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現代社会の理論 の商品レビュー

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50件のお客様レビュー

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2011/01/23

現代社会は消費社会と情報社会である。資本主義の限界を克服するため、消費する意欲それ自体を自己で生み出す(欲望の創出)。現在ではそれは最も良い社会だと考えられるが、その一方で陰の部分もある。無限の消費の可能性に対して、有限である地球の資源。国内が豊かになるための、後進国の貧困等の、...

現代社会は消費社会と情報社会である。資本主義の限界を克服するため、消費する意欲それ自体を自己で生み出す(欲望の創出)。現在ではそれは最も良い社会だと考えられるが、その一方で陰の部分もある。無限の消費の可能性に対して、有限である地球の資源。国内が豊かになるための、後進国の貧困等の、「南北問題」。 消費化・情報化と定義した現代社会の問題点を改めて提示し、今後の方向性を示した良書。

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2010/12/19

情報社会は、何のために。 ↓ 新しい幸せの形の「発見」のために。 消費社会は、「解放」のために。

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2010/10/30

資本主義と共産主義。かつての資本主義は、戦争による特需のようなことがないと恐慌を繰り返す不完全なシステムだという論調で批判されることが多かったが、現代の資本主義は違う。資本主義のシステムそれ自体がシステムの原動力を生み出す自立したシステムである。 現代の資本主義システムが回転する...

資本主義と共産主義。かつての資本主義は、戦争による特需のようなことがないと恐慌を繰り返す不完全なシステムだという論調で批判されることが多かったが、現代の資本主義は違う。資本主義のシステムそれ自体がシステムの原動力を生み出す自立したシステムである。 現代の資本主義システムが回転する為に、そのシステムの外部にその負のゴミが捨てられる。公害、環境汚染、貧困・・・。 北の国と南の国。南の国は否応なく先進国の資本主義システムに取り込まれ、自分たちの幸せを奪われた。無条件に資本主義という貨幣を持っていないと生きていけない世界におかれ、そのうえで貨幣の無い状況がそこには発生している。

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2010/02/03

2010/2/3読了 高度に情報化・消費化の進んだ社会の現在の光の巨大・闇の巨大について述べ、最後に社会主義の余事象的に生き残っている資本主義の自由な社会のこれから進むべき道について論じている。 ①光の巨大 1950年代のアメリカに始まり、それから20年ほどの間に西ヨーロッパ、...

2010/2/3読了 高度に情報化・消費化の進んだ社会の現在の光の巨大・闇の巨大について述べ、最後に社会主義の余事象的に生き残っている資本主義の自由な社会のこれから進むべき道について論じている。 ①光の巨大 1950年代のアメリカに始まり、それから20年ほどの間に西ヨーロッパ、日本を含むいくつかの社会が「現代社会」という局面に入った。大量にモノを消費する社会の始まりだ。そしてその需要の形態は人々の自由な欲望から生まれたものだ。自由な社会の始まりと同時に生まれた人々の自由な欲望は無限の需要を生み出した。また消費は情報により創出されるもの、という関係が常態化した。 ②・③闇の巨大 情報化・消費化社会の発現によって無限の需要の自己内在化が可能になったが、供給は無限とはいかない。資源の有限性に規定され、供給は有限である。そこで供給の限界点に面する。しかしその供給の有限は先進国からはわからないところに遠隔化・不可視化されてしまっている。

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2009/10/04

「GNPを必要とするシステムの中に投げ込まれてしまった上で、GNPが低いから貧困なのである」   新書だからといって読者に迎合なんかしない。考えるままに書いているから、著者の思考と同じぐらい難解で難しい。  難しすぎるから、一番肝要な、情報化・消費化社会のこれからに対する著...

「GNPを必要とするシステムの中に投げ込まれてしまった上で、GNPが低いから貧困なのである」   新書だからといって読者に迎合なんかしない。考えるままに書いているから、著者の思考と同じぐらい難解で難しい。  難しすぎるから、一番肝要な、情報化・消費化社会のこれからに対する著者の見解がわからなかった。消費という概念を転回する必要があるってことだろうか。   日ごろから否定的な言説で語られる情報や消費だけど、資源や環境の限界性を乗り越えるためには、情報や消費で回る無限性の社会が不可欠。ブランドのマークがついてるだけで、何倍もの値段がつけられる市場なんだから、同じ利潤を稼ぐために必要な資源の量は、単位当りでは昔よりも減少している。これは理論書だから「環境が問題なら、リサイクルすればいいじゃん」なんてことは出てこない。加えて、時代を逆行するような自然回帰的なことは出てこず、常に未来に向いた視野の方向性がとても新鮮だった。  生きるためという必要から乖離し快楽という欲望に動機付けられた、いわばペラペラの価値観に振り回される社会ってどうなのよと思っていた所があったけど、あの頃に立ち返ろうみたいな考え方よりは、はるかに良い。今を背負っている感じがする。資本主義のこれからは、熟成した資本主義の中からしかでてこないんだろう。  でも、100年に一度の不況に陥った今なら、著者は同じことを書くだろうか

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2009/10/04

一、情報化/消費化社会の展開 二、環境の限界/資源の限界 三、南の貧困/北の貧困 四、情報化/消費化社会の転回 情報化による消費の座標の無限生産 → 無限である欲望ばかりを見ていて、有限である資源の問題が考慮されていない さらに資本主義というシステムが抱える問題点(環境、貧困)...

一、情報化/消費化社会の展開 二、環境の限界/資源の限界 三、南の貧困/北の貧困 四、情報化/消費化社会の転回 情報化による消費の座標の無限生産 → 無限である欲望ばかりを見ていて、有限である資源の問題が考慮されていない さらに資本主義というシステムが抱える問題点(環境、貧困) それらの解決への出発点になるであろう思考が書かれているのではないかと ただちょい難しい

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2009/10/04

〈かけがえのないもの〉への視力を、取り戻そう。 「〈情報化〉それ自体はむしろ、その一般的な可能性においてみれば、・・・、現代の「消費社会」が、自然収奪的でなく、他社会収奪的でないような仕方で、需要の無限空間を見出すことを、はじめて可能とする条件である。」p148 「一貫し...

〈かけがえのないもの〉への視力を、取り戻そう。 「〈情報化〉それ自体はむしろ、その一般的な可能性においてみれば、・・・、現代の「消費社会」が、自然収奪的でなく、他社会収奪的でないような仕方で、需要の無限空間を見出すことを、はじめて可能とする条件である。」p148 「一貫した社会的および政治的、経済的、技術論的な意志と目標とをもって政策が行われれば、自由な市場システムをとおしてであっても、自然収奪的でなく、他社会収奪的でない仕方で、情報化/消費化社会を永続することは可能なはずである。」p151 パエッセと共鳴する考え方です。 見田氏は、この分析の重要なコンセプトである〈消費〉の本質を、バタイユに依っています。 生産に対する〈消費〉の本原性。有用性の彼方の〈消費〉。 そして、〈至高なもの〉。 今さらながら、バタイユも読まなければ。

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2009/11/30

東京大学名誉教授の見田宗介が、「ゆたかな社会」のダイナミズムと魅力の根源を様々な視点から分析。環境と資源の限界や、各地の貧困の問題を解決すると同時に、私たちはどのような手法で経済を発展させていけば良いのかを考えていきます。背景知識の浅い私にとっては難解だったのですが、情報化・消費...

東京大学名誉教授の見田宗介が、「ゆたかな社会」のダイナミズムと魅力の根源を様々な視点から分析。環境と資源の限界や、各地の貧困の問題を解決すると同時に、私たちはどのような手法で経済を発展させていけば良いのかを考えていきます。背景知識の浅い私にとっては難解だったのですが、情報化・消費化社会に対する見方が大きく変わったことは確かです。更に勉強した後、再度読み返したいです。

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2009/10/04

消費化・情報化という日本の軸に現代社会を論じています。 二重の疎外論などは比較的分かりやすいのですが……。 肝心の転回部分の説明がもう少し欲しかったなと思います。

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2009/10/07

96年に書かれた著書なので、現代とマッチしていないところもある。 格差問題について触れているところはみそ。 消費問題から社会へアプローチしているところは腑に落ちるように読めると思う。 書かれた年がネックになったので、☆3つ。

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