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ポプラの秋 の商品レビュー

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213件のお客様レビュー

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    65

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2017/07/13

この本との出会いは建て替えとなる図書館が古い本を配っていたところ私の手に収まりました。 湯本香樹実さん本作で三作品目の読了と成ります。 はじめて読んだのが『夏の庭』次が『岸辺の旅』 本作品も他二作の様に死をテーマとする物語でした。 主人公の亡父への想いと母への愛情と苛立ち、ポ...

この本との出会いは建て替えとなる図書館が古い本を配っていたところ私の手に収まりました。 湯本香樹実さん本作で三作品目の読了と成ります。 はじめて読んだのが『夏の庭』次が『岸辺の旅』 本作品も他二作の様に死をテーマとする物語でした。 主人公の亡父への想いと母への愛情と苛立ち、ポプラ荘の住人達の優しさ。そして何より大家のお婆さんとの秘密の約束。 それらが絶妙に混ざり合う心暖まる作品でした。 少し大げさかもしれませんが、近所付き合いが希薄になって行く今の日本に必要な作品かもしれません。 子供の頃に父を亡くして母と共に引っ越したポプラ荘! そこの大家のお婆さんが死んだと連絡が入り主人公はお婆さんの葬儀に駆けつける為飛行機に乗る。 かつて暮らしたポプラ荘の思い出が甦る・・・ 蛇足では有りますが、主人公が家の鍵が閉まっているかどうかを確認したい気持ち、私も解ります。

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2017/01/14

湯本先生は子どもの視点でとらえた世界を描くのが本当に上手だと思う。 「マンホールのような穴」 「イエス様の顔」 「おばあさんの家の様々な物たち」 「マンホールのような穴」などはまさにそれで、子どもの頃に感じていた不安や恐怖を体現している。 言語では言い表せない感情が形をもって...

湯本先生は子どもの視点でとらえた世界を描くのが本当に上手だと思う。 「マンホールのような穴」 「イエス様の顔」 「おばあさんの家の様々な物たち」 「マンホールのような穴」などはまさにそれで、子どもの頃に感じていた不安や恐怖を体現している。 言語では言い表せない感情が形をもって語り掛けてくるのだ。 「油断していると、幸せを奪ってしまうよ…」 反面、大人の心情は非常にあっさりと描かれている。 夫をなくしたばかりの母の心情も、大人になった千秋の心情も、事細かに描かれてはいない。 物語の視点が子ども時代の千秋なのだから当たり前なのかもしれない。 そんな、想像でしか分からない大人の事情が、最後の最後に明かされる。 子ども時代の千秋が、どれほど守られてきたのかも… ポプラの木はそんな「見守る存在」を象徴しているかのようだ。 今、人生に疲れている人。 いつも不安にさいなまれている人。 何か大切なものを「喪失」してしまった人。 そんな人にそっと寄り添ってくれる作品。

Posted byブクログ

2016/10/01

父を突然亡くした娘が、大家のおばあさんとの交流から、父への手紙を書き始めた。書くことで父の死を理解していく娘、抱える痛みが見え隠れする母、隠し守られた真実。秋に相応しいじんわりとくる小説だった。生きていると上手くいかないことはたくさんある。この本は、そんな投げ出したくなりそうな時...

父を突然亡くした娘が、大家のおばあさんとの交流から、父への手紙を書き始めた。書くことで父の死を理解していく娘、抱える痛みが見え隠れする母、隠し守られた真実。秋に相応しいじんわりとくる小説だった。生きていると上手くいかないことはたくさんある。この本は、そんな投げ出したくなりそうな時に読むとより違ってみえてくるかもしれない。

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2016/06/09

夏休みの空気をいっぱいに閉じ込めるのが本当に上手い もう二度と戻れないけど、私にも夏休みがあったのだ

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2016/03/05

後半の母の秘密には胸を打たれた。 親子っていうのは一言で表すことはできない。色んな思いが交差して、上手く回らないことの方が多いのだなと改めて思った。 『1日1日をだーいじに、好きなように、生きなさいよ』 うん、そうする!

Posted byブクログ

2016/03/02

久々に一気読みしました。涙が出ました。幼くして父を亡くした千秋とお婆さんのふれあい、登場人物たちの優しさに気持ちが揺れました。昨年、映画化されているようなのですが、是非見てみたいです。本当に、よかったです。

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2015/12/25

融通の利かない子供時代。 千秋のような私を心配した大人たちが起こした行動がいくつあったのかと考えた。

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2018/08/11

暗い話かと思ったけど予想に反して、まぁよかった。 (2030/08/10再読) 読んだのを忘れて買ってしまったので再読。 初読のときより印象はいい。千秋ちゃんには幸せになってほしい。 おばあさんとの交流がいい。 おばあさんとかおじいさんと交流する話が多いな。2冊しか知らないけど。

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2020/09/22

もうじき7歳の私は父を亡くし、母と小さなアパートに移る。そこには近寄り難い大家のおばあさんがいた。おばあさんは死ぬ時に預かっている手紙を死の国へと旅立った人に届けるという。私は父に手紙を書くことにした。 大人になった私が、当時のことを回想する形で書かれているため、アパートでの生...

もうじき7歳の私は父を亡くし、母と小さなアパートに移る。そこには近寄り難い大家のおばあさんがいた。おばあさんは死ぬ時に預かっている手紙を死の国へと旅立った人に届けるという。私は父に手紙を書くことにした。 大人になった私が、当時のことを回想する形で書かれているため、アパートでの生活やおばあさんとのやり取りも、幼い心で感じたことと、その奥にあったできごとが並列して描かれています。とっつきにくく感じたおばあさんと心を通じあわせたこと、夫を亡くした母の心、母親の再婚に心を揺らす少年。みんなそれぞれに自分の道を行き、私とすれ違っていく。そして亡き父に手紙を書くことで、喪失から再生される私の心。おばあさんがそれを導いてくれたこと、母がそれを見つめていたこと。最後おばあさんの死によって新たに再生される心。静かに力強く迫ってきます。

Posted byブクログ

2015/07/05

つらい展開もあったけれど 読み安くて引き込まれた 四季のポプラがいいな 特に秋が ラストでほんわかさせてくれた 《 ポプラ荘 それぞれ悩み まざりあい 》

Posted byブクログ