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猫町 の商品レビュー

4.1

40件のお客様レビュー

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2022/02/24

福岡市総合図書館 統一テーマ展示『図書 館でねこ歩き』のメイン展示「猫好きの猫好きによる猫好きのための本」で紹介されていた一冊。 ずっと気になっていたのでこの機会に読んでみました。 萩原朔太郎……きっと面倒くさい人だっただろうなぁw なんというか……薬中の人が、三半規管の不具合の...

福岡市総合図書館 統一テーマ展示『図書 館でねこ歩き』のメイン展示「猫好きの猫好きによる猫好きのための本」で紹介されていた一冊。 ずっと気になっていたのでこの機会に読んでみました。 萩原朔太郎……きっと面倒くさい人だっただろうなぁw なんというか……薬中の人が、三半規管の不具合のせいだと言い訳しながら、自分が見た幻覚について語る物語でした(苦笑) 挿絵と装丁はとても素敵です。

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2022/05/19

2014年5月8日 本の中に「幻燈」っていう言葉が出てくるのだけれど、私にとってこのお話しはまさしく「幻燈をみているような」かんじでした。

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2021/01/24

蝿を叩きつぶしたところで蠅の「物そのもの」は死にはしない。単に蠅の現象をつぶしたばかりだ。最初のページにショウペンハウエルの言葉がある「私」は旅にロマンを感じなくなった。どこへ行っても同じような人間、同じような村や町、同じような暮らししか見られない。蝿をつぶしたところで同じような...

蝿を叩きつぶしたところで蠅の「物そのもの」は死にはしない。単に蠅の現象をつぶしたばかりだ。最初のページにショウペンハウエルの言葉がある「私」は旅にロマンを感じなくなった。どこへ行っても同じような人間、同じような村や町、同じような暮らししか見られない。蝿をつぶしたところで同じような蝿がまた飛んでくる、という詩人らしからぬ感傷から話が始まる。そして詩人の「私」は2つの経験談を語る。ひとつ目は家の近所でいつもの角を曲がったら見知らぬ街に迷い込んでしまったパラレルワールド的な話。もうひとつは、北陸のK温泉近くで迷い込んだふしぎな町を歩いていくといつの間にか猫、猫、猫だらけの街路に出て昏倒する。憑き村や猫の精霊が住む村を信じると言うが一方でモルヒネ中毒の詩人だとも白状する。朔太郎の厭世観と不安の根源は何だったのだろうか。金井田英津子の版画がとても良い。 

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2019/11/12

中学生くらいから何度か読んだ後、この本は絵が気に入っての購入。 挿し絵のない本で読んでいても文章のイメージ喚起力が強いので、映像が気持ちに残っている。 その映像と方向性は違うのだけれど、違和感はなく、しかも遥かに遥かに豊かです。 部分は見知っているのに、空間は不安に満ちている。...

中学生くらいから何度か読んだ後、この本は絵が気に入っての購入。 挿し絵のない本で読んでいても文章のイメージ喚起力が強いので、映像が気持ちに残っている。 その映像と方向性は違うのだけれど、違和感はなく、しかも遥かに遥かに豊かです。 部分は見知っているのに、空間は不安に満ちている。 奇妙でありながらどこかで懐かしい感覚が沸く町。 そして、ある一瞬世界が裏返り、戻ってきた「ここ」は本当になじみの「ここ」なのかと不安を煽られます。 こういう、「似てはいるけど確実に現実とはズレた世界」を描く絵はいろいろあって、現代のものはレトロ感がわざとらしくて生理的にアウトな作品がとても多いけれど、これはすなおに入り込めた。 媚びがないというのか、借り物ではない作者の世界があるというか。     この本を買ってからも何度か読み返していますが、気が付くと、文ではなく絵の中を彷徨っています。 どうやら私にとって猫町は、萩原朔太郎ではなく金井英津子の絵の中に移動してしまったようです。

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2017/10/19

萩原朔太郎の文章も良いけれど、金井田英津子さんの版画がとても素晴らしかったです。ダークなファンタジーを感じさせる不思議な雰囲気。挿絵を見ているだけで楽しい気持ちになってきます。絵に合わせて文章が斜めになっていたり、デザイン性が見事でした。こういう本は手元に置いて、いつでも眺められ...

萩原朔太郎の文章も良いけれど、金井田英津子さんの版画がとても素晴らしかったです。ダークなファンタジーを感じさせる不思議な雰囲気。挿絵を見ているだけで楽しい気持ちになってきます。絵に合わせて文章が斜めになっていたり、デザイン性が見事でした。こういう本は手元に置いて、いつでも眺められたら良いのだけど…高いです。仕事帰りに深夜の電車の中から街明かりを見ていたら、自分が何処にいるのか分からなくなる瞬間があるの、分かります。そうか、私もあの時神隠しに会っていたのかもしれません。

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2017/10/15

金井田さんの世界と 朔太郎の世界が交錯して 不思議な世界に連れていかれた。 それは、いつもの世界の裏側。 早く戻らないと戻れなくなりそうで・・・ 幻想的でした。 こわーい。

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2017/10/11

萩原朔太郎の作品を初めて読んだけど、作品のような町が毎日の裏側にあるのなら、猫町の緊張に懐かしさを覚えるのは納得だと思う。裏側の定位置は総じて表の真隣だから、その緊張で体がブルブル震えることすら許されない場所にいるのだと実感する。

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2015/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

萩原朔太郎の「散文詩風な小説(ロマン)」ということだけど、金井田英津子さんの画(版画?)が印象的なので、絵本の分類で。猫の描写が凄い。朔太郎の肖像画も美しい。 (ネタバレ)道に迷って知らない町に、猫の町に瞬間紛れ込む。ざっくりといえばこれだけ。 挿画がすごく効いてる。飛び出してきた一匹の猫。町中を走る猫。町を覆い尽くす猫、猫、猫、………圧巻。 宮沢賢治のイメージが見えたのは、人物の描きかたからか、それとも単に猫だからか。

Posted byブクログ

2014/11/09

とても綺麗で雰囲気ともあってて素晴らしかった。 少し値段がはるような気もするけど、この表紙に惹かれたり萩原朔太郎の猫町が好きな人は買って全く損しないと思う。

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2013/09/13

朔太郎の作品に共通する金属的「寂寥感」を ビジュアルで表現したらこうなりました、という一冊。 金井田さんの作品が、いや素晴らしい。 欲を言うと、猫町部分のみっちり感が欲しかった…

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