への全面傾斜がある。これは欧州諸国間の戦争に黒子的に振る舞う従来の英国の伝統に反していた。通俗的な議論はチェンバレンの宥和政策を失敗とし、チャーチルの姿勢を評価する傾向があるため、新鮮である。 「敗戦よりも、国力の根...

大英帝国の衰退要因の一つとして第二次世界大戦における対独戦争遂行への全面傾斜がある。これは欧州諸国間の戦争に黒子的に振る舞う従来の英国の伝統に反していた。通俗的な議論はチェンバレンの宥和政策を失敗とし、チャーチルの姿勢を評価する傾向があるため、新鮮である。 「敗戦よりも、国力の根底を費消し尽くした(そしてそのことに気付かぬ)勝利のほうが、国家にとっていっそう危険な場合がありうる」。日本は国力の根底を費消し尽くした敗戦という過去があり、この失敗を繰り返さないことに意識が向く。しかし、重要なことは敗戦でも勝利でも、国力の根底を費消し尽くさないことだろう。 この点で目の前の問題に全力投球で頑張ることを美徳とする日本の頑張りズムは有害である。シリコンバレーではFail Fastが合言葉になっている。戦後日本の土建国家的な公共事業や東京オリンピックは、反対派が予測するほどドラスチックな失敗にならないかもしれない。そうであるとしても、「国力の根底を費消し尽くした成功」になるかもしれない。

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2017/10/20

94年初出だが20年後に新版がでたことからもわかるように、変わり行く国際環境において、時間を超えて大変示唆に富む一冊です。自由貿易の展開と国家盛衰の関係性は、どの国どの地域にとっても教訓となります。 特に、ブロック圏外への輸出が急に減少する大英帝国衰退期の始まりにおいて、本格的に...

94年初出だが20年後に新版がでたことからもわかるように、変わり行く国際環境において、時間を超えて大変示唆に富む一冊です。自由貿易の展開と国家盛衰の関係性は、どの国どの地域にとっても教訓となります。 特に、ブロック圏外への輸出が急に減少する大英帝国衰退期の始まりにおいて、本格的に帝国主義的行動をとってきた過去は印象に残りました。

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2016/06/19

イギリスのとは何か? ①「勢力均衡」に表される外交論。戦略。諜報。 ②その期限は、エリザベス王朝に遡る。低地。 各章特記 第1章 大英帝国、外交力、勢力均衡 第2章 勢力近郊の起源、エリザペス王朝の活躍 第3章 異端児を排除しない英国エスタブリッシュメントの風土。 第4章  第5...

イギリスのとは何か? ①「勢力均衡」に表される外交論。戦略。諜報。 ②その期限は、エリザベス王朝に遡る。低地。 各章特記 第1章 大英帝国、外交力、勢力均衡 第2章 勢力近郊の起源、エリザペス王朝の活躍 第3章 異端児を排除しない英国エスタブリッシュメントの風土。 第4章  第5章 開放経済→輸入代替→輸出大国→新興国の台頭→ブロック経済 イギリスモデル 第6章 21世紀を先取る意味でのボーア戦争(ナチス、ベトナム戦争) 第7章 新興国アメリカの台頭、人種(アングロサクソン)を重視した宥和外交がイギリスの国力を落とす。

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2012/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大英帝国という名称と今のイギリスの有り様になんとなくギャップを感じていたがこのような転落の経緯があったとは知らなかった。第二次世界大戦以降のイギリスの状況は決して戦勝国て言えるような体をなしていなかった。もともと帝国を支えていたのはエリートたる英貴族階級だったのだろうか。その貴重な若い芽を第一次世界大戦で喪失したことがここまでも急な衰退を招いたということか。人財という言葉がこれほどまでに意味をもつ史実はないんじゃないかな。それにしてもパレスチナの3枚舌外交はこの国家の衰亡に抗うジェントルマンらしからぬ所作だったわけだ。

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2010/02/25

大英帝国の衰退を、いろんな側面から考察した一冊。 語り口調がそう固くないので、結構あっさり読めた。

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2009/10/04

 イギリス近代史の入門に最適。この本を読むと、どんな大国もいずれ没落していくのだと良くわかる。現在の超大国アメリカも随所に衰亡の兆候が伺える。

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2009/10/04

一国の国力と繁栄の基礎は「気骨」と「品性」にある。 アメリカの国家戦略を決めた著作。「米国史におけるフロンティアの重要性」フレデリック・ジャクソン・ターナー 「海上権力史論」マハン。 英軍の戦死者。第一次大戦:約90万人。第二次大戦39万7千人。

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