ドールハウス の商品レビュー
たとえ環境のせいであろうがなんであろうが、どんな形であれ、自分で立つという段階を経なければいけないのだ、と。作者のあとがきを読んでみると、なかなか深いことを考えながら書いた小説なのだなあ、と思わされます。
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姫野カオルコの作品に出てくる女性は今まで抑圧されていたのが、何かのきっかけでぷっちんと切れて解放されるっていう印象を受ける。 厳格で家に縛りつけようとする両親。結婚ははしたないことと戒めるけど、それって現実的なのかねえ。お家存続のほうが大事じゃないか。 祖先が大事にしてきた家よ...
姫野カオルコの作品に出てくる女性は今まで抑圧されていたのが、何かのきっかけでぷっちんと切れて解放されるっていう印象を受ける。 厳格で家に縛りつけようとする両親。結婚ははしたないことと戒めるけど、それって現実的なのかねえ。お家存続のほうが大事じゃないか。 祖先が大事にしてきた家よりも自分たちの独占欲が強いってのがちょっと違和感。 しかし、そんな親に育てられながらも、ラストでは”ふつう”の方向に進もうとするのがちょっと救われたかなあと思った。 それにしても主人公の彼氏みたいな男がどうしようもないな。 なんでちょっと病んでそうな年上で、しかも美しくない人と付き合い始めるかなあ。結局こいつはフリーターな自分よりも弱い人間が好きなだけなんだろ。いい顔したいだけだろ。
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- ネタバレ
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29歳、処女。 両親に禁欲的に育てられた彼女の、家族と恋愛のお話。 想像を絶する親子関係は、やっぱり私の理解を越えていたのだけど、どの家庭でも多少はこの要素を含んでいるとも思う。 お別れには領収書が必要ってとこに納得。 「つまさきがあたたかくなるのはいいなあ」 ってかわいい。
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これまた極端な設定・・・と思いつつ、自分も多かれ少なかれ滑稽な規範に縛られていることを思い知らされ、痛い・・・。
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どこまでも暗いイメージ。 キチガイか?と思うような父母。がんじがらめにされ、 自分の価値を貶められ、まともな考え方ができないよう育てられた理加子。 そんな彼女も30を前にいろいろと思うところが育っていった。 終わりはがっちりと閉ざされていた扉が音を立てて開いていく様子が伺えて、...
どこまでも暗いイメージ。 キチガイか?と思うような父母。がんじがらめにされ、 自分の価値を貶められ、まともな考え方ができないよう育てられた理加子。 そんな彼女も30を前にいろいろと思うところが育っていった。 終わりはがっちりと閉ざされていた扉が音を立てて開いていく様子が伺えて、読者側はよかったなぁ、と思える。
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ふつうであるという概念を考えさせられた。 ドールハウスから始まる処女三部作だが、 あたしは3つめの不倫(レンタル)から読んでいる。 姫野作品は、恋愛に対する万民の「ふつう」を一蹴するところが、読んでいてすがすがしいから好きだ。
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2005.09.09. 彼女の本は、なんとなくHっぽいのかな~と敬遠してたけど。全然そんなことなかった。うまい。好みの感じ。処女三部作の一作目なんだけど、異様な家族。がんじがらめになってる主人公。悲しいものがある。
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親がこわい。 異常なところも、自分と重なる描写も、自分自身の心情としても。 なんか、自分がもうちょっと行きすぎたらこうなってそう。 男はサイテーだ。 やっぱり姫野さんと友達になりたい。
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戦後なお日本の長子に負わされる「家」なるものの在り方を、主人公がめぐりあった小さな出会いを引きに語る。
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『処女三部作』の第1弾。 家庭(両親)にガンジガラメにされている30歳目前の一人っ子が主人公だ。 ゛普通゛であることの素晴らしさを実感できる。 結末に「ガンバレ!」と声援を送りたくなった。
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