流しのしたの骨 の商品レビュー
前々から読みたいと思っていた作品。 主人公こと子をとりまくちょっと変わった家族のお話。 嫁に行った長女の穏やかだが頑固なそよ。細い体に気丈でしなやかな強い心を持つ次女のしま子。みんなの弟であり長男の聡明でちいさな律。寡黙な父と、妻である母。こと子の恋人であるやさしく深く大きい深町...
前々から読みたいと思っていた作品。 主人公こと子をとりまくちょっと変わった家族のお話。 嫁に行った長女の穏やかだが頑固なそよ。細い体に気丈でしなやかな強い心を持つ次女のしま子。みんなの弟であり長男の聡明でちいさな律。寡黙な父と、妻である母。こと子の恋人であるやさしく深く大きい深町直人。
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とても描写がきれいだと、所々で、ふとしたときにハッと思い出すように感じられました。 さまざまな事件が起きているのに、どこか淡々としていていっこうに穏やかな日常から外れない。 どこかおかしな家族だけれど、人の家というものはそんなものなのかもしれません。 他人の家は時として海を挟むよ...
とても描写がきれいだと、所々で、ふとしたときにハッと思い出すように感じられました。 さまざまな事件が起きているのに、どこか淡々としていていっこうに穏やかな日常から外れない。 どこかおかしな家族だけれど、人の家というものはそんなものなのかもしれません。 他人の家は時として海を挟むよりも、画面を隔てるよりも遠いときがあるのだと改めて思いました。
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淡々と進む家族の日常、習慣、ふるまい。江國さんの得意分野。読み進めるにつれて家族の事が手に取るように分かってくる。でも何も起こらない。このタイトルって怖いものを連想させるし、もしかしてこれって伏線か、と思わせる。しかし何も起こらない。家族が外の世界とはかけ離れて孤立しながらも絆を深めてく様にじりじりと怖さを感じながら何も起こらない。好き嫌いは分かれると思うが私はとても好き。そしてこの作品が、自分が忘れていた小さな頃の出来事をいくつも思い出させてくれた。
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(1996.08.21読了)(1996.08.19拝借) (「BOOK」データベースより) 私、もし誰かを殺してしまったら骨は流しのしたにかくすと思う。19歳の私と不思議な家族たちの物語。 ☆江國香織さんの本(既読) 「つめたいよるに」江國香織著、理論社、1989.08. 「こ...
(1996.08.21読了)(1996.08.19拝借) (「BOOK」データベースより) 私、もし誰かを殺してしまったら骨は流しのしたにかくすと思う。19歳の私と不思議な家族たちの物語。 ☆江國香織さんの本(既読) 「つめたいよるに」江國香織著、理論社、1989.08. 「こうばしい日々」江國香織著、あかね書房、1990.09. 「綿菓子」江國香織著、理論社、1991.02. 「きらきらひかる」江國香織著、新潮文庫、1994.06.01(1992年) 「温かなお皿」江國香織著、理論社、1993.06. 「なつのひかり」江國香織著、集英社、1995.11.10
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「よそのうちは外国よりも遠い」とは言い得て妙。ことちゃんの家族と私の家族は、似ても似つかなかった。ニートに寛容な親と「小さな律」みたいな可愛い弟が欲しい。
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105。つだ リップクリームは唇を守ってくれる。つめたい風や街の埃や、乾燥やその他様々な悪いものから。 私は、さっきこの部屋に入ってからいままでに起きたできごとの一つずつを思い出し、頭のなかにならべてみた。なんでもそうなのだ。それが実際に起きているときには、よくわ...
105。つだ リップクリームは唇を守ってくれる。つめたい風や街の埃や、乾燥やその他様々な悪いものから。 私は、さっきこの部屋に入ってからいままでに起きたできごとの一つずつを思い出し、頭のなかにならべてみた。なんでもそうなのだ。それが実際に起きているときには、よくわからないままに通りすぎてしまう。だから私たちは要所要所で立ちどまり、ゆっくり考えてみなくてはいけない。冷静に、客観的に。父がいつもそう言っていた。
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江國香織の長編小説。 雨の降る部屋の描写が印象的だった。 2021.12.5再読終了 学生のころに読んだときとはまた別の感想を抱くかもと思ったけれど、やはり好きなものは好きなのだろう。 よそのうちって変だ。一丸となっていて、もしかしたら一生、相容れない。 でも流しのしたは覗け...
江國香織の長編小説。 雨の降る部屋の描写が印象的だった。 2021.12.5再読終了 学生のころに読んだときとはまた別の感想を抱くかもと思ったけれど、やはり好きなものは好きなのだろう。 よそのうちって変だ。一丸となっていて、もしかしたら一生、相容れない。 でも流しのしたは覗けない。 家族だって。 それはたぶん、個人の領域。 それから、大人になっても大人にはなれないようなこの感覚は、どうやらそれほど間違っていないのかもしれない。
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不思議な家族の物語。 主人公は高校卒業後何もせずに20歳までは親に扶養義務があるとして過ごしている。 ある時知り合いの紹介で、大学生の青年と出会い、お付き合いを続けて行く。 姉の一人は結婚して家を出ていっているけど、唐突に家に帰ってきたり、 もう一人の姉は、他人のお腹の中に居る子供を自分の子供として育てたがったり、 弟が一番常識人に見えたり。 しかし、流しのしたの骨、というのは最後の最後まで出て来なかった単語でしたね。ちょっととってつけたような感じだったかな。 そこまでタイトルほど薄気味悪くもなく、やっぱり、ちょっと可笑しな家族の物語、という感想でした。
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こうやって読むとこの本の中の家族は ちょっと奇妙に感じます 自分の育った家庭は普通だと 思っていても、そうではないところも あるのかと・・・この本を読んで思いました。 派手はところは一つもなく淡々をしているけど これはこれでよくて、幸せな物語です。 その中で三女こと子と彼氏の...
こうやって読むとこの本の中の家族は ちょっと奇妙に感じます 自分の育った家庭は普通だと 思っていても、そうではないところも あるのかと・・・この本を読んで思いました。 派手はところは一つもなく淡々をしているけど これはこれでよくて、幸せな物語です。 その中で三女こと子と彼氏の掛け合いは ほのぼのとしていて好きでした。
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隣の家は別世界。 家族にはその家族のルールがあり、世間から見て変わった人物であっても、 家族に認められていたらそれでよし。 素敵な兄弟だな、と思う。 弟かわいい。 なぜタイトルが「流しのしたの骨」なのかわからなかった。
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