卑弥呼 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久世光彦さんの『卑弥呼』を読了。この小説は僕がオーストラリアから帰国した95年の12月から生まれてはじめて転職を経験した97年の1月まで読売新聞夕刊で連載されていた新聞小説らしい。新聞小説は主婦層がよく読むのにこの小説の主人公が取り組む『女性器の呼称に関しての考察』というのを話の中に組み込み毎日小説を書き進めて行ったのは今それをやっても驚きだろう。その当時は久世さんはTVプロデューサーとして既に有名な方『時間ですよ!』であったとしてもこのチャレンジは相当な物だったろう。内容はというと、読み始めて何回も笑わせてくれる箇所があるし、泣かせる部分もあり、恋愛小説なのだが昔の小説やフォークソングが多く引用されるのでちょっとしたトリビア紹介小説の様になっているのもユニークだ。600ページ近くある小説だが疲れない小説なので、ほっこりしたい方にはおすすめです。
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