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陋巷に在り(1) の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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孔子の最愛の弟子であ…

孔子の最愛の弟子である顔回は、実は師をも上回る部分を持った人物であった。その設定を見たときに僕はこの物語から眼が離せなくなった。

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孔子の最愛の弟子顔回…

孔子の最愛の弟子顔回。「彼は魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった」。裏表紙のこの紹介文を見て、「破天荒なファンタジーものか?」と思って長い間放っておいた作品ですが、第一巻は意外と史実に忠実です。ただ、現在から度々過去にシーンが切り替わるので、孔子の事跡を簡単に知っていた方...

孔子の最愛の弟子顔回。「彼は魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった」。裏表紙のこの紹介文を見て、「破天荒なファンタジーものか?」と思って長い間放っておいた作品ですが、第一巻は意外と史実に忠実です。ただ、現在から度々過去にシーンが切り替わるので、孔子の事跡を簡単に知っていた方が楽しめるかもしれません。主役は顔回とはいえ孔子の話なので、当然晏子も出てきます。この晏子は人間らしいですね。宮城谷作品に『晏子』がありますが、こちらは理念の具現体のような人なのです。対して酒見賢一の晏子は、コンプレックスを抱え、

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孔子の最愛の弟子顔回…

孔子の最愛の弟子顔回。「彼は魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった…」。裏表紙のこの紹介文も見て、「破天荒な超能力ものか?」と思って長い間放ってあった作品ですが、意外と史実に忠実です。ただ、度々現在から過去へ舞台が移ったりするので、孔子の事跡を簡単に知っていた方が楽しめるか...

孔子の最愛の弟子顔回。「彼は魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった…」。裏表紙のこの紹介文も見て、「破天荒な超能力ものか?」と思って長い間放ってあった作品ですが、意外と史実に忠実です。ただ、度々現在から過去へ舞台が移ったりするので、孔子の事跡を簡単に知っていた方が楽しめるかもしれません。主役は顔回ですが、孔子の話なので、当然晏子も出てきます。この晏子は人間らしいですね。宮城谷作品に『晏子』がありますが、こちらは理念の具現体のような人なのです。しかし、酒見賢一の晏子は、コンプレックスをもち、政争に権謀

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この小説内では孔子や…

この小説内では孔子やその弟子である顔回の周りには筆者の独特な解釈に立脚する一種の呪術に似た力が横行している。僕が惹かれるかつ興味深く思うのはこの呪術が奔放すぎず、かといって硬すぎず、また専横的に過ぎることもなければ過分に秘術的ということもない、といった風なバランスを保って根差して...

この小説内では孔子やその弟子である顔回の周りには筆者の独特な解釈に立脚する一種の呪術に似た力が横行している。僕が惹かれるかつ興味深く思うのはこの呪術が奔放すぎず、かといって硬すぎず、また専横的に過ぎることもなければ過分に秘術的ということもない、といった風なバランスを保って根差していることだ。このバランスは魔法とか呪術の類を扱うに当たって非常に慎重に調整すべき肯綮であると思っている。その点このシリーズはぬきんでているような気がする。

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2021/12/06

読書家の友人に勧められて読み始めた。 題材は面白いが、文体に癖があって読み難いとの挑戦つきで。 たしかに読み難い。 通常の書き手であれば、話の腰を折らないように、注釈にするかあとがきに回すであろう細かな事ごとを、本編に剥き出しで差し込んでいく。 読み手は、否応もなく細かな注釈ま...

読書家の友人に勧められて読み始めた。 題材は面白いが、文体に癖があって読み難いとの挑戦つきで。 たしかに読み難い。 通常の書き手であれば、話の腰を折らないように、注釈にするかあとがきに回すであろう細かな事ごとを、本編に剥き出しで差し込んでいく。 読み手は、否応もなく細かな注釈まで読む事を強いられる。 内容は中国の壮大な抒情詩になりそうな予感があるので、先を読みたいのだが、このペースが続くとなかなか骨の折れる読書になりそうだ。 でも、あまり間を開けると話を忘れてしまうので、早々に第二巻に取り掛かりたい。

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2020/04/09

需は雨請いする下級の巫祝。儒教の儒はその階層から起こったものだから、儒というのだ・・と。サイキックパワー!

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2015/06/08

聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった……息づまる呪術と呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ...

聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった……息づまる呪術と呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編 孔子の一番弟子であった「顔回」が、様々な魑魅魍魎と戦うファンタジー要素もあり。 「論語」や「易経」などの薀蓄もふんだんにあり、歴史小説以上の面白さがあります。 ちなみに本書は残念ながら絶版になっており、本屋に無い、、、、、、ですが、古本などでは手に入りやすいので、是非。 酒見賢一の本では『ピュタゴラスの旅』もおすすめです! どーでも良いですが、『陋巷に在り』の表紙絵は、知る人ぞ知る「諸星大二郎」が寄稿しています!

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2014/08/21

新本で手に入らなくて、古本屋を探して、探して・・・ようやく手に入れた。 これまで白川静の『孔子伝』などを読んできた。 祭祀などをしきる「儒」という社会集団から孔子が出たということが書かれていたけれど、正直、なかなか具体的なイメージがわかなかった。 この本を読んで(無論フィクション...

新本で手に入らなくて、古本屋を探して、探して・・・ようやく手に入れた。 これまで白川静の『孔子伝』などを読んできた。 祭祀などをしきる「儒」という社会集団から孔子が出たということが書かれていたけれど、正直、なかなか具体的なイメージがわかなかった。 この本を読んで(無論フィクションも含まれているだろうけれど)どういう存在なのか、もう少しリアルに想像できるようになった。 晏子との行き違いや、陽虎、子貢などの人物像なども、なんだか、きっとそんな風だったのかも、と思わされてしまった。 まだこの巻では顔回のすごさは、それほど描かれていない。 どうなっていくのだろう。

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2013/10/13

最初の感想としては、とにかく読みにくい。 話があっちにいったり、こっちにいったりし過ぎだし、小説の中に当時の社会状況等の解説が頻繁に出てきて話がややこしいし、仕方がないとは言えやたらに難しい言葉(漢字)が出てくるしで、とにかく読みにくいこと甚だしいという感じです。 でも、そういっ...

最初の感想としては、とにかく読みにくい。 話があっちにいったり、こっちにいったりし過ぎだし、小説の中に当時の社会状況等の解説が頻繁に出てきて話がややこしいし、仕方がないとは言えやたらに難しい言葉(漢字)が出てくるしで、とにかく読みにくいこと甚だしいという感じです。 でも、そういった点を補って余りあるほどに物語が面白い。孔子の弟子の顔回を中心にしたお話ですが、呪術を使った闘いあり、政治的な虚虚実実の駆け引きあり、顔回と自称許嫁の少女とのとぼけたやり取り等々、物語の世界に引き込まれてしまいました。 13巻で完結らしいので、まだまだ先は長いですが、読み進めていくのが楽しみです。

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2012/04/19

この小説は10年ほど前に初めて読み始めました。全13巻をすべて読破したのですが、最近になってまた読みたくなり再読しています。 孔子の弟子の顔回子淵がこの小説の主人公。孔子に「賢なるかな回や。一簞の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人は其の憂いに堪えず。回や其の楽しみを改めず。賢なるかや...

この小説は10年ほど前に初めて読み始めました。全13巻をすべて読破したのですが、最近になってまた読みたくなり再読しています。 孔子の弟子の顔回子淵がこの小説の主人公。孔子に「賢なるかな回や。一簞の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人は其の憂いに堪えず。回や其の楽しみを改めず。賢なるかや回や。」と、高く評価された人物。孔子の儒学の一番の後継者でしたが夭折してしまいました。しかし、その間特に功績があったわけではないといいます。それなのに何故?と作者自身この小説の冒頭でその疑問を語っています。 酒見さんの小説は独特な雰囲気をもっています。ファンタジーといわれる分野がお得意のようですが、この小説も歴史物とだけ言えない要素が多分に含まれています。 20歳前の顔回は文字通り陋巷に暮らしているのですが、巫儒の一族(祖先の霊魂を扱う)として生得の才能を持っています。 この巻では、その彼が礼を広めようとする孔子に魅せられて弟子入りするまでを書いているのですが、途中、その時代の背景は勿論のこと、作者の意見というか解説が相当な分量を占めています。 以前読んだ時は、筋を追うのに夢中で多分に読み飛ばしていただろう現代の日本に残る喪礼(葬礼)の儀式の解説など、今回はじっくり読んだので余禄も楽しむことができました。勿論、今後は敵対する勢力への顔回の特殊能力の発揮場面が一番期待するところです。

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