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淋しい狩人 の商品レビュー

3.6

241件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    95

  3. 3つ

    85

  4. 2つ

    15

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    3

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2022/10/16

東京荒川土手下の小ぶりな古本屋。亡くなった友人の店を引き継いだ初老のイワさんと孫の高校生の稔。まあまあ仲良、下町の普通のお店の彼らになぜか事件が降りかかる。しかも、殺人事件多め。 程よくまとまった、作中作を含む、小説がらみの事件の連作短編集。 「淋しい狩人」 作品に行き詰まり失踪...

東京荒川土手下の小ぶりな古本屋。亡くなった友人の店を引き継いだ初老のイワさんと孫の高校生の稔。まあまあ仲良、下町の普通のお店の彼らになぜか事件が降りかかる。しかも、殺人事件多め。 程よくまとまった、作中作を含む、小説がらみの事件の連作短編集。 「淋しい狩人」 作品に行き詰まり失踪した小説家。未完の作品を模倣し連続殺人事件を起こし、完結させようとする輩が現れる。それを許せず、名乗り出る小説家。 この作品の中で、失踪を小説家としての安楽死と表現してたのは、面白いな。宮部さんでも考えたりするのかしらね。

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2022/10/02

お爺ちゃんと孫の探偵物語、という安直さはなく、いちいち微妙なネタを仕込んでいて。特に後半。途中で赤ひげ診療譚出てくるけど、そういう時代劇とかにありそうな、気がするような、切なさがあるのが好きかも。 絵本の嘘つき喇叭の話とか、イイネ!つけとく。ていうかこの創作の絵本の展開もなかなか...

お爺ちゃんと孫の探偵物語、という安直さはなく、いちいち微妙なネタを仕込んでいて。特に後半。途中で赤ひげ診療譚出てくるけど、そういう時代劇とかにありそうな、気がするような、切なさがあるのが好きかも。 絵本の嘘つき喇叭の話とか、イイネ!つけとく。ていうかこの創作の絵本の展開もなかなか良いじゃないか。 というわけで、いちいち揺さぶりをかけてくるという、やっぱやるなこの作者、てなる。

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2022/07/27

古書店の店主と青年が本にまつわる謎を解くわけだが、この時代の宮部みゆきは社会派な作品を手掛けることが多かったように思える。いまでこそファンタジーや時代小説等多彩な作品を世に送り出してきているが、もともとの印象としては本作のようなミステリ仕立ての現代小説が多いイメージだ。最近の神が...

古書店の店主と青年が本にまつわる謎を解くわけだが、この時代の宮部みゆきは社会派な作品を手掛けることが多かったように思える。いまでこそファンタジーや時代小説等多彩な作品を世に送り出してきているが、もともとの印象としては本作のようなミステリ仕立ての現代小説が多いイメージだ。最近の神がかったブッチギリに面白い作品の原点としては、こうした短編集を読むことで味わえる。

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2022/07/13

荒川の土手下にある小さな共同ビルの一階で、六坪の店に、二坪の事務所兼倉庫。ここ田辺書店は古書専門店である。店主のイワさんと孫の稔君のところに時々舞い込む本がらみの事件。その謎をイワさんと稔君が解いていく。

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2022/06/10

宮部みゆき短編集。代表的な長編と比べるとあっさりした感じ。各編の終わり方も中途半端な感じもうけた。表題の寂しい狩人は、連続殺人を演じる若者、模倣犯を彷彿とさせる。

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2022/05/22

イワさんと孫息子の稔の関係が非常に良いが悩みは尽きない。 6編の短編だが小説本に纏わる事件や出来事が良く考えられています。 田辺書店に行ってみたくなります。 面白かったです。

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2022/03/13

古書店を舞台とした連作短編集。 前半はいわゆすミステリーっぽいテイストだが、後半は人情劇みたいな雰囲気かな。 悪くないけど、ここが良かった、という所もさほどなく、他の宮部みゆき作品と比較して、ここが凄い、というほどでも無いのが正直な所。

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2022/02/27

東京の下町にある古本屋「田辺書店」の店主イワさんこと岩永幸吉とその孫の稔が、本をめぐって起こる事件を解決していく連作短編集。結構事件そのものは陰惨な内容のものもあるが宮部みゆきさんの小説のうまさで読後感は心あたたまる話になっている。さすがだなと感じる小説でした。

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2022/02/18

20数年ぶりに再読。 東京下町で古本屋を営む65歳のイワさんと孫の稔を中心に、日常的な事件をめぐる連作短編6編。 イワさんと稔の関係が、幸福な関係から次第に変容してゆく。 少年の描き方がうまい著者には、ほのぼのとした心温まる作品も多いが、本書はひと味違い、人間の裏側を描き出す重苦...

20数年ぶりに再読。 東京下町で古本屋を営む65歳のイワさんと孫の稔を中心に、日常的な事件をめぐる連作短編6編。 イワさんと稔の関係が、幸福な関係から次第に変容してゆく。 少年の描き方がうまい著者には、ほのぼのとした心温まる作品も多いが、本書はひと味違い、人間の裏側を描き出す重苦しさも。 本を媒介にして話が進むのは、『ビブリア古書堂の事件手帖』を思い出す。

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2022/01/31

古本屋が舞台にミステリーということで読んだもの。 平成5(1993)年単行本刊ということはまだ紙の本盛んなりしころ。だからアルバイト3人使っても街の古本屋さんが成立していたということ、などと時代背景を考えなければいけない。30年前はすでに遠い過去かも。 作品自体は宮部みゆきの短編...

古本屋が舞台にミステリーということで読んだもの。 平成5(1993)年単行本刊ということはまだ紙の本盛んなりしころ。だからアルバイト3人使っても街の古本屋さんが成立していたということ、などと時代背景を考えなければいけない。30年前はすでに遠い過去かも。 作品自体は宮部みゆきの短編集らしいもの。最初の数編はちょっとあっさりしていてどうかなと思ったが、後半に行くにつれて面白さが増してくる。個人的には最後の2編、孫の稔があまり登場しなくなってからの方が面白かったと思う。

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