世阿弥の能 の商品レビュー
世阿弥という人物を、等身大の人間としての魅力にせまりつつ、彼の作品の鑑賞ポイントについて著者自身の見かたを示している本です。 比較的親しみやすい文章で書かれた本ですが、著者の鑑賞眼のするどさが光っています。もっとも、なんらかの方法論にもとづいているわけではなく、どちらかといえば...
世阿弥という人物を、等身大の人間としての魅力にせまりつつ、彼の作品の鑑賞ポイントについて著者自身の見かたを示している本です。 比較的親しみやすい文章で書かれた本ですが、著者の鑑賞眼のするどさが光っています。もっとも、なんらかの方法論にもとづいているわけではなく、どちらかといえば印象批評的な議論に終始しているのですが、とりわけ中世における愛と幻想のかたちについて、深く作品世界に入り込んで考察が展開されており、おもしろく読みました。
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