新作文宣言 の商品レビュー
インターネットが一般化する前の本だが、ネット上でだれもが自分の文章を不特定多数み抜けて公開できるようになった現在を予見させるような幕切れだ。 【引用】 ・文章に絶対的な規範などありはしない。 ・よく文章教室で「先生」に添削してもらうのだが、調子はなめらかになっても自分の文章の...
インターネットが一般化する前の本だが、ネット上でだれもが自分の文章を不特定多数み抜けて公開できるようになった現在を予見させるような幕切れだ。 【引用】 ・文章に絶対的な規範などありはしない。 ・よく文章教室で「先生」に添削してもらうのだが、調子はなめらかになっても自分の文章の持ち味は死んでしまう ・著述は<作者>の名前を必要とする。さらに<作者>は少数でなければ意味をなさない。なぜならそれは無名者から選ばれた名誉の象徴であるからだ。(p257) ・ちっぽけな名誉欲や虚栄心よりもはるかに根源的に、書くこと(ことばを考えること)は人の深い欲望なのだ。(p258) ・文章に関して、低いレベルからイッパン人には手の届かない雲の上のレベルまで、才能と習練によって階梯を昇っていく、という考え方よりも、あらゆる人が自由に<作文>して<純粋文章>を愉しめばいいと考えたほうが、ずっと楽だし、本当のレベルはそのほうがうんと高いのではないだろうか。(p262)
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