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ドールハウス の商品レビュー

3.6

38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2018/01/31

この人の本は毎度毎度世界観がすごい。なんとも言えない感じなんだけど、視点というか何というか。普通という目線を、普通じゃない視点から描くっていうすごい技法。 なんか自分が普通なのか普通じゃないのかわからなくなるほどに、何が普通か基準がズレてくる。 どこの視点が普通で違うのかわか...

この人の本は毎度毎度世界観がすごい。なんとも言えない感じなんだけど、視点というか何というか。普通という目線を、普通じゃない視点から描くっていうすごい技法。 なんか自分が普通なのか普通じゃないのかわからなくなるほどに、何が普通か基準がズレてくる。 どこの視点が普通で違うのかわからなくなる。 どんな風に展開するのか、ラストまで結構ハラハラします。なんとも言えない、アルミホイルを噛み続けるようなイヤーな、ずーっとイヤーな感じのままオチまで続く。 すごく嫌なんじゃなくて、なんか?ん?嫌だなぁ嫌だなぁて、ラストまで思わせ続ける、そんな別種な一冊です!!!

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2018/01/19

家族という呪縛から逃れていく過程を描いた作品は何度か読んだが、この「ドールハウス」は地味ながらもリアルな感じがする。主人公が自分の常識が世間とは違うということに気づくシーンとか、友達とのコミュニケーションに自身をなくすところとか。子供の頃、親にドリフの番組を見させてもらえなかった...

家族という呪縛から逃れていく過程を描いた作品は何度か読んだが、この「ドールハウス」は地味ながらもリアルな感じがする。主人公が自分の常識が世間とは違うということに気づくシーンとか、友達とのコミュニケーションに自身をなくすところとか。子供の頃、親にドリフの番組を見させてもらえなかった子がクラスで話題についていけなかったりする的な、小さなことだけど子供にとってはカルチャーショックだったりする。そんな各家庭という文化差がまるで異国の文化のように感じたりしたなあ。そういう意味で恋愛というものは、すごい破壊力のあるライフイベント。主人公に遅れた反抗期がくるきっかけとなったのだから。

Posted byブクログ

2016/05/19

姫野カオルコさんの文章って、おもしろいですよね~ けっこうハマって、かなりのスピードで読み進んでいます。 単独とはいえ続編というかシリーズがあるのですね!早速入手して読みたいです^^

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2016/03/24

「いつか王子様が、か。今時の王子様は白馬には乗ってないんだろうな」 「きっとタクシーに乗ってるのよ」

Posted byブクログ

2015/04/04

これを読んで思い出したけど、親に反抗しない子は、友人として付き合うにも実態がつかめない子だった気がする。 その家庭における親との距離感は、一個人として外部(社会)との向き合い方とよく似るのかもしれないと、ふと思った。

Posted byブクログ

2014/06/18

姫野カオル 読みやすかった ここまでオーバーじゃないにしても、各家族のルールや常識って、表に出ないことが山盛りだと思う。しかもある程度親しくならないと、他人の目にさらされないから、それが世間の非常識だったってことに気づかないこともあるんだと思う。 井の中の蛙じゃないけど、渦中にい...

姫野カオル 読みやすかった ここまでオーバーじゃないにしても、各家族のルールや常識って、表に出ないことが山盛りだと思う。しかもある程度親しくならないと、他人の目にさらされないから、それが世間の非常識だったってことに気づかないこともあるんだと思う。 井の中の蛙じゃないけど、渦中にいては見えないことは家族に限らず、国もしかりなのかとも思った。

Posted byブクログ

2014/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館司書として働く公務員の理加子は、28歳になるが親に逆らえず、歪んだ価値観を受け入れる一人娘。 両親が同じタイミングで入院してしまい、職場と病院を行ったり来たりする毎日を送っていた。 家族に抑圧された女性が自由奔放で粗野な男・江木と出会い、だんだんと自分を開放していく話。 現実感のないほどの毒親ぶりと、被虐待者の思考に読んでいて痛々しくなる。 不快さは内容のリアルさの証なのだろうが、ここまで行くと引いてしまって読んでてまったく楽しみがない。 両親の言動に瞬間的な心の揺らぎや反発はあるが、結局彼女はそれを呑み込む。 ウジウジしているというわけでなく、諦めたような、しょうがないと思っているような部分がたまらなくじれったい。 江木は読者が感じているのと同じ違和感を理加子にぶつけ、理加子もだんだんと現状に疑問を持つようになる。 だが、江木がいいやつだったらともかく、最悪な男なのである。 ファンタジーのように感じるものの、多かれ少なかれ「ふつう」とは違う各家庭の常識があり、それが理加子の家の場合極端だった、という話だけなのかもしれない。 堅牢に作られたいびつな家族という檻を出ていこうとするラストが唯一救いである。

Posted byブクログ

2014/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

姫野カオルコさんの処女三部作の第1巻 両親の特殊な身勝手な考え方に縛られている理加子 どうして?どうしてそこまで・・・と 腑に落ちず、落ち着かない気持ちで読み進める 普通って何だろう、 普通って、楽ってことかな 未熟な恋をして傷ついて やっと本当の気持ちに気がつく理加子に ホッとして読み終わった

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2013/11/03

 ヒロインの理加子の家庭ほど極端でなくとも、どこ家庭でも「自分にとっては普通である異常なこと」があるのではないだろうか。少なくとも私にはある。だって家族の中には世間はないのだから、最小単位内での常識なんてのは非常識なのではないか?  では異常をどのように検知するのかと言えば、...

 ヒロインの理加子の家庭ほど極端でなくとも、どこ家庭でも「自分にとっては普通である異常なこと」があるのではないだろうか。少なくとも私にはある。だって家族の中には世間はないのだから、最小単位内での常識なんてのは非常識なのではないか?  では異常をどのように検知するのかと言えば、他人とつきあうことでしかない。その他人も異常かもしれないけれど、大勢を見ていけば、自分と異なる点を見いだすことが出来るはずだ。どんな異常でも良いけれど、自分にとって心地よいモノを見いだすしかないのかもしれないな……と思った。

Posted byブクログ

2013/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めて読んだ時は単純に「こんなに鬱陶しい両親、そりゃあ見捨てたくなるよな」と思っただけなのですが、アダルトチルドレンを自覚してから改めて読むと見方が変わりました。 これはACの解放の物語だ!と。 ラストの「一人で暮らすことからまず始めるわ」という主人公・理加子の一言に重みを感じます。

Posted byブクログ