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弄月記 の商品レビュー

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2011/03/31

赤江瀑、初体験である。 艶がある、と言えばよいのだろうか。目を閉じると情景が浮かんでくるような、文章に色や温度や手触りが感じられるような、そんな書き手だ。浮かんでくるのは情景だけではない。そこに籠められた人の情念が、ゆらりと立ち上る。 この雰囲気に身をまかせたい、と感じさせる。 ...

赤江瀑、初体験である。 艶がある、と言えばよいのだろうか。目を閉じると情景が浮かんでくるような、文章に色や温度や手触りが感じられるような、そんな書き手だ。浮かんでくるのは情景だけではない。そこに籠められた人の情念が、ゆらりと立ち上る。 この雰囲気に身をまかせたい、と感じさせる。 (2002-12-30) [弄月記] 遺言を果たしに妻の故郷を訪れた老画家。その廃村で出会った一人の男。人生の終幕と静かに山に照る月。人を狂わせる強い想いがある。 [しびれ姫] 人前に次々と晒される血染めの小袖。江戸の歌舞伎の世界を背景に、一人の男の情念が描きだされる。謎解きめいた展開で読みやすい一作。 収録作品 [弄月記] [恋川恋草恋衣] [秘夜長夜] [狐の鼓] [しびれ姫] [徒しが原] [魔] [シロップの池の魚] [坂] [帰舟戯夜] [寵童] [蘭灯の招き]

Posted byブクログ