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リヴィエラを撃て(上) の商品レビュー

4.1

103件のお客様レビュー

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    39

  2. 4つ

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  3. 3つ

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まだこの巻ではリヴィ…

まだこの巻ではリヴィエラの正体は謎のまま。登場人物が多く、名前もややこしいのが難点。コードネームがあったりして一人につき二つ名前を覚えなければならない。さすがスパイもの。

文庫OFF

表題通り「リヴィエラ…

表題通り「リヴィエラ」を男達が長い年月をかけて探す話。その中で繰り広げられる人間関係に圧倒されます。描写も緻密で満足の1言。上巻を読めば下巻が間違い無く読みたくなります。

文庫OFF

2024/05/12

20数年前に読んで以来、何度でもどこからでも楽しめる傑作。 主人公目線では父親殺しの首謀者を追ったけれど道半ばで殺されてしまうという話。ただそれだけ。何より冒頭ですでに死んでいるし、最終盤に至っては存在感が無い。これで物語が成立するのが不思議だが、登場人物のプロットとその重厚な絡...

20数年前に読んで以来、何度でもどこからでも楽しめる傑作。 主人公目線では父親殺しの首謀者を追ったけれど道半ばで殺されてしまうという話。ただそれだけ。何より冒頭ですでに死んでいるし、最終盤に至っては存在感が無い。これで物語が成立するのが不思議だが、登場人物のプロットとその重厚な絡み合いがとにかく秀逸。淡々とした筆致とは対照的に彼らは情感を垣間見せつつ、やはり淡々とそれぞれの運命に従う姿に引き摺り込まれる。 トリックやネタバレとは無縁。だからこそ一生手元に置いておきたい一冊。

Posted byブクログ

2023/12/11

元IRAのテロリストが、スパイアサシンになって謎の日本人「リヴィエラ」を追う。そこに関わる二人の貴人と、二人の警察官が、やがて国家権力や戦後の世界政治の大きなモノに触れていく。 というスリリングなスパイ小説、エンタメ。その手の犯罪小説や陰謀物語が得意な著者のヒット作なので、飽きず...

元IRAのテロリストが、スパイアサシンになって謎の日本人「リヴィエラ」を追う。そこに関わる二人の貴人と、二人の警察官が、やがて国家権力や戦後の世界政治の大きなモノに触れていく。 というスリリングなスパイ小説、エンタメ。その手の犯罪小説や陰謀物語が得意な著者のヒット作なので、飽きずに読み進められる。が、やはりこの著者の人物描写や設定が他作同様に不自然さを感じる。 文庫ではなくハードカバー版を読んだ。 「子供がいなかったおかげで、私は大人になれたようなものよ。子供に逃避せずに済んだんだわ」(リヴィエラ関連を調べる警視庁手島の妻)422 その後、結局手島夫妻は件のテロリストの忘れ形見を養子して、アイルランドに移住した。

Posted byブクログ

2023/02/01

頭の良い人が書いてるんだろう。時代背景の説明が少ない。登場人物が多く、それぞれに複雑な関係があり、相関図が欲しくなる その割に不要とも思えるほど道路の説明が詳しいため、読みづらい プロットは惹きつけるものがあるだけに、やや残念 BL風の要素がある 主人公?の思考が支離滅裂

Posted byブクログ

2022/12/12

休暇時に読み進めている高村薫。リヴィエラを撃てはIRAのテロリストもので、冒頭ジャックモーガンとおぼしき死体が東京で発見され、それから舞台がアイルランドのアルスターでのジャックのお話に移る。幹部に裏切りを告白し罰として足を撃ち抜かれながらもIRAを脱し、CIAの<伝書鳩>と行動を...

休暇時に読み進めている高村薫。リヴィエラを撃てはIRAのテロリストもので、冒頭ジャックモーガンとおぼしき死体が東京で発見され、それから舞台がアイルランドのアルスターでのジャックのお話に移る。幹部に裏切りを告白し罰として足を撃ち抜かれながらもIRAを脱し、CIAの<伝書鳩>と行動をともにつつ、もとIRAテロリストと中国大使館員を殺害して、窮地に陥るまで。他の高村薫ものに比べると、今ひとつ肌に合わないかな。

Posted byブクログ

2022/10/07

私にとっての初ハードボイルド小説であって、高村薫にハマるきっかけとなった小説。 「リヴィエラ」とは東洋人スパイのコードネームで、この人物を巡る諜報機関やテロリストたちの、熱く悲しい戦いが描かれる。 人物たちの背景も丁寧に描かれて、読者の情も持っていかれる。 舞台が日本となるシー...

私にとっての初ハードボイルド小説であって、高村薫にハマるきっかけとなった小説。 「リヴィエラ」とは東洋人スパイのコードネームで、この人物を巡る諜報機関やテロリストたちの、熱く悲しい戦いが描かれる。 人物たちの背景も丁寧に描かれて、読者の情も持っていかれる。 舞台が日本となるシーンもあり、彼らの世界が私達の知らぬ所で身近に起きているような、不思議な感覚だった。 そして読後間もなく、現実の世界ではアメリカ同時多発テロ事件が起きた。 他国でのテロ事件で、あんなにもショックを受けた事はない。 ワールドトレードセンターに突っ込む旅客機と、真っ黒な煙が、脳裏にこびりついている。 きっと世界中の多くの人間が、そうだと思う。 そして不謹慎にも、「リヴィエラを撃て」が私の脳裏をかすめてしまった。 自分の信念を貫き自爆でこの世を去る者という存在に想いを馳せずには居られなかった。 念の為に記すが、それはテロ側を擁護するという意味では全く無い。 テロの瞬間を初めて目の当たり(テレビ越しだが)にして、酷くショックを受けたのだ。 私は少し小説の世界観に入り込み過ぎていたのだろうか。 9.11は現実の事件であって決して物語ではないし、どんな背景があろうと許されるものではなく、 それによってもたらされた悲しみや憎しみは当てもなく終わることなく未来永劫続いて行く。 それでも私にとっては余りにも読み終えた直後の出来事で、なんとも言葉に出来ない虚しく悲しい思いで、何度も繰り返し放送される映像を呆然と見ていたのを思い出す。 音楽や匂いが記憶を呼び覚ますことはよくあるが、小説が記憶を呼び覚ますこともある。 話が逸れた。 「リヴィエラを撃て」は登場人物が多く…というか、CIAの誰某、MI6の誰某、○○の恋人、等と人間模様が交錯し、各国をまたにかけてストーリーが息もつかせぬ緊張感で展開してゆく。 人を殺す人間にもまた、愛する人はいる。 そして儚く散ってゆく命。 設定も展開も緻密で、最後まで謎のリヴィエラに、読者はのめり込んでゆく。 慣れるまではコレ誰だっけ?となるのだが(笑)、個人的には上下巻同時に買って、あまり間を開けずに続けて読んで欲しい。 読みごたえあります。

Posted byブクログ

2021/11/18

高村薫『リヴィエラを撃て』読了。「リヴィエラ」という名の謎の東洋人を巡り、CIA、MI5、MI6、IRAのスパイやテロリストがしのぎを削る冒険小説。それぞれの動機で巨悪に迫らんとする男たちの間で想いが託し託されするアツい展開。その謎が暴かれるラストは作者の信念のようなものが感じら...

高村薫『リヴィエラを撃て』読了。「リヴィエラ」という名の謎の東洋人を巡り、CIA、MI5、MI6、IRAのスパイやテロリストがしのぎを削る冒険小説。それぞれの動機で巨悪に迫らんとする男たちの間で想いが託し託されするアツい展開。その謎が暴かれるラストは作者の信念のようなものが感じられる。前半の青年テロリストの苦悩、絶望、諦念、欺瞞とアイルランドの荒んだ情景描写が機龍警察 自爆条項を想起せずにはいられない。こちらをもっと掘り下げてもらった方が個人的には好みだった。

Posted byブクログ

2021/02/11

「リヴィエラを撃て 上下巻」 上巻を途中まで読んで、これは読むのを休むと混乱すると思った、(すでにほどほどに混乱してきたので)相関図とそこまでの出来事をメモした。 アメリカ、イギリス、中国、日本、各国の情報部とそれに属するスパイ組織、テロリスト、CIA、英情報局保安部(MI5...

「リヴィエラを撃て 上下巻」 上巻を途中まで読んで、これは読むのを休むと混乱すると思った、(すでにほどほどに混乱してきたので)相関図とそこまでの出来事をメモした。 アメリカ、イギリス、中国、日本、各国の情報部とそれに属するスパイ組織、テロリスト、CIA、英情報局保安部(MI5,MI6 チラと名前だけJ・ボンドが^^)、IRAの革命家、スコットランドヤードの情報部。それに協力する人間、巻き込まれる人間、「リヴィエラ」というコードネームを持つ日本人を追う人間。核になる「リヴィエラ文書」はどこにあって何が書かれているのか。様々な要素がサスペンス風に展開し ハードボイルドあり「リヴィエラ」絡みのミステリありと飽きることがなかった。 息もつかせない面白さというが、高村さんの実際に歩いたという海外の街(イギリスの風景)が実に鮮明に描写され、雰囲気を盛り上げている。 アイルランドの小さな村から始まるIRA戦士による殺人。その息子である、主人公の青年ジャック・モーガンと恋人のリーアン。 彼は上巻の最初の部分ですでに千鳥ヶ淵で射殺されている。一緒に日本に来ていた若い女の「ジャック・モーガンが捕まった。リヴィエラに殺される」という通報で、初めて「リヴィエラの名前が出る。検死には公安にいたイギリス人との混血、手島管理官が立ち会った。 香港返還、文化大革命を下敷きに、リベート問題がある。エージェントとしての「リヴィエラ」がどうかかわっているのか、すべての人達の視線の先にある「リヴィエラ」について名前が分かった時点でも正体が最後まで分からない。 ジャック・モーガンが身を寄せた先で知り合った、ノーマン・シンクレアと彼のマネージャーと称するエイドリアン。シンクレアは世界的なピアニストで二人とも翳の多い生き方をしている。貴族の称号を持ち自由な暮らしの中で、ジャックと濃密な関係を持つ。シンクレアは密かにスパイ活動と、「リビィエラ」に日本で一通の文書を受け渡しをしていた。 IRAの活動家だった父親が殺された後、ジャックは銃の腕を見込まれてテロリストになる。彼の夢は、リーアンと穏やかな家庭を築くことだったが、次第に深みにはまり、腕の良さで次々に殺人を成功させ、情報部に目を付けられるようになる。 ジャックをかくまうために預けられるCIA職員のケリー・マッカラム(一名伝書鳩)との暖かい交流がいい。ケリーは同じ組織の恋人サラがいたが彼女は車の事故で悲惨な死に方をする。そして彼はドーヴァーを前にしたウェスタンドッグ駅でジャックをフェリーに乗ると見せかけ電車に乗せる。東京へ。 直後にケリーは駅で死んだ。 読みどころというか、殺伐としたテロ、スパイ合戦にあって、人間関係と事件の裏事情と、人命がかかった情報が錯綜する中で、筋道だった詳細が独特の筆致で深く重く書かれる。その中で登場人物たちのエピソードが情感たっぷりに心を潤す。一人ひとり死んでいく現実の中で読みながらこういった世界では茶飯事でありながら生と死の物語がこころに響く。 お気に入りらしい、ピアニスト、シンクレアの日本公演で初めて「リビィエラ」が現れる。ここで一気に読み手も冷静に戻り、シンクレアの魂を込めた演奏も、彼の最後を飾るのにふさわしい、悲しい未来を予見させる。ジャックとシンクレアの関係もただのスパイ小説でない、人の絡みの妙を感じてホロリとする。 裏で生きる人たちのおびただしい死とそれぞれの生き方が詳しく、はいりこんでしまった。どうしてこの人たちがお互いにかかわることになったのか、と硬派な高村さんの筆は休むことがない。 最後まで読んで、手島に抱かれた無邪気なジャック二世が可愛いのが救い。

Posted byブクログ

2021/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1992年のやや古めのシリアスなスパイ小説。日本人作家 高村薫によるものだけど、 舞台はアイルランド、イギリスを中心に、東京、香港と世界に渡る。CIA、MI5、MI6、警視庁など世界中の捜査機関、スパイ組織が登場して密に関わり合うスーパースケールな物語で、スパイ小説ファンとして大変楽しい。主人公の一人ジャック・モーガンがアイルランド共和軍 (IRA) というテロ組織メンバーというのもユニーク。 ジャックの恋人リーアンの親戚であるウー・リャンが暗殺された。その暗殺は謎の東洋人スパイ、リヴィエラが指令を出しており、ジャックの父イアンが実行させられていた。ジャックはリヴィエラ正体を追う。裏の裏へ行く展開で長いけど最後までしっかりエンターテイメントしてくれる。

Posted byブクログ