花を捨てる女 の商品レビュー
2016年3月に逝ってしまった夏樹静子さんの短編集です。 6つの短編は どれも女性の微妙な心理状態をうまく書き表していました。 ● 花を捨てる女 ● アイデンティティ ● 尽くす女 ● 家族写真 ● 三通の遺言 ● 線と点 ほとんど全部が、 夫の不倫や...
2016年3月に逝ってしまった夏樹静子さんの短編集です。 6つの短編は どれも女性の微妙な心理状態をうまく書き表していました。 ● 花を捨てる女 ● アイデンティティ ● 尽くす女 ● 家族写真 ● 三通の遺言 ● 線と点 ほとんど全部が、 夫の不倫やその相手に対する嫉妬や殺意をテーマにした作品です。 20年ほど前の作品とは思えないほど、 きめ細かな心理描写と驚くようなストーリー展開に、 あっというまに読み終えてしまいました。 一番、好きな作品は、 タイトルにもなっている「花を捨てる女」。 仏壇に供える花を毎日変えるという行為で 自分の犯した罪を償うフリをする女性心理を見事に書き表していました。 こんなところから、 複雑な心理状況がわかってしまうのか、と驚きでした。 さすがは、ミステリーの女帝! これまで夏樹さんの作品はあまり読む機会がなかったのですが、 これを機に、長編にもどんどんと、トライしてみたいと思います。
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